レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年03月07日
- 登録日時
- 2019/11/14 11:09
- 更新日時
- 2019/11/15 16:29
- 管理番号
- 6000004745
- 質問
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解決
西宮の「尻ひねり祭り」について知りたい。元になった故事を読みたい。
- 回答
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『阪神沿線まちと文化の110年』に「尻ひねり祭り」について以下の記述があった。(p.76~77)
甲子園駅の一駅大阪寄りに鳴尾駅があります。鳴尾は風光明媚な場所で、「一本松」という海上航行のための指標となる松があったことから、「万葉集」をはじめ多くの歌に詠まれてきました。この地に住む漁師が鳴尾の沖と兵庫の沖で同じ神像を拾い(鳴尾では一度海に戻した)、神像の意思のまま輿に乗せ西へと向かい祭祀したのが西宮神社だということです。また、西宮神社に到着する少し手前で休息し、そのまま居眠りしてなかなか起きないえべっさんのお尻をつねって起こしたという「御輿屋伝承地(おこしやでんしょうち)」の石碑も残されています。かつてはこの故事になぞらえた「尻ひねり祭」が行われ、若い女性たちはこの祭日は外出を控えたという話も残されています。
『町名と祭りの話』(p.413)では
毎年6月14日に行われる「おこしや祭り」は、(中略)以前は参拝者が娘さんのお尻をつねる奇習があり、「尻ひねり祭り」とも呼ばれました。と解説されている。
『えびす信仰事典』の「居籠神事とおこしや祭り」(P8~P13)では「尻ひねり祭り」のことを「おこしや祭り」という別名で詳しく紹介している。
それによれば、「おこしや祭り」とは、西宮へ向かう途中、御輿屋で休憩された際にお目覚めにならないえびす様のお尻をつねって起こしたという伝説にちなみ、西宮神社から御輿屋へえびす様を奉還、祭典を行って当時の有様を再現するという祭りである。伝説にちなんで、かつては参詣人同士が尻をひねりあう、という習慣があったため、「尻ひねり祭」とも呼ばれていた。若い女性にとっては、いわば「成人祝」でもあったようだが、近年になってこの風習は無くなった、と解説がある。
西宮ではこの日からゆかたを着始める習慣がある、ということで「ゆかたまつり」とも称されていること、旬のものとして琵琶の実をお供えすることから、「びわ祭り」とも呼ばれていることなども記されている。
また、『西宮ふるさと民話』(p.65~69)や『親と子の郷土史講座講義資料集 平成10年度』(P.95~97)に「おしりをつねられたえびすさま」という題で由来のお話が掲載されている。
- 回答プロセス
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インターネットで”尻ひねり祭り”で検索すると、西宮神社の公式サイトに記述があり故事も載っていた。
6月の御輿屋(おこしや)祭のことと分かる。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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阪神沿線の文化110年展実行委員会編 , 阪神沿線の文化110年展実行委員会. 阪神沿線まちと文化の110年. 神戸新聞総合出版センター, 2015.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I005040916-00 , ISBN 9784343008497 -
山下忠男著 , 山下, 忠男(西宮市). 町名と祭りの話 : 西宮の歴史と文化 第2版. 西宮商工会議所, 2012.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I006697105-00 -
吉井良隆 編 , 吉井, 良隆, 1921-2005. えびす信仰事典. 戎光祥出版, 1999. (神仏信仰事典シリーズ ; 2)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002812412-00 , ISBN 4900901083 -
西宮市立郷土資料館編 , 西宮市立郷土資料館. 西宮ふるさと民話. 西宮市教育委員会, 1990. (西宮市文化財資料, 第32号)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I009619936-00 - 『親と子の郷土史講座講義資料集』 平成10年度(1998) 西宮市立郷土資料館/編集発行 1998年
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阪神沿線の文化110年展実行委員会編 , 阪神沿線の文化110年展実行委員会. 阪神沿線まちと文化の110年. 神戸新聞総合出版センター, 2015.
- キーワード
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- 尻ひねり祭り
- 西宮神社
- 御輿屋祭(おこしやまつり)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000265212