レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/01/21
- 登録日時
- 2011/08/19 02:00
- 更新日時
- 2012/03/07 20:47
- 管理番号
- 横浜市中央1435
- 質問
-
未解決
『鎌倉郡中川村郷土誌』に、薬用植物として「トビヅタ」という名前が出てきました。
「トビヅタ」は「ヤドリギ」のことです。当時、どのような効用があるとして、この植物を薬草としていたのか載っている資料を探しています。
- 回答
-
以下のとおり、回答いたします。
1 ご覧になったという資料は、貸出中で確認できなかったため、まず、百科事典を確認しました。
『日本大百科全書』小学館
「ヤドリギ」の項目を確認したところ、別名「トビヅタ」との記載がありました。
2 横浜市立図書館蔵書検索で関連のありそうな下記の資料を確認しました。
(1) 『神奈川県における薬用植物並びに有毒植物大要』神奈川県衛生部薬務課 1960年
(2) 『神奈川の野生薬用植物』神奈川県衛生部薬務課 1966年
(3) 『かながわの薬草シリーズ 薬草の使い方と漢方』神奈川県薬剤師会 2003年
いずれも「ヤドリギ」の記載はありませんでした。
(4) 『神奈川県植物誌』神奈川県立生命の星・地球博物館 2001年
「ヤドリギ」の項目はありましたが、薬用としての記載は特にありませんでした。
(5) 『横浜の植物』横浜植物会 2003年
「ヤドリギ」の項目はありましたが、薬用としての記載は特にありませんでした。
3 各種地方史に記載がないか確認しました。
(1) 『神奈川県史 通史編1』神奈川県 1981年
P.200-「薬草」の項目あり
古代の記録なのですが、相模国と武蔵国から中央に贈られた薬草のリストが載っていました。
その中に「ヤドリギ」は見当たりませんでした。
(2) 『横浜市史』横浜市 1958年-
(3) 『横浜市史Ⅱ』横浜市 1996年-
(4) 『横浜市史稿』横浜市 1931年-
(5) 『戸塚区史』戸塚区史刊行委員会 1991年-
4 薬用植物の各種図鑑・事典類を確認しました。
(1) 『原色牧野和漢薬草大図鑑』和田浩志/編修 北隆館 2002年
「ヤドリギ」の項目あり。薬効などの記載があります。
(2) 『和漢薬百科図鑑Ⅱ』難波恒雄/著 1993年
「ヤドリギ」→「桑寄生」の項目あり。薬能や起源などの記載があります。
※いずれも、近年発行の資料です。当時、同じ効用として考えられていたとは限りません。
5 お探しの時期周辺に発行された薬用植物の図鑑等を確認しました。
(1) 『日本薬用植物図譜』市村塘/著 科学書院 1980年(日本薬報社 昭和7年刊複製)
「ヤドリギ」の項目はありませんでした。
(2) 『国訳本草綱目』 春陽堂 1934
「ヤドリギ」の項目はありませんでしたが、第8冊に「桑上寄生」という項目があります。
〔主治〕として何に効くか記載されています。
→『和漢薬百科図鑑』によると、「桑寄生」を中をさらに区別するために
「桑上寄生」という名称が用いられた…と書かれています。
また、質問者からの依頼で『日本民間薬草集覧』(帝国女子医学薬学専門学校薬学科/編
春陽堂 1933年)も確認しましたが、「ヤドリギ」と思われる記載は見つかりませんでした。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 薬学 (499 8版)
- 関東地方 (213 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000090203