レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/09/18
- 登録日時
- 2016/11/17 00:30
- 更新日時
- 2016/11/17 00:30
- 管理番号
- 北方 16-0026
- 質問
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解決
昭和10年代かそれ以前に、北海道や市町村の施策により、北海道及び樺太及び千島から満州の開拓に、集団(団体)で行った(個人ではなく)記録(特に公文書ということではない)を見たい。
- 回答
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※行政による施策的な観点から満州開拓について書かれた資料は、以下のとおり。尚、北海道以外の地域からの開拓という記述は確認できなかった。
※以下の回答資料のうち、1のみ参考資料
1 『満州移民関係資料集成 第1巻』(第1編移民政策関係会議録類)~『満州移民関係資料集成 第40巻』(第7編満州移民関係広報・研究雑誌)、同解説(何れも一般資料)
※昭和7年~昭和19年までに公表された資料の復刻版(オリジナル本体には“極秘”印あり)、特に北海道に関する記述はなし。
2 『新北海道史 第1巻 概説』p246~249(“第9章 拓殖事業の中絶 4 満州開拓と北海道”)
※記載内容は次のとおり。
・ 昭和7年、満洲国が独立すると、満洲開拓は本格化し、そのために満洲拓殖株式会社つづいて満洲移住協会が設立され、11年、2・26事件後に誕生した広田内閣は、重要国策として翌12年より20年間に100万戸移民を送り出すことに決めた。
・しかし北海道は第二期拓殖計画実施の最中だった。しかも移民は、主として樺太の拓殖政策と競合し、戦線の拡大により応召の増加と、軍需工業への労働力の流入によって得ることが困難になり、昭和16年からは道内農家で入殖希望の者でも道外移民と同じ保護を与えうるようになっていた。したがって、最初北海道は満州移民の対象から除外され、ただ家畜、農具、指導者等を送り出すにとどまっていた。
・しかし、事態の進行につれてその方針を続けてゆくことはできなくなっていった。満洲移民の獲得が思うに任せないのをみて、指導者たちは、かつて八雲の徳川農場で労力不足を補い、事業の後継者養成のためにいまだ一家をなさぬ少年を独身社もしくは青年社と称して移住せしめたことを知り、いまだ兵役年齢に達していない15歳より19歳の青少年を開拓青少年義勇軍と称し、満洲移民をあらかじめ訓練して送出しつつあった茨城県内原訓練所において短期訓練を施し、さらに満洲現地の訓練所で3か年訓練をした後独立した満洲移民として入地せしめ、移民村形成の中堅にしようと企て、全国的に募集した。大陸発展の夢にかられて多くの青少年が応募したが、その中に北海道出身のものも加わり、15年より急にその数を増していった。
3 『満洲開拓史』(一般資料)
※満蒙開拓青少年義勇軍についても触れている、満州移民史(移民政策史も含む)
4 『北海道大学教育学部紀要 通巻45号』p189~222(“「満蒙開拓青少年義勇軍」の創出過程”、白取道博著)
※満蒙開拓青少年義勇軍創出について、官側の政策作成過程等が記載されている(北海道関係の記述あり)。
※記載内容(概要)は次のとおり。
・(1938年)1月初旬、拓務省は関係官庁・諸団体と「最後の義勇軍計画に関する打合わせ」を行い、「満蒙開拓青少年義勇軍募集要綱」を作成した。(中略)募集要綱作成後、義勇軍送出の「趣旨」を伝え、第4表(府県別割当数〔5万人送出案〕)の如き5万人送出案を前提とする「先遣隊」を募集すべく、拓務省は各道府県における協議会を開いた。協議会あ、1月11日~15日、全国8ヶ所で開かれ、拓務省の外、農林・陸軍の関係2省及び満移協会・大日本連合青年団・農村更生協会の関係中央団体が出向し、各道府県の社会課・職業課などの移民担当課や社会教育関係課、在郷軍人会支部、府県連合青年団、県議会、県産業組合連合会等が参集した。これを受けて各道府県も直ちに対応した。(後略)
5 『満蒙開拓青少年義勇軍史研究』
※上記3の資料同様、満蒙開拓青少年義勇軍創出について、官側の政策作成過程等が記載されている(北海道関係の記述あり)。
6 『「満洲国」とは何だったのか』(一般資料)p157(“第6章 農業移民 移民政策の本格化”、岡部牧夫著)
・この移民政策の実行は容易ではなかった。「満洲産業開発5ヶ年計画」の場合と同様、本格移民の第1期計画が開始された1937年に日中戦争がはじまり、農村人口は兵力・労働力に吸引されはじめたのである。拓務省の移民政策の前提となっていた「過剰人口の送出による農村の救済」という論理はくずれ、自発的に移民を志願する応募者は年々減少した。
