レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009/04/16
- 登録日時
- 2009/04/09 02:10
- 更新日時
- 2012/11/19 15:54
- 管理番号
- 日進08S-48
- 質問
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解決
「粥有十利(しゅうゆうじり)」の「利」とはどのようなものか。
- 回答
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粥食には10の利益があること。10の利は、
①色 (体の色つやが良くなり)
②力 (気力を増し)
③寿 (長命となり)
④楽 (食べすぎとならず、体が安楽)
⑤詞清辯 (言葉が清くさわやかになり)
⑥宿食除 (前に食べた物が残らず胸やけもせず)
⑦風除 (風邪もひかず)
⑧飢消 (消化よく栄養となって飢えを消し)
⑨渇消 (のどのかわきを止め)
⑩大小便調適 (便通もよい)
- 回答プロセス
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※( )内は当館請求記号
「粥有十利」の読み方が解らなかった為、漢語林で 「粥」を調べる。
粥→シュク、イク 粥有十利→シュクユウジュウリ(?)
『辞林21』 (813.1/024)、 『四字熟語辞典』 (813.4/087)(813.4/083)、 『故事・俗信ことわざ大辞典』 (813.4/066)、 『出典のわかる故事成語・成句辞典』 (813.4/091)を見るが、記載なし。
熟語ではないようなので、仏教関係の言葉と推測する。
『岩波仏教辞典』 (180.3/0311)、 『広説 佛教語大辞典』 (180.3/0309)、 『総合佛教大辞典』 (180.3/0322)をみる。
「粥有十利」は記載されていなかったが、「粥」の項目に粥と禅に深い関わりがあるとの記述あり。
禅に関する辞典類をみる。
『禅語辞典』 (188.8/01173)、 『禅学辞典』 (188.8/014)→記載なし。
『禅学大辞典』 (188.8/0797)→記載あり。
禅と食に関する本にもあたり、回答を得る。
『禅と食』(188.8/YA71) P188-194
同p.190に十利について、「『摩訶僧祇律』によれば」との記述があったので、『摩訶僧祇律』(まかそうぎりつ)にもあったてみる。
『国訳一切経 律部十』(183/14/75) [摩訶僧祇律 巻第二十九 雑誦跋渠法を明すの七 「粥法」] に載っていた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 仏教 (180 7版)
- 食品.料理 (596 7版)
- 参考資料
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『新版 禅学大辞典』 駒沢大学内禅学大辞典編纂所編 / 大修館書店 / 1985 / (188.8/0797) P502
(AJ94008430) - 『禅と食』 小倉玄照 / 誠信書房 / 1987 / (188.8/YA71) P188-194 (AJ94166046)
- 『国訳一切経 第75冊 律部十』大東出版社編/大東出版社/1929-36/ (183/14/75) p.898 (AJ88061115)
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『新版 禅学大辞典』 駒沢大学内禅学大辞典編纂所編 / 大修館書店 / 1985 / (188.8/0797) P502
- キーワード
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- 粥有十利
- 粥
- 禅
- 仏教
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 司書講習生
- 登録番号
- 1000053705