レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/12/12
- 登録日時
- 2016/12/17 00:30
- 更新日時
- 2017/01/04 14:48
- 管理番号
- 1000000897
- 質問
-
解決
お金の1貫文について、現在のお金に換算するとどれ位の価値があるのかを知りたい。
- 回答
-
米1升(約1.5kg)が1貫文の価値に相当した。
円銭厘勘定を導入した1872(明治5)年、1貫文は2銭(0.02円)。
1883(明治16)年の米1升は、7銭3厘。
※米の価値は時代とともに変わるので、消費者物価指数で比べるのが適当だが、消費者物価指数は戦後のデータしかない。
企業物価戦前基準指数なら、明治34年からある。
→ 明治34年の1円は、平成26年では約1568倍の価値がある。
※1円=100銭=50貫文
1銭=10厘
1貫文=1000鳩目銭(1文銭20枚)
①
『琉球の歴史』(東恩納 寛惇 著、至文堂、1966.11)
p160 「新家譜を賜わるほどの大功は大抵献金に限られていた。…この慣例は、近世尚育時代からのことで、その金額は、一階昇格は十六万貫文(三千二百円)、二階昇格は三十二万貫文(六千四百円)であった。」の記述がある。
→ 1貫文は2銭(0.02円)で計算している。
p161 「貫分勘定は琉目(りゅうめ)と唱えて、鳩目銭勘定で一貫文が普通銅銭の二十文、金の二銭に当る。米一升が一貫文の常価であった…」の記述がある。
②
『東恩納寛惇全集 4』(東恩納 寛惇 著、第一書房、1979.4)
p1-58 「南島通貨志の研究」で、p39-41 「鳩目銭と云う名称」の項目、「鳩目銭・鳩目分又は単に鳩目と呼ばれる小銭は、近年まで琉球で行われ、銭貨計算の基本となったもので、これを基本とした独特の琉目(リウメ)と唱えた。」の記述がある。
p44 「鳩の目の値」の項目で、「鳩目銭 三三三三文 - 銀一匁、 京銭 六六・六文 - 銀一匁、京銭 - 鳩目銭五〇」の記述がある。
p73-79 「琉目」の項目で、「一里 五十文、一銭 五百文、一円 五十貫文」の記述がある。
→ 1貫文は2銭(0.02円)、1872(明治5)年
→ 円が導入されたのは、1871.5.10「新貨条例」
③
『戦後沖縄通貨変遷史』(山内 昌尚 著、琉球新報社、2004.4)
p62-63 「琉球王国時代の銭貨」の項目で、「鳩目銭 1000枚(1貫)=1文銭 20枚=2銭」の記述がある。
p64-65 「琉球王国時代の通貨」の項目で、「明治5年(1872)9月、明治天皇より尚泰王に「琉球藩王トナシ叙シテ華族ニ列スル」の勅令が下った。琉球藩にあらためて新貨3万円(金、銀貨、紙幣)を交付した。円銭厘勘定十貫文勘定=琉球独自の貫文勘定の採用である。1厘=50文(鳩目銭)、2厘=100文、1銭=500文、2銭=1貫(千文)などであった。」の記述がある。
④
『沖縄県統計書 明治16年』(沖縄県第一部庶務課 [編]、沖縄県、[1888(明治21)-1889(明治22).3序])
「第一〇〇 重ナル物品ノ相場」で、「那覇の内地産米 一石 七三一〇厘」の記述がある。
→ 明治16年の米1升は、7銭3厘。
インターネット上の情報(2016.12.12現在)
日本銀行金融研究所貨幣博物館
http://www.boj.or.jp/announcements/koho_nichigin/backnumber/data/nichigin19-7.pdf
円が導入されたのは、1871.5.10 新貨条例
日本銀行
今のお金に換算するとどの位になりますか?
https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/history/j12.htm/
企業物価戦前基準指数 明治34年 0.469、平成26年 735.4
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 貨幣.通貨 (337 8版)
- 参考資料
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- 1 琉球の歴史 東恩納 寛惇∥著 至文堂 1966.11 K201/H55 p158-161
- 2 東恩納寛惇全集 4 東恩納 寛惇∥著 琉球新報社∥編 第一書房 1979.4 K08/H55/4 p1-58
- 3 戦後沖縄通貨変遷史 山内/昌尚∥著 琉球新報社 2004.4 K337/Y46 p62-65
- 4 沖縄県統計書 明治16年 沖縄県第一部庶務課∥[編] 沖縄県 [1888(明治21)-1889(明治22).3序] K35/O52
- キーワード
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- 貨幣価値
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000203450