・しかし政府は移民政策の変更も縮小しなかった。後述の満洲移住協会や道府県、報道機関、学校などをつうじて移民国策の重要性を強力に訴え、「満洲に行けば20町歩もの農地をあたえられて自作農になれる」と大々的に宣伝した。そして年度ごとに計画送出数を決め、道府県に割り当てた。道府県はその割当数を町村に配分し、応募者をとりまとめさせた(後略)。
7 『満蒙開拓青少年義勇軍』(一般資料)
※国策として組織化された満蒙開拓青少年義勇軍についての資料
8 『検証・満州一九四五年夏』p38~44(“国策としての大量移民団”)
- 回答プロセス
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以下の資料も参考とした。
1 『開拓団壊滅す』(合田一道∥著 北海道新聞社 1991.8 請求記号:334.4/G/イ p33~55 第2章
大陸を狙った日本)
2 『北海道の歴史 下』 (関, 秀志・桑原, 真人 北海道新聞社 2006.12 請求記号:210.1/HO/2-イ
p235 第4節 戦時体制化の進行と経済統制)
3 『赤い夕日』 (満洲八紘村開拓団同窓会∥編 満洲八紘村開拓団同窓会 1986.3 請求記号:334.4/MA)
4 『新北海道史 第5巻 通説』 (北海道 北海道 1975 請求記号:210.1/HO/5)
5 『弥栄村史』 (松下 光男∥編 弥栄村史刊行委員会 1986.5 請求記号:334.4/I/イ)
6 『死の逃避行』 (合田 一道∥著 富士書苑 1978 請求記号:334.4/G)
7 『満洲国』 (塚瀬/進?著 吉川弘文館 1998.12 請求記号:222.5/MA)
8 『怪物たちの満洲帝国』 (洋泉社 2013.11 請求記号:222.5/KA p82-83)
9 『満州帝国の光と闇』 (徳間書店 2012.3 請求記号:222.5/MA p84-87)
- 事前調査事項
- NDC
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- 人口.土地.資源 (334 7版)
- 参考資料
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- 1 検証・満州一九四五年夏 合田 一道∥著 扶桑社 2000.8 334.4/G
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2 「満洲国」とは何だったのか 植民地文化学会?編著 中国東北淪陥14年史総編室?編著 小学館 2008.8 222.5/MA -
3 北海道大学教育学部紀要 通巻45号 北海道大学教育学部 北海道大学教育学部 1953 Z201 -
4 満洲開拓史 満洲開拓史刊行会∥編 満洲開拓史刊行会 1966 222.5/MA -
5 満州移民関係資料集成 第1巻(第1編移民政策関係会議録類)~第40巻(第7編満州移民関係広報・研究雑誌) 不二出版 1990.6 334.4225/MA/1~40 -
6 満蒙開拓青少年義勇軍 桜本富雄∥著 青木書店 1987.6 916/SA -
7 新北海道史 第1巻 概説 北海道∥編 北海道 1981.3 210.1/HO/1 -
8 満蒙開拓青少年義勇軍史研究 白取/道博?著 北海道大学出版会 2008.2 334.4225/MA -
1 開拓団壊滅す 合田一道∥著 北海道新聞社 1991.8 334.4/G/イ p33~55(第2章 大陸を狙った日本) -
2 北海道の歴史 下 関, 秀志(1936-) 桑原, 真人(1943-) 北海道新聞社 2006.12 210.1/HO/2-イ p235(第4節 戦時体制化の進行と経済統制) -
3 赤い夕日 満洲八紘村開拓団同窓会∥編 満洲八紘村開拓団同窓会 1986.3 334.4/MA -
4 新北海道史 第5巻 通説 北海道 北海道 1975 210.1/HO/5 -
5 弥栄村史 松下 光男∥編 弥栄村史刊行委員会 1986.5 334.4/I/イ -
6 死の逃避行 合田 一道∥著 富士書苑 1978 334.4/G -
7 満洲国 塚瀬/進?著 吉川弘文館 1998.12 222.5/MA -
8 怪物たちの満洲帝国 洋泉社 2013.11 222.5/KA p82-83 -
9 満州帝国の光と闇 徳間書店 2012.3 222.5/MA p84-87
- キーワード
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- 満州
- 開拓
- 移民
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事項調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000199786