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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000253632
提供館
(Library)
千葉県立中央図書館 (2120001)管理番号
(Control number)
千県中参考-2018-17
事例作成日
(Creation date)
2018年12月06日登録日時
(Registration date)
2019年03月24日 18時01分更新日時
(Last update)
2019年04月10日 13時00分
質問
(Question)
現在フォンダンショコラには大まかに見て次の二つのレシピがあります。このうちどちらが古典的なレシピなのか、本格的なレシピはどちらなのかを知りたいです。

(A)多めのチョコに少しだけ小麦や卵を入れてやき、火加減によって生地の中心部をとろりとした状態に残すもの
(B)チョコレートケーキの生地の真ん中にガナッシュを入れて焼いて、生地は全部固め、中に溶けたチョコを残すもの
回答
(Answer)
1.古典的、典型的な作り方を確認するため県立図書館所蔵の菓子やフランス料理の辞典類を確認しましたが、「フォンダンショコラ」に関する記述は見つかりませんでした。

2.一般的な料理のレシピ本としては、質問で挙げていただいたAとBに近いレシピが両方見つかりました。また、別の名前で似ているように見える菓子もありました(回答プロセス欄に資料を記載)。
回答プロセス
(Answering process)
1.開架596(食品・料理)、588(食品工業)をブラウジングし、主にフランス料理(596.2)や洋菓子(596.6)の辞典類を参照。→「フォンダン」(コーティング用ペースト)はあるが、フォンダン・ショコラは載っていなかった。

2.NDC596と全項目「チョコレート」や「フランス」との掛け合わせ、件名「チョコレート」等で資料を検索。県立図書館にはレシピ類が少ないため、同様に市立図書館等の資料を調査した。
・フランスの「古典」や「地方菓子」の観点、また「フランス料理」のデザート関係の資料を探索した。
・料理関係の出版社である柴田書店( http://www.shibatashoten.co.jp/  )や旭屋出版( http://asahiya-jp.com/  )のサイト内検索窓で「フォンダン」等で検索→目次の一部が検索でき、関連資料発見。
・この過程で「ビスキュイ・ショコラ・クーラン」に関する『魅惑のチョコレート』(後述)が見つかった。

3.流行の情報などを調査するため、「日経テレコン21」を利用した。
→ロッテの菓子商品についての記事に、元となったフォンダンショコラを紹介する簡単な記述があった(その他、菓子店での販売情報等もヒットした)。いずれも事実関係は未確認。
・「ロッテのチョコレート「フォンダンショコラ」――外サクッ(開発トピックス)」(『日経流通新聞』 2000.2.8 p20)
「「フォンダンショコラ」はフランスで数年前から人気のチョコレートデザート。(略)日本でも九八年ころから話題に上り、レストランや専門店で作られていたという。」

・「チョコレート菓子「フォンダンショコラ」、ロッテ――とろける口溶け感(視点採点)」(『日本経済新聞』1999.12.26朝刊 p6)
「フォンダンショコラは、もともとフランス生まれの菓子で十九世紀以降、家庭で親しまれている。」

4.有料データベース「Web OYA-bunko」で「フォンダンショコラ」を検索すると45件該当。
一番古い資料として次の記事があることがわかった。当館未所蔵のため内容は確認できず。
・村山なおこ「チョコレートケーキの新星登場! 注目の「フォンダン・ショコラ」は、とろけるような柔らかさで魅了する」(『dancyu』1998年1月)p160-166

また、近年の記事では、ウェブ上のレシピの安全の問題で話題にされているものが見つかった。
・「「クックパッド」は危ない 「乳児蜂蜜」は氷山の一角 要注意メニュー一覧」(『週刊文春』2918号 2017.4.27)p146-147
フォンダンショコラについて、「通常は中にガナッシュを入れて焼きます。最近は混ぜて焼くだけの手軽なレシピも人気ですが」としたうえで、クックパッドのレシピには「ただ生焼けにしているだけ」で危険なものもあると、専門家がコメントしている。

4.フランス語のwikipediaを調査
フランス語版ウィキペディア「Fondant au chocolat」( https://fr.wikipedia.org/wiki/Fondant_au_chocolat )の参考文献欄(références)をオンラインの機械翻訳機能を使いながら確認したが、有効な情報は見つけられなかった。

