レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/01/23
- 登録日時
- 2015/01/15 00:30
- 更新日時
- 2015/01/15 16:21
- 管理番号
- 所沢吾妻-2014-008
- 質問
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解決
狭山丘陵について、どのようにできたのか知りたい。
- 回答
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狭山丘陵の地質は、下位より三ツ木礫層、谷ツ粘土層、芋窪礫層および関東ローム層に分けられます。その内、前2者を一括して「狭山層」と呼び、この地層は前期更新世(約100万~180万年前)から堆積され始めました。狭山丘陵はウルム期(大氷河時代)の約7万年前に、台地から完全に孤立したと『所沢市史』に記述があります。
記載のある資料は以下のとおりです。
〇『所沢市史 上巻』 所沢市史編さん委員会/編 所沢市 1991年
〇『所沢市史 地誌』 所沢市史編纂委員会/編 所沢市 1980年
〇『狭山丘陵博物誌 』 肥田埜孝司/著 武蔵野郷土史刊行会 1982年
〇『埼玉の自然をたずねて 』 堀口萬吉/監修 築地書館 2012年
〇『ところざわ歴史物語 』 所沢市教育委員会/編 所沢市教育委員会 2006年
- 回答プロセス
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1.所蔵資料の内容確認
〇『所沢市史 上巻』 所沢市史編さん委員会/編 所沢市 1991年
p11 「丘陵の地質」の記載あり。「丘陵をつくっている地層の年代は、これまで新第三紀鮮新世とされていたが、-(中略)ー狭山丘陵からもメタセコイアなどの植物化石が発見され、前期更新世(約100万~180万年前)と考えられるようになった。」と記述あり。
p19~「狭山丘陵の地質」の記載あり。「狭山丘陵の地質は、-(中略)ー下位より三ツ木礫層、谷ツ粘土層、芋窪礫層および関東ローム層に分けられ、すべて整合に重なるとし、前三者を一括して「狭山層」と名付けた。その後の調査により、芋窪礫層は下位層と不整合関係にあり、上位の関東ローム層と整合であることがわかった。」と記述があり、「粘土層よりメタセコイアやオオバタグルミなどメタセコイア植物群化石が発見されたり・・・」と記述あり。
p37 「更新世前期」の項目内に、「狭山層の堆積のはじまり」の記載あり。「この時代(約百数十万年前頃)は、メタセコイアをはじめオオバタグルミ、イヌスギ、フウなどが繁栄した暖温帯の気候であった。」、「所沢市には地表に海成層がないので、この時代のことはは深く論じられない。」と記述あり。
p37~38 「更新世前期おわりごろ」の項目には、「入間川には直立した樹幹をもつメタセコイアの化石林が発見されている。ー(中略)ー所沢市の北西方を流れる入間川の化石林の下位の地層(仏子層D層)からは、マガキ、アカガイなどを含む貝化石を産する。さらにその下位にも貝化石を含む地層があることから埼玉県西南部は、内湾になったり、湿地帯になったりしたものと推定される。ー(中略)ー狭山丘陵の狭山層からもメタセコイア、オオバラモミ、エゴなどの植物化石や、マガキ、ハイガイなどの貝化石などが発見されている。」と記述あり。
p39 「ギュンツ・ミンデル間氷期ー70万~50万年前のようすー」の項目に、狭山丘陵の芋窪礫層の記述あり。「風化の激しい黄褐色の礫層で、礫種としては、チャート、砂岩が多い。」と記述あり。
p41 「ウルム期ー大氷河時代ー」の項目に、「約7万年前の武蔵野期には、山はますます高くなる傾向を示し、山地から運ばれた礫(砂利)は、現在の武蔵野台地に厚くたまった。それが武蔵野面をつくる武蔵野砂礫層である。」とあり、「この時期、狭山丘陵は台地から完全に孤立した。」と記述あり。
p42~43 「所沢市のおいたち総括表」に、年代、地層、動植物、火山活動などあり。
p95~96 「火山灰降る狭山丘陵」の項目内に、「人類が登場した第4紀洪積世は、火山活動が盛んな時代であった。-(中略)ー火山灰は、平原一帯に広く降下して、関東ローム層、すなわち赤土となって堆積し、台地や丘陵を発達させた。」、「武蔵野台地は、多摩川がつくった扇状地にローム層が重なったもので、-(中略)-台地全体は緩やかながら西高東低の地形を成していることがわかる。そして、市域の西方に位置する狭山丘陵は、武蔵野台地の中でひときわ高く孤立丘に似た景観を誇っている。台地の浸食は、火山灰の降下とともに早くから始まっており、それによって地形を複雑にしている。」と記述あり。
p97~99 関東ローム層の堆積についての記述あり。
〇『所沢市史 地誌』 所沢市史編纂委員会/編 所沢市 1980年
p9~18 狭山丘陵の地質の詳細な記述があり。
〇『狭山丘陵博物誌 』 肥田埜孝司/著 武蔵野郷土史刊行会 1982年
p37 「地質からみた狭山丘陵」の項目内に丘陵ができた年代推定、地質、地層などの記述あり。
〇『埼玉の自然をたずねて 』 堀口萬吉/監修 築地書館 2012年
p80~81 「狭山丘陵」の項目に簡単な記述あり。
〇『ところざわ歴史物語 』 所沢市教育委員会/編 所沢市教育委員会 2006年
p2~3 「所沢の地形と武蔵野台地」の記載あり。
△『埼玉・大地のふしぎ 』 埼玉県立自然史博物館/編 埼玉新聞社 2004年
p48 「武蔵野台地の地形」に記述あり。
p70 「狭山丘陵」の項目あり。「丘陵を構成する地層は、およそ100万年前の狭山層の上に、10mほどの厚さの芋窪礫層がのり、さらにこの上に、最大で30mほどの厚さで関東ローム層がのっている。」と記述あり。
△『狭山丘陵四季物語 』 狭山丘陵を市民の森にする会/編 大月書店 1991年
p62 「狭山丘陵とひとのかかわり」の中に、「約50万年前頃の古い多摩川が、洪積台地を侵食してつくりあげたものである。」と記述あり。
△『埼玉県地質図(山地・丘陵地)解説書』 埼玉県地質図編纂委員会/埼玉県農林部農林課 1999年
p28~29 「狭山丘陵」の概略あり。
p135 「関東ローム層」の記載あり。
p136 「狭山ローム層」の記載あり。
※掲載のなかった資料は以下のとおり
×『トトロの森の探検ガイド 』 トトロのふるさと財団/編 幹書房 1998年
×『トトロのふるさと狭山丘陵見て歩き』 トトロのふるさと財団/編 幹書房 2008年
×『トトロのふるさと狭山丘陵ぐるっと見て歩き』 トトロのふるさと財団/編 幹書房 2003年
- 事前調査事項
- NDC
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- 関東地方 (213 9版)
- 生物地理.生物誌 (462 9版)
- 地質学 (455 9版)
- 参考資料
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- 所沢市史 地誌 所沢市史編纂委員会/編 所沢市 1980.3 213.4
- 狭山丘陵博物誌 肥田埜孝司/著 武蔵野郷土史刊行会 1982.3 462.134
- 埼玉の自然をたずねて 堀口萬吉/監修 築地書館 2012.3 455.134 978-4-8067-1436-1
- ところざわ歴史物語 所沢市教育委員会/編 所沢市教育委員会 2006.3 213.4
- 所沢市史 上 所沢市史編さん委員会/編 所沢市 1991 213.4
- キーワード
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- 狭山丘陵
- 地質
- 地層
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000166164