レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 島根県立図書館 (2110035) | 管理番号 (Control number) | 島根参2019-10-001 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
事例作成日 (Creation date) | 2019/10/22 | 登録日時 (Registration date) | 2019年10月27日 12時46分 | 更新日時 (Last update) | 2019年11月14日 10時16分 | ||||||
質問 (Question) | 高杉晋作の名言で「苦労する身は厭わねど 苦労しがいのあるように」というものがあるが、いつ、どういう状況で出た言葉なのか知りたい。 | ||||||||||
回答 (Answer) | 『世界名言大辞典』(明治書院 2018)、『幕末名言物語』(言視舎 2017)、『世界の故事名言ことわざ 総解説』(自由国民社 2017)、『名言 人生を豊かにするために』(里文出版 2011)、『武士の一言』(朝日新聞出版 2010)を調査。該当する記載なし。 【資料1】『晋作語録』(第三文明社 2014)を調査。p115「三千世界の烏を殺し、ぬしと朝寝がしてみたい」の項に以下の記述あり。 ”高杉晋作が作り、三味線を爪弾きながらうたったとされる都々逸。晋作は、江戸の妓楼で、「粋な遊び人」になるための修行も、かなり積んだらしい。 ・・・(中略)・・・ただし残念なことに、冒頭の都々逸が晋作の作品であるという根拠は何も無い。 他にも晋作が作ったと伝えられる都々逸としては、「咲いた桜になぜ駒つなぐ、駒が動けば花が散る」などがあるけれど、どれも伝説の域を出ない。 晋作なら作ったであろう、いや、作ったに違いない、という風に、いつの間にか晋作の作品になってしまったというのが真相であろう。” 【資料2】『紫文式都々逸のススメ』(創美社 2007)を調査。「その参:都々逸はいから遍」p77に、「苦労する身は 何いとわねど 苦労しがいの あるように」が掲載されているが、作者についての記述はない。 「苦労する身は厭わねど」をキーワードにGoogle検索。「苦労する身は厭わねど 苦労しがいのあるように」は高杉晋作の名言であるとする情報がいくつかヒットするが、出典や根拠に関する記述はない。 「苦労する身は厭わねど」をキーワードにGoogleブックスを検索。司馬遼太郎/作『竜馬がゆく』7巻がヒット。【資料3】『竜馬がゆく 7』(文芸春秋 1985)を調査したところ、p370に、竜馬が死んだ高杉を思い、高杉の唄でもうたってやろうと供養する場面で、「苦労する身はなに厭わねど 苦労し甲斐のあるように」の記述あり。 【資料4】『高杉晋作の手紙』(講談社 2011)に以下の記述あり。 「晋作は約四百篇もの漢詩を残した詩人でもあった。」p336 「晋作は作詩を好んだが、俳句や和歌は三十余作ほどが確認されているに過ぎない。」p359 【資料5】『その時歴史が動いた 4』(KTC中央出版 2001)p117に以下の記述あり。 「三千世界の烏を殺し、ぬしと朝寝がしてみたい:高杉が作ったと言われる都々逸の一節である。高杉が残した歌は、二九年の生涯で、三七〇首あまり。」 以上、調査の結果、「苦労する身は厭わねど 苦労しがいのあるように」が高杉晋作の残した言葉であるという根拠を記した資料はみつからなかった。上記の情報を紹介し、調査を終了した。 | ||||||||||
回答プロセス (Answering process) | |||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||||||
NDC |
| ||||||||||
参考資料 (Reference materials) |
| ||||||||||
キーワード (Keywords) |
| ||||||||||
照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||||||
備考 (Notes) | |||||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 | 内容種別 (Type of subject) | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | |||||||
登録番号 (Registration number) | 1000262940 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 未解決 |