5.「ビスキュイ・ショコラ・クーラン」について調査。
・『魅惑のチョコレート 本場に習うおとなの味 日曜日の遊び方』(大森由紀子著 雄鶏社 c1997)
p128-132「ソースが流れ出る傑作デザート」として、「チョコレートのお菓子のなかに、チョコレートソースも閉じ込められている」「ビスキュイ・ショコラ・クーラン」という菓子のレシピを紹介。チョコレートソースを入れるタイプのレシピ。
・インターネットで菓子名で検索すると、考案者として「ミシェル・ブラス」の名前があり、考案年も書かれている。原綴りを参照し全項目「Michel Bras」で蔵書検索。
→『ミシェル・ブラの世界 自然と生きる料理人』(ミシェル・ブラ[ほか]著 柴田書店 1993)(9103500225)
p212「カカオバター風味の牛乳 とろとろコーヒー入りウー・ア・ラ・ネージュ」
「LE LAIT <BEURRE> DE CACAO, OEUFS A LA NEIGE AU CAFE <COULANT>」とあり、これがクーランとみられる。写真とレシピ掲載。火を通した「ウー・ア・ラ・ネージュ」の中に「とろとろコーヒー」を満たしたもの。
・WebcatPlus( http://webcatplus.nii.ac.jp/  )で「ミシェル・ブラス」を検索
→『美食のテクノロジー』(辻芳樹著 文藝春秋 2008)(県立未所蔵)
「ミシェル・ブラス」の章に、フランスの伝統的なデザートである「ビスキュイ・ド・ショコラ」にオリジナリティを加えた「ビスキュイ・ド・ショコラ・クーラン」というデザートが1981年に誕生したとあり(p134)。ただし、フォンダンショコラとの関係は書かれていない。

【関連する記述のあったレシピ本】
行頭の〇はフォンダンショコラに類する名前で載っているもの、△はそれ以外の名前で似た内容のもの。千葉県立の所蔵資料は、書誌情報の後の()に資料番号を掲載。

(A)焼き残すもの(→中に別の素材を入れていないものを挙げた)
〇『お菓子づくり百科 ヘルシースウィーツや和菓子も充実の520品』(手づくりお菓子の会編 家の光協会 2006)
p67「フォンダンショコラ」レシピ

〇『フランスのチョコレート菓子』(ジャン=リュック・ムーラン著 学研 2008)
p112-113「フォンダン・ショコラ」「周囲はさっくり、中心の層はしっとり、ねっとりとしてやわらかく濃厚な甘さ」とあり、写真を見ると長い型に入れて焼き、切り分けて食べるケーキ。

(B)中に別の素材を詰めて焼くもの
〇『デザートの組み立て方』(石井義昭著 柴田書店 2005)(1101951509)
p185,186「ケースに詰めたフォンダンショコラ」「アーモンド生地の極薄ケースにガナッシュとフォンダンショコラを詰め、とろーりとろける熱あつをサーヴ」
p221,225「フォンダンショコラ」生地を敷いた角型にフォンダンショコラを流します。「145℃のオーヴンで25分ほど焼く(完全に火が通っていなくても、余熱で火が入る)」

〇『チョコレートでまよったら』(サントス・アントワーヌ著 柴田書店 2004)
p125-127「フォンダンショコラ」「一見焼き菓子のようですが、実は生ケーキです」ビスキュイの中にストロイゼルとガナッシュ・オ・レが入っている。

(C)フォンダンショコラという名前ではないもの(末尾にAとBのどちらかを記載した)
△『シェフズレシピ とっておきの一皿』(柴田書店編 柴田書店 2001)(0105618738)
p310,312「温かいチョコレート、フランボワーズソース」生地と詰め物(チョコレート、バター、牛乳、生クリーム)で作る。フォンダンショコラに近いものと思われる。(B)

△『フランス料理13章 日本で究めるモダン・クラシック』(ドミニク・コルビ著 柴田書店 2006)(1101983066)
p204「チョコレートのモワルー、タマリンドのアイスクリーム添え」
「焼きたての香ばしいスフレから、熱いチョコレートがとろりと溶け出す」とあり。(A)

〇・△『プロのデザートコレクション 76店のスペシャルな172品』(柴田書店編 柴田書店 2016)
複数のレシピを掲載。
p78-81 3店のフォンダン・ショコラのレシピと写真掲載。
・1品目「フォンダン・ショコラとライムのクレムー、チョコレートとライムの温製ソース」→「フォンダン生地の中にはライム果汁を使ったやわらかいクレムー」(B)
・2品目「フォンダン・ショコラ」→特に別の素材は入れていない(B)
・3品目「フォンダン・ショコラと丸中醤油のキャラメルサレクレームドココとパッション」→「チョコレート生地はギリギリ固まる程度のやわらかい状態に薄く焼き」(A)
p66「抹茶とショコラのフォンダン」→焼かないお菓子
p106「ビスキュイ・クーラン・ショコラ」→「ビスキュイの中にユズのクーリをしのばせ、ナイフを入れるとトロッとしたチョコレートが流れ、さわやかな柑橘の香りが立ちのぼる」(B)

△『みんなが笑顔になるフランスの定番おやつgoûter』(マリエレーヌ・ポワンソ著 自由国民社 2014)
p64-65「クラン・ティエド・オ・ショコラ Coulant tiède au chocolat」として中がとろっとしたものが載っている。(A)

△『一流シェフのとっておき贈るショコラ 絶対に喜ばれる失敗なしの27レシピ 別冊家庭画報』(おいしいものだけセレクト編集 世界文化社 2006)
p38-39「モエルー・オ・ショコラ」パリのオテル・ランカスターの長江桂子氏によるもの。「表面が固まるまで焼く」とあり、中を焼き残しているとみられる。(A)

