レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 同志社大学 今出川図書館 (3310014) | 管理番号 (Control number) | 2017-022 | ||||||||||||
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事例作成日 (Creation date) | 2017年6月12日 | 登録日時 (Registration date) | 2017年08月25日 17時47分 | 更新日時 (Last update) | 2020年02月25日 10時54分 | ||||||||||
質問 (Question) | 「プラハの春」でチェコの歌手、マルタ・クビショヴァー(クビショヴァ)がビートルズの楽曲“Hey Jude”をカバーしたことが書かれている資料を探している。 できればそれが「プラハの春」についてどのような影響を与えたか書かれているものが良い。 | ||||||||||||||
回答 (Answer) | 以下の資料でクビショヴァーが“Hey Jude”をカバーしたことが確認できました。 ・松山壽一著『音楽と政治-プラハ東独紀行とオペラ談義』(北樹出版, 2010) →p.20-24 「2.「プラハの春」とクリショヴァのカヴァー・ソング」にクビショヴァーが革命運動の中で、「ヘイ・ジュード」を歌ったいきさつが書かれています。 ・Soviets Attacked Czechs’‘Virus Of Freedom’ In‘68. (NPR: Morning Edition, 2008 年 8 月 21 日) →ソ連軍によるプラハ侵攻が行われていた1968年8月21日のラジオ放送(NPR News)で、ソ連軍がラジオ局を取り巻く中でクビショヴァーの“Hey Jude”が途中で流れてきている様子が記事になっています。 クビショヴァーが歌った“Hey Jude”の「プラハの春」への影響について書かれてあるものは、当館で利用できる資料では確認できませんでした。 その他、本学には所蔵がないため内容の確認はできていませんが、クビショヴァーについて書かれていると思われる以下の資料がありましたのでご紹介致します。京都府立図書館、京都外国語大学図書館に所蔵があるようですので、訪問利用等ご検討ください。 ・松田至弘『ドイツ・チェコ・オーストリア 歴史と文化の旅』 (冬至書房, 2004) →要旨に“かつて、ソ連軍が侵攻したプラハで、ビートルズの「ヘイ・ジュード」を母国語で歌って抵抗し、民主化と平和を願った女性歌手がいた”とあり、目次紹介に「第3章 チェコ-プラハ(プラハ;マルタ・クビショヴァ) 」とありました。 | ||||||||||||||
回答プロセス (Answering process) | 1.「クビショヴァー」について (1)本学契約データベースwhoplusで「クビショヴァ」を検索 →“who”に1件ヒット。“Hey Jude”に関する記述はなし。人物文献情報は以下3件あり。 ①石黒穣「「プラハの春」から40年-苦い記憶 今も、夜空に響く抵抗の歌」(『読売新聞』2008.8.20, 朝刊, p.6. ヨミダス歴史館,[20170825参照]) →クビショヴァーについて書かれているが、“Hey Jude”に関する記述はなし。 ②松田至弘『ドイツ・チェコ・オーストリア 歴史と文化の旅』(冬至書房, 2004.10.22) →本学所蔵なし。本学契約データベースbookplusで『ドイツ・チェコ・オーストリア 歴史と文化の旅』を検索。要旨に「かつて、ソ連軍が侵攻したプラハで、ビートルズの「ヘイ・ジュード」を母国語で歌って抵抗し、民主化と平和を願った女性歌手がいた」とあり、目次紹介に「第3章 チェコ-プラハ(プラハ;マルタ・クビショヴァ) 」とあり。京都府立図書館、京都外国語大図書館所蔵あり。 ③「来日するチェコの国民的歌手マルタ・クビショヴァ-「祈り」の歌声は再び革命広場に響いた」(『朝日ジャーナル』32(40), 1990.10.5, p.98~101) →当館所蔵あり。内容確認するが、クビショヴァについて書かれているもので、“Hey Jude”に関する記述はなし 2.「プラハの春」について (1)本学契約データベースJapanKnowledge Libで「プラハの春」を検索 →『デジタル大辞泉』の「プラハの春」の項目に「チェコスロバキアで1968年の春から夏にかけて、新任のドプチェク党第一書記の下に一連の自由化政策がとられた状況をいう。8月に、ソ連・東欧軍の介入により弾圧された。」と記述あり。 (2)本学契約データベースブリタニカ・オンライン・ジャパンで「プラハの春」を検索 →「1968年春にチェコスロバキアで起きた民主化の動き。・・・・・・同年8月ワルシャワ条約機構軍 20万人を投入し,その民主化の動きを圧殺した。」と記述あり。 (3)本学契約データベースFactiva.comでキーワード: Czechoslovakia hey jude で検索 →44件ヒット。 ・Soviets Attacked Czechs’ ‘Virus Of Freedom’ In ‘68.(NPR: Morning Edition, 2008年8月21日) 1968年8月21日のラジオ放送(NPR News)で、ラジオ局をソ連軍が取り巻く中でクビショヴァーの“Hey Jude”が途中で流れてきている様子が記事になっている。 (4)本学契約データベースbookplusでキーワード:「ヘイ・ジュード プラハ」で検索→2件ヒット ・松山壽一『音楽と政治-プラハ東独紀行とオペラ談義』(北樹出版, 2010) →当館所蔵あり。p.20-24 「2.「プラハの春」とクリショヴァのカヴァー・ソング」にクビショヴァーが革命運動の中で、「ヘイ・ジュード」を歌ったいきさつが書かれているが、革命に与えた影響については不明。参考資料として『不協和音』(平凡社, 1998)所収のアドルノ著「繰られた音楽」が紹介されている。 ・アドルノ著「繰られた音楽」(『不協和音』平凡社, 1998) →本学文学部・政策策部・GR学部所蔵。 ※アドルノ著『不協和音:管理社会における音楽』(音楽之友社, 1971)は当館所蔵あり。 →「Ⅱ 操られた音楽(本文ママ)」p.66-87を確認。とくにクビショヴァーに関する記述は見られなかった。 ・松田至弘『ドイツ・チェコ・オーストリア 歴史と文化の旅』 (冬至書房, 2004) →回答参照。 | ||||||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | ウィキペディアでクビショヴァーが“Hey Jude”をカバーしていることを見た。 | ||||||||||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | |||||||||||||||
寄与者 (Contributor) | |||||||||||||||
備考 (Notes) | 回答及び回答プロセスの「繰られた音楽」について、『不協和音』(平凡社, 1998)の書誌[目次]には「2 操られた音楽」とあり。本学今出川図書館所蔵の1971年に音楽之友社から発行された『不協和音』を確認したところ、「Ⅱ 操られた音楽」となっていた。『音楽と政治-プラハ東独紀行とオペラ談義』の「繰られた音楽」の「繰」は「操」の誤植と思われるが、本文中からの引用のためそのままにしている。 | ||||||||||||||
調査種別 (Type of search) | 文献紹介 | 内容種別 (Type of subject) | 人物 | 質問者区分 (Category of questioner) | 学生 | ||||||||||
登録番号 (Registration number) | 1000221066 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 未解決 |