レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年04月27日
- 登録日時
- 2017/06/16 16:14
- 更新日時
- 2017/06/16 16:14
- 管理番号
- 福井県図20170426
- 質問
-
解決
吉本隆明の著作で、島尾敏雄の「眼華」体験について書かれたものを知りたい。また、
夏目漱石の漢詩が引用されているものがあるというが、その漢詩についても知りたい。
*「眼華」とは「閃輝暗点」と呼ばれる視覚障害のことで、島尾敏雄の造語と考えられる。
- 回答
-
吉本隆明の島尾敏雄に関する論考は、『島尾敏雄』(筑摩書房)に、まとめられている。
そのなかで引用されている夏目漱石の漢詩は『漱石全集』第18巻等に収められている。
- 回答プロセス
-
※国会図書館サーチで検索すると、吉本隆明の島尾敏雄に関する文章が数件ヒット。
吉本の『全著作集』や『全集』に収められているが、それらの文章をまとめて再編集
したものが、①の資料となる。
①『島尾敏雄』吉本隆明・著 筑摩書房 (1990)
*「眼華」に関して記述があるのは、以下の3か所。
(1)「1 作家論」のp28~31:「眼華」体験について、作品「唐草」を引用して考察。
(2)「2 書評…」の『日を繋げて』p188~192
:島尾の「眼華」体験について、夏目漱石の漢詩を引用。出典の記載なし。
(3)「3 対談」の「島尾文学の鍵」のp269~271
:島尾との対談で「眼華」体験について質問。
※なお、①(2)で引用されている夏目漱石の漢詩は、明治23年に「函山雑詠」と題した
連作8首の「其の六」にあたる詩。作中では「眼華」ではなく「眼花」と表記。
当館資料では、下の2冊に所収。
②『漱石全集』第18巻 岩波書店 (1995):p156~158。訳注あり。
③『漱石の俳句・漢詩』神山睦美・著 笠間書院 (2011):p60~63。意訳、解説文あり。
- 事前調査事項
-
「『眼華』小論-島尾敏雄「唐草」の視覚表現」金田久璋・著(『脈』第92号 2017.2所収)
という文章を書いたが、それに関連して調べたい。
- NDC
-
- 日本文学 (910 8版)
- 漢詩文.日本漢文学 (919 8版)
- 参考資料
-
-
吉本隆明 著 , 吉本, 隆明, 1924-2012. 島尾敏雄. 筑摩書房, 1990. (筑摩叢書 ; 344)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002082275-00 , ISBN 448001344X -
夏目金之助 著 , 夏目, 漱石, 1867-1916. 漱石全集 第18巻. 岩波書店, 1995.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002454371-00 , ISBN 4000918184 -
神山睦美 著 , 神山, 睦美, 1947- , 和歌文学会. 漱石の俳句・漢詩 = Soseki no Haiku, Kanshi. 笠間書院, 2011. (コレクション日本歌人選 = Collected Works of Japanese Poets ; 037)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023153021-00 , ISBN 9784305706379
-
吉本隆明 著 , 吉本, 隆明, 1924-2012. 島尾敏雄. 筑摩書房, 1990. (筑摩叢書 ; 344)
- キーワード
-
- 島尾敏雄
- 吉本隆明
- 夏目漱石
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000217412