レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 山梨県立図書館 (2110005) | 管理番号 (Control number) | 9000027044 | ||||||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2019年01月05日 | 登録日時 (Registration date) | 2020年04月09日 15時47分 | 更新日時 (Last update) | 2020年04月09日 15時47分 | ||||||||
質問 (Question) | 甲府駅に降り立った時、甲府駅は元々は「かふふ駅」と称していたとの記載があった。いつ頃まで「かふふ駅」と言われていたのか。 旧仮名遣いなら「かうふ」ではないか。文献があったら教えてほしい。 | ||||||||||||
回答 (Answer) | ・1946(昭和21)年11月7日の読売新聞に、下記のような記事あり。 「驛名も左書き 新かなづかい」 近く実施される現代かなづかいに即して國鐡の全國四千百廿六驛の驛名標示が書替へられる。主な例は∇とうきよう(東京)∇おほさか(大阪)おうさか∇きやうと(京都)きようと∇てうし(銚子)ちようし∇かふふ(甲府)こうふ∇じふでふ(十條)じゆうじよう 等で、なほ昨年十月から実施中の驛名左書き(約八割完成)も新かなづかいのため再度書替へられる。 ・『停車場変遷大事典 国鉄・JR編1』(JTB 1988)のpp.48-50には「文部省や法務省の、国語表記に関する政策が、駅名の表記(漢字・かな)と密接に関係している。」という記述とともに、この本に関連する政策一覧が掲載されており、「昭和21(1946)11.16内閣告示32,33号 当用漢字表(1850字)、現代かなづかいを制定。」という記述あり。 以上より、旧かなづかいから現代かなづかいに変わった1946(昭和21)年11月頃まで「かふふ駅」という表記がされていたと考えられる。実際に甲府駅の駅名標が撤去・変更された日付は不明。 ・その他詳細は、参考資料をご覧ください。 | ||||||||||||
回答プロセス (Answering process) | 1.地域資料「鉄道」「交通」「運輸」関係の棚をブラウジング 2.『甲府市史』を確認 →『甲府市史 別編3 甲府の歴史』(甲府市市史編さん委員会/編集 甲府市 1993)p.340 第八章 近代化の進む甲府 1.中央線の開通と町の近代化 「(前略)山岳地帯の難工事の続いた中央線工事は明治三十五年七月にようやく笹子トンネルが貫通し、よく三十六年(一九〇三)六月十一日、甲府までが開通した。(中略)因みに、当時のプラットホームの駅名は「かふふ」となっていたのだが、市民からは「かふふ」では分からないとの意見も上がっていたという。」 3.以前は「停車場」と呼ばれていたことから、関連資料を確認 →『停車場変遷大事典 国鉄・JR編1」(JTB 1998)pp.49-50 「文部省や法務省の、国語表記に関する政策が、駅名の表記(漢字・かな)と密接に関係している。」とあり、この本に関連する政策一覧が掲載されている。 →『停車場変遷大事典 国鉄・JR編2」(JTB 1998)p.182 駅名の移りかわり 中央本線「甲府」 駅名の変遷が告示・公示とあわせて掲載されている。甲府に関しては、以下の2カ所に「かふふ」という記述あり。 ・明治36年6月5日逓信省告示321 旧かな「カフフ」 ・『停車場一覧 昭和9年』1934(昭和9)年12月15日現在(鉄道省) 旧かな「かふふ」 4.新聞データベースにて「かふふ」「駅」を検索 →山梨日日新聞 1999(平成11)年8月9日(月)23面 「YBSインフォメーション 山梨放送開局45周年記念特番「かふふ大空襲~もう一つの七夕~」」の記事の中に「(前略)五十四年前「かふふ」と書かれた甲府駅に…(略)降り立ちました」という記述あり。本文の内容から1945年のことを指していることがわかる。 →読売新聞 1946(昭和21)年11月7日2面 「驛名も左書き 新かなづかい」 「近く実施される現代かなづかいに即して國鐡の全國四千百廿六驛の驛名標示が書替へられる。主な例は∇とうきよう(東京)∇おほさか(大阪)おうさか∇きやうと(京都)きようと∇てうし(銚子)ちようし∇かふふ(甲府)こうふ∇じふでふ(十條)じゆうじよう 等で、なほ昨年十月から実施中の驛名左書き(約八割完成)も新かなづかいのため再度書替へられる」との記述あり。 5.4より国語関連の告示・公示を確認 →『停車場変遷大事典 国鉄・JR編1』(JTB 1988)p.50 この本に関連する政策として「昭和21(1946)11.16内閣告示32,33号 当用漢字表(1850字)、現代かなづかいを制定。」があり。 →『国語施策百年史』(文化庁/編 ぎょうせい 2006)p.938 「昭和21(1946)年11月16日「当用漢字表」「現代かなづかい」内閣告示・内閣訓令」の記述あり。 〇後日追加調査 →山梨日日新聞 1946(昭和21)年11月8日2面 「驛名の書替費 なんと八十万圓 「かふふ」も「こうふ」」という記事あり | ||||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | |||||||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||||||||
備考 (Notes) | |||||||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 事実調査 | 内容種別 (Type of subject) | 郷土 | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | ||||||||
登録番号 (Registration number) | 1000280388 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) |