レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年09月11日
- 登録日時
- 2015/12/17 20:22
- 更新日時
- 2015/12/17 20:22
- 管理番号
- r161
- 質問
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解決
中国唐代の1里は何メートルか。
- 回答
-
資料によって異なる距離を示していました。
■唐・五代の1里は559.80mと記載している資料
・『中国古典文学大系 57 明末清初政治評論集』(平凡社 1982)
p.巻末12に「中国歴代度量衡基準単位表」があります。
この表から、周の時代(-前256)から民国(1912-)までの1尺、1里等の基準単位の変化が分かります。
お尋ねの「唐・五代(618-960)」の1里は559.80mとされています。
なお、表の説明として次のとおり記載がありました。
「本表は呉承洛著『中国度量衡史』(1937、商務印書館)によった。ただし、1里および1畝の数値は同書に出ていないので、1尺の数値を基にして機械的に算出した。」
・『中国古典文学大系 14 資治通鑑選』(平凡社 1983)
p.494に「中国歴代度量衡基準単位表」があります。
先に挙げました『中国古典文学大系 57 明末清初政治評論集』と同じ情報が掲載されています。
■唐代の資料に関連して1里を紹介している資料
・『中国古典文学大系 22 大唐西域記』(平凡社 1971)
p.416-417「『西域記』の「一里」の長さ」の項に、「一定の公認された数値としては今日なさそうである」としつつ、唐代の1里に関して複数の資料を紹介しています。
この項で紹介されている資料は一里を約320m、約453m、454m、441mとしています。
■唐代の1里を約400~440mと考察している資料
・森鹿三/著「漢唐一里の長さ」(『東洋史研究 5(6)』,438-441,1940-10-31)
書誌ページ ( http://ci.nii.ac.jp/naid/120003308037 2015.11.28確認)
上記ページから京都大学の機関リポジトリにアクセスし、論文を確認することができます。(PDFファイル)
以下の資料もお調べしましたが、お尋ねの内容は確認出来ませんでした。
・『図解単位の歴史辞典』(小泉袈裟勝/編著 柏書房 1989)
p.194「中国の尺度・面積・量・重さの単位の変遷」に、周から清の時代までの基準単位の変化がまとめられています。
「里(1800尺)」の欄には「清代まで制度にならず」とあり、清代には「578m」とあります。
p.275-276「り【里】」の項がありますが、中国唐代の尺度の記述は確認出来ませんでした。
・『中国古典文学大系 7 戦国策・国語(抄)・論衡(抄)』(平凡社 1983)
p.578「戦国時代度量衡表」の里は「405m」とあります。
・『度量衡の事典』(阿部猛/著 同成社 2006)
p.164「里 り」の項に「中国周代(?~前256)に始まる地積の単位。里の一辺は300歩(1800尺)で約500m。(略)清代に公定された里は360歩、578m。」とあります。
・『世界大百科事典 29(ユエ-リン) 2011年改訂新版』(平凡社 2011)
p.462に「り 里」の項がありますが、メートル単位に置き換えた記述は確認出来ませんでした。
・『丸善単位の辞典』(二村隆夫/監修 丸善 2002)
・『中国古代度量衡図集』(中国国家計量総局/〔ほか〕編,山田慶児/訳,浅原達郎/訳 みすず書房 1985)
・『世界大百科事典 百科便覧 5訂版』(平凡社 2009)
・『量の表現辞典 理工学 JIS用語から新計量法単位へ』(高田誠二/編著 朝倉書店 1994)
・『単位の歴史 測る・計る・量る』(イアン・ホワイトロー/著,冨永星/訳 大月書店 2009)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 度量衡.計量法 (609)
- 参考資料
- キーワード
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- 長さ
- 単位
- 一里
- m
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000185887