△『美しいフランス菓子の教科書』(メラニー・デュピュイレシピ&解説 パイインターナショナル 2016)
p258-259「モワール・オ・ショコラ」(A)

【関連する記述が見つからなかった調査済み資料(県立図書館所蔵)】
(辞典類)
『フランス食の事典』(日仏料理協会編 白水社 2000)
『洋菓子事典』(吉田菊次郎著 主婦の友社 1991)
『洋菓子百科事典』(吉田菊次郎著 白水社 2016)
『ラルース新デザート事典』(ピエール・エルメ著 同朋舎メディアプラン 2008)
『製菓事典』(渡辺長男[ほか]編集 朝倉書店 1981)

(お菓子・ケーキ全般)
『お菓子の歴史』(守安正著 白水社 1965)
『名前が語るお菓子の歴史』(ニナ・バルビエ[著] 白水社 1999)
『ケーキの歴史物語 お菓子の図書館』(ニコラ・ハンブル著 原書房 2012)
『ケーキの世界』(村山なおこ著 集英社 2001)

(古典菓子・地方菓子)
『私のフランス地方菓子』(大森由紀子著 柴田書店 1997)
『パティスリー・ドゥ・シェフ・フジウの現代に甦るフランス古典菓子』(藤生義治著 柴田書店 2017)

(フランス菓子)
『フランス菓子入門』(J.ドラベーヌ著 柴田書店 1977)
『フランス菓子百科 1 標準菓子』(イヴ・チュリエ[著] 白水社 1982)
『フランス菓子947製菓法』(ジョゼフ・コッシェ[ほか]著 モーリス・カンパニー 1997)
『手作り菓子工房 匠のわざ・最高級のフランス菓子』(小針由雄著 グラフ社 1997)
『フランス菓子百科 3 新しい菓子・祝い菓子・アメ細工』(イヴ・チュリエ[著] 白水社 1983)
『基礎フランス菓子教本 第1巻 基本のパート』(ローラン・ビルー共著 柴田書店 1989)
『基礎フランス菓子教本 第2巻 クリーム、コンフィズリー、アントルメ、<完成品>』(ローラン・ビルー共著 柴田書店 1989)
『基礎フランス菓子教本 第3巻 フール・セック、チョコレート細工、アイスクリーム類の製法、あめ細工』(ローラン・ビルー共著 柴田書店 1990)
『基礎から学ぶフランス菓子 第1巻 プロをめざす人のために 基本編』(中山弘典著 柴田書店 1998)
『基礎から学ぶフランス菓子 第2巻 プロをめざす人のために 実践編』(中山弘典著 柴田書店 1998)
『プロのための洋菓子材料図鑑 [vol.1] 柴田書店MOOK 菓子づくりの「幅」を広げる製菓材料1200』(柴田書店 2006)
『プロのための洋菓子材料図鑑 vol.2 柴田書店MOOK トップシェフに聞く、「私の素材の選びかた」』(柴田書店 2008)
『プロのための洋菓子材料図鑑 vol.3 柴田書店MOOK 製菓材料の工場見学/焼き菓子の素材』(柴田書店 2011)
『物語のあるフランス菓子 おいしいレシピとエピソード』(大森由紀子著 日本放送出版協会 2008)
『洋菓子 イラスト・調理方法・手順付き 専門料理全書』(小笠原康夫著 辻学園調理・製菓専門学校 2007)

(フランス料理)
『最新フランス料理全書』(レイモン・オリヴェ著 三洋出版貿易 1973)
『現代フランス料理全集 6 デザート』(辻静雄編著 柴田書店 1980)
『軽いフランス料理』(アンリ・ゴー編 三洋出版貿易 1980)
『湧き出でるオリジナリティ 新フランス料理』(ピエール・ガニェール著 柴田書店 1992)
『パリジェンヌの家庭料理』(木原千春著 大月書店 1992)
『完全理解フランス料理技術教本』(中村勝宏著 柴田書店 2001)
『フランス料理おいしさのエッセンス 季節を奏でる48の皿』(緑川広親著 柴田書店 2001)
『基本をきわめるフランス料理』(三谷青吾著 柴田書店 2008)

(チョコレート)
『チョコレートブック』(ヘルガ・ルビンスタイン著 平凡社 1990)
『チョコレート百科 ミニ博物館』(森永製菓広報委員会編 東洋経済新報社 1985)
『チョコレート ロマンのあるスイート』(ノーマン・コルパス著 モロゾフ 1981)
『Le chocolat par Mariko a Paris モロゾフ株式会社創立60周年記念出版』(上野万梨子企画構成 モロゾフ 1991)
『チョコレート カカオの知識と製造技術』(Stephen T Beckett著 幸書房 2015)
『チョコレートの博物誌 Shotor museum』(加藤由基雄著 小学館 1996)
『チョコレートの歴史物語 お菓子の図書館』(サラ・モス著 原書房 2013)
『チョコレートの歴史』(ソフィー・D・コウ著 河出書房新社 1999)
(インターネット最終アクセス:2019年1月10日)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
食品.料理  (596 9版)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
フォンダン・ショコラ
チョコレート
菓子
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000253632解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決
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