レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/10/06
- 登録日時
- 2017/10/31 00:30
- 更新日時
- 2017/11/05 14:17
- 管理番号
- 6000036421
- 質問
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解決
ヘッセの詩にヘッセ自身が絵をつけた詩画集があるという情報をネットで見かけた。その本がみたい。
なければ他の人の挿絵の詩集でも構わない。
- 回答
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1920年に出版された、13編の散文、10編の詩、14枚の水彩画からなる画文集『放浪 Wanderung』は、
1939年に『●(ワに濁点)ンデルング』として朋文堂から出版されて大阪府立中央図書館ほかで所蔵されている。
国立国会図書館デジタルコレクション(参加館送信)では『ヴァンデルング』(朋文堂1957)を読むことができる。
また詩画集ではないが、ヘッセの死後に編集・出版された資料でヘッセの水彩画と詩を見ることができるものを紹介した。
- 回答プロセス
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『ドイツ文学案内』(朝日出版社2000)でヘッセについて調べるが詩画集についての記載は見つけられなかったので、
所蔵しているヘッセについて書かれた図書の内容を確認した。
『ヘッセへの誘い』毎日新聞社1999の「生涯と作品」により、詩に絵を添えた、
もしくは詩と絵で構成されていると思われる本を探したところ、
1918年41歳の時に12編の手書きの詩に12枚の水彩画を添えて表紙をつけた手作りの小冊子「水彩画つき手書き詩集」を初めて作成。
1920年に13編の散文、10編の詩、14枚の水彩画からなる画文集『放浪』出版、詩の小冊子「テッシーンの十一枚の水彩画」出版。
とあった。
同書のpp.496~作品案内がありこちらを見るとヘッセの没後にフォルカー・ミヒェルスにより編集されたものが紹介されており、
『色彩の魔術-テッシーンの水彩画と考察と詩』(インゼル社1980)が『ヘッセイ画文集 色彩の魔術』(岩波書店1992)として、
『テッシーン-考察と詩と著者による水彩画』(ズーアカンプ社1990)が『わが心の故郷 アルプス南麓の村』(草思社1997)として、
『庭にて-考察と詩(カラー図版入)』(インゼル社1992)が『庭仕事の愉しみ』(草思社1996)として邦訳されていることが分かった。
いずれも市内に所蔵していたので提供した。
市内所蔵図書『ヘッセ全集5 放浪と懐郷』(昭和32 新潮社)に詩「放浪」が収録されていたため内容を確認したところ、
訳者あとがきに「『放浪』(Wanderung,1920)は、紀行的な散文と詩と十四枚の色刷りの水彩画を含む風趣ゆたかな本である。
ヘッセ自筆の絵を複製すれば、高価な本にならざるを得ないので、割愛したのは残念であるが~」とあった。
そこで、国立国会図書館サーチでタイトル「Wanderung」、著者「Hesse」として蔵書検索したところ、
「■ンデルング Hesse,Hermann;尾崎喜八 朋文堂」がヒット。
愛知県立図書館に所蔵があることが分かった。
念のため、国立国会図書館サーチでタイトル「ヴァンデルング」、著者「ヘッセ」で検索すると、
「ヴァンデルング/●(ワに濁点)ンデルング」(ヘルマン・ヘッセ著、尾崎喜八訳)がヒット。
1957年版『ヴァンデルング』は国立国会デジタルコレクションの図書館送信参加館内公開資料(書誌ID000000958524)となっているほか、
愛知県立図書館で所蔵。1939年版『●(ワに濁点)ンデルング』は愛知県立図書館や大阪府立中央図書館などで所蔵されていることが分かった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 評論.エッセイ.随筆 (944)
- 参考資料
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- 『ヘッセへの誘い』 ヘッセ研究会・友の会/編・著 毎日新聞社
- 『色彩の魔術』 ヘッセ/[著] 岩波書店
- 『わが心の故郷アルプス南麓の村』 ヘルマン・ヘッセ/著 草思社
- 『庭仕事の愉しみ』 ヘルマン・ヘッセ/著 草思社
- キーワード
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- ヘルマン・ヘッセ(ヘルマン ヘッセ)
- 詩集(シシュウ)
- 詩画集(シガシュウ)
- 水彩画(スイサイガ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000224076