レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年05月18日
- 登録日時
- 2012/07/04 02:00
- 更新日時
- 2021/02/19 16:28
- 管理番号
- 20120704-5
- 質問
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解決
山形県米沢(上長井)の特産物である「ユキナ:雪菜」の正式な学名を知りたい。
- 回答
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Brassica Campestris L. var. Chinensis L. 異名はタイサイほか多数。アブラナ科アブラナ属。
- 回答プロセス
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まず、【リサーチ・ナビ】から『植物の学名について調べる』の項目を参照。植物の学名の命名法については、『国際植物命名規約にもとづき、「属名(generic name)」、「種小名(specific epithet)」をラテン語形で列記し、最後に「命名者」を付記する二命名法によって表記される。』とある。
【資料1】には、p.57に雪菜の項があり、「アブラナ科の柔白野菜、現在の雪菜は体菜の一種の長岡菜の雑種」という記述がある。
【資料2】には、p.732の“ユキナ”の項に「タイサイを見よ」とあり、p.386に“タイサイ” Brassica campestris var. chinensis 体菜 : 双子葉植物綱フウチョウソウ目アブラナ科の野菜。別名タイナ、シャクシナ、ユキナと書かれている。
【資料3】には、索引項目として「ユキナ:雪菜」は無し。
【資料4】のp.190の「ツケナ:漬菜」の項に体菜群(タイサイグン)・長岡菜の項目の中に、中島菜、大沼菜と並んで別名として挙げられている。
【資料5】には、“ユキナ”の項目は無いが、“タイサイ”の項には別名の一つとしてユキナの記載があり、学名は Brassica campestris Linn. var. chinensis(Linn.)Itoと記されている。
以上から雪菜の異名(シノニム)として「タイナ、シャクシナ、ホテイナ、かぶのとう、ターサイ、タイサイ、ターツァイ、大菜、体菜」等がある。
【資料6】のp.20には、“タイサイ”の項目として、Brassica campestris. L. (chinese group) アブラナ科 とあり、(別名,タイナ・シャクシナ・ユキナ,漢字:体菜,Brassica は煮るの意,campestrisは原野生の意)とあり、ラテン語の原義が示されている。
【資料7】のp.163に、“Brassica L. アブラナ属 英 Mustard”の項目があり、双子葉植物、アブラナ科.という記述の下位の種小名の見出しを辿ると、
B. Campestris L. ; B. Campestris L. var. oleifera DC.; B. rapa L. var. campetris (L.) Clapham アブラナ 英 Field Mustard
「…(中略)肥大した根を食べるカブ類,ハクサイをはじめとする菜っ葉類.種子から油をとるアブラナや観賞用に栽培される品種など,多様な利用形態に応じた品種群が提案されているが,系統的に整理しきれていない」とある。
また同じ資料の、p.165には、
Var. chinensis (L.) Ito ; B. chinensis L.; B. napus L. var. chinensis (L.) Schulz タイサイ(体菜) 英:Pak Choi 中:青菜、小白菜、油菜 の項目が見られ、
「…(中略)代表的な品種として葉や葉柄が長く,多肉で葉柄の純白な雪白タイサイがあり,また長崎には大型になる二貫目タイサイがある.そのほか地方的な品種も多く,新潟の長岡菜や山形の雪菜もタイサイ類に含まれる」の記述があ見つけられる。続けて「(中略)近縁品種として三河島菜、広島菜、大阪菜などがある」との記述も。
【資料8】のp.274には、“タイサイ(シャクシナ・ホテイナ)”の項目として
Brassica campestris. L. subsp. napus Hook. f. et Anderss. var parachinensis Makino の学名が記されており、アブラナ科の越年草。とある。
【資料9】として米沢市のホームページには雪菜の由来とふすべ漬け等の調理法、写真等が載せられている。
https://www.city.yonezawa.yamagata.jp/2020.html (確認 2021/02/19)
- 事前調査事項
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特になし。
- NDC
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- 植物学 (470 9版)
- 一般植物学 (471 9版)
- 蔬菜園芸 (626 9版)
- 参考資料
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- 1.47都道府県・地野菜/伝統野菜百科 (成瀬宇平, 堀知佐子著.丸善,2009 《本学626//N54》)
- 2.植物レファレンス事典 2 2003-2008補遺 (日外アソシエーツ編集部編.日外アソシエーツ,2004 《本学470//SH96//2》)
- 3.有用植物和・英・学名便覧 (由田宏一編.北海道大学図書刊行会,2004 《本学471.9//Y99》)
- 4.食材図典 (小学館,1995 《本学596.033//Sh96》)
- 5.植物3.2万名前大事典 (日外アソシエーツ編.日外アソシエーツ,2008 《本学470//Sh96》)
- 6.原色日本野菜図鑑.全改訂新版 (高嶋四郎著.保育社,1982 《本学626.038//G34》)
- 7.世界有用植物辞典 (堀田満ほか編.平凡社,1989 《本学470.33//Se22》)
- 8.寺崎日本植物図譜.第2版 (寺崎留吉図 ; 奥山春季編.平凡社,1979 《本学470//Te62》)
- 9.米沢市役所産業部農林課ホームページ
- キーワード
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- アブラナ科
- ユキナ
- 雪菜
- 伝統野菜
- 特産品
- 山形県
- 米沢市
- 食材
- 植物名
- 学名
- 漬け菜
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 関西研25-近大中図
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 植物の学名
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000108136