レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/03/12
- 登録日時
- 2012/03/17 02:00
- 更新日時
- 2012/03/17 02:00
- 管理番号
- 1000000566
- 質問
-
解決
渡嘉敷通寛についての資料がないか。
- 回答
-
『沖縄大百科事典 中』(沖縄大百科事典刊行事務局、沖縄タイムス社、1983年)
p919 「渡嘉敷通寛」の項に、「呂氏諸見里通治と真蒲戸の長男として首里大中に生まれる。1816年(尚?13)、23歳のとき中国へ留学し、北京の大医院で張垣について学ぶ。…38年、渡嘉敷間切総地頭となり、姓が諸見里から渡嘉敷へと変わる。41年、申口座にのぼる。現存する『御膳本草』以外の著述に、『毒蛇の療法・養生の仕養』、『麻疹懐方』、『納殿御薬種製法記』や、『<全疱且疱療>和解』があった」とされる。
『沖縄門中大事典』(宮里 朝光、那覇出版社、1998年)
p287 「人物ー門中先祖の足あと」の「渡嘉敷通寛」の項によると、王府勤めの医師で尚?王と尚育王の侍医を務めたとある。
p367 「門中の元祖がわかる」の項に記述あり。呂氏、名乗頭字は「通」、首里系で元祖は神里親雲上通昌である。
以下の資料を紹介する。
『那覇市史 通史篇 第1巻』(那覇市企画部文化振興課、那覇市役所、1985年)
p502 「琉球本草書医書の誕生」の項に、「尚?20年(1832)に渡嘉敷通寛が『御膳本草』を著わした。当時の士族階級の人たちが食べた食品を分類し、琉球通名に対する漢名、特効等を記したものである。…」とある。また、同書は漢籍や和書を引用し、自分の経験を加味したオリジナルの食物本草書であるとされている。
『家庭医書 御膳本草綱要』(渡嘉敷親雲上通寛、沖縄済世社、1931年)
渡嘉敷の経歴が詳しく記述されている。また、『御膳本草』の翻刻文あり。
『琉球国食療書「御膳本草」』(横山學、ノートルダム清心女子大学生活文化研究所、1987年)
渡嘉敷の経歴と、『御膳本草』の翻刻史料あり。また、『御膳本草』の資料紹介あり。
『博物学と書物の東アジア』(高津孝、榕樹書林、2010年)
p61-72 「中国伝統医学と琉球-『琉球百問』と渡嘉敷通寛-」、p73-78 「近世琉球の医学文献」の項に渡嘉敷が琉球にもたらした医学分野での貢献について書かれている。
※当館は、『御膳本草』の「沖縄県立沖縄図書館本」、「伊波普猷本の写本」、「東恩納寛惇 編」の3種を所蔵している。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
-
- 1 沖縄大百科事典 中 沖縄大百科事典刊行事務局∥編 沖縄タイムス社 1983.5 K03/O52/2 p919
-
2 沖縄門中大事典 宮里 朝光∥監修 田名 真之∥執筆 那覇出版社 1998.8 K288/MI88 p287、p367 -
3 那覇市史 通史篇 第1巻 那覇市企画部文化振興課∥編 那覇市役所 1985.8 K23/N27/1 p502 -
4 家庭医書 御膳本草綱要 渡嘉敷親雲上通寛∥[著] 浦添 為宗∥編纂 沖縄済世社 1931.4 K499/TO28 -
5 琉球国食療書『御膳本草』 横山 學∥[著] ノートルダム清心女子大学生活文化研究所 1987.5~1988.11 K499/Y79 -
6 博物学と書物の東アジア 高津 孝∥著 榕樹書林 2010.8 K27/TA55 p61-78
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 当館所蔵調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000103753