レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/12/17
- 登録日時
- 2021/02/06 00:30
- 更新日時
- 2021/02/06 00:30
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-200084
- 質問
-
解決
次の漢詩の記載がある資料を探している。(1)正月十日五更夢中<北宋 梅尭臣>,(2)癸丑元日口占<江戸 大沼枕山>,(3)探梅<南宋 楊万里>,(4)浪淘沙<中唐 劉禹錫>,(5)早春赴界浦<江戸 奥野小山>,(6)春暁<江戸 大槻磐渓>,(7)閒居<盛唐 高適>
- 回答
-
下記の資料に収録されている。
(1) 「正月十日五更夢中」(北宋 梅尭臣)
資料1 梅尭臣撰『宛陵先生集 2(四部叢刊)』上海書店, 1989【F082.7/1989.3/=chi1146】
巻三十六(16丁) に「正月十日五更夢中」あり。
(2) 「癸丑元日口占」(江戸 大沼枕山)
資料2 富士川英郎[ほか]編『詩集日本漢詩 第17巻』汲古書院, 1989【919/ニ2/17】
「枕山詩鈔二編」((巻之上 26丁,p477)に「癸丑 元日口占」あり。
(3) 「探梅」(南宋 楊万里)
資料3 楊萬里撰『誠齋集 1(四部叢刊)』上海書店, 1989【F082.7/1989.3/=chi1195】
巻七(17丁)に「探梅」あり。
(4) 「浪淘沙」(中唐 劉禹錫)
資料4 『全唐詩 第2册』中??局, 1960【F921.43/1960.4/=chi2】
「巻二十八 雑曲歌辭」(p403)に「浪淘沙」あり。
(5) 早春赴界浦<江戸 奥野小山>
資料5 富士川英郎[ほか]編集『詞華集日本漢詩 第8巻(絶句集)』汲古書院, 1983【919/シ2/8】
「安政三十二家絶句 巻上 十八」(p225)に「早春赴界浦」あり。
(6) 「春暁」(江戸[陸奥] 大槻磐渓)
資料6 富士川英郎[ほか]編『詩集日本漢詩 第17巻』汲古書院, 1989【919/ニ2/17】
「寧静閣二集 盤渓詩鈔 龍蛇集」(1丁,p132)に「春暁」あり。
他に,国立国会図書館デジタルコレクションで図書館送信参加館対象資料の『近世名家絶句. 上』(関惟孝 編,明12.5【info:ndljp/pid/892436】 最終アクセス日:2020/12/17)に「大槻磐渓」の「春暁」掲載あり。
(7) 「閒居」(唐 高適)
資料7 『高常侍集 8卷(四部叢刊)』上海書店, 1989【F082.7/1989.3/=chi1110】
巻八(3丁)に「閒居」あり。
また,資料7 『全唐詩 第6册』中??局, 1960【F921.43/1960.4/=chi6】
「巻二百十四 高適 四」(p2242)に「閒居」あり。
○当館発行のパスファインダーも合わせて案内した。
宮城県図書館ウェブサイト 調べ方案内(パスファインダー) 「No.5 漢詩について調べるには」
https://www.library.pref.miyagi.jp/search/references/pathfinder.html (最終アクセス日:2020/12/17)
○リサーチナビのコンテンツも合わせて紹介した。
「日本漢詩を調べる」
https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-399.php (最終アクセス日:2020/12/26)
「漢詩の出典」
https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-asia-16.php (最終アクセス日:2020/12/26)
- 回答プロセス
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○中国人漢詩については,『中国学芸大事典』大修館書店,1978【222/1980.1/R】により調査を行い著作を確認し,書誌検索する。
(1)梅尭臣
・「梅尭臣」(p643)に「著に,苑陵集六十巻付録一巻・毛詩小伝二十巻・唐載記三十六巻がある」とあり。
・蔵書検索により「宛陵先生集, 60卷拾遺1卷附録1卷」(上海書店)の所蔵確認。通覧して発見。
(3)楊万里
・「楊万里」(p778)に「著に誠斎集・誠斎易伝・誠斎詩話などがある」とあり。
・蔵書検索により「誠齋集, 133卷」(上海書店)の所蔵確認。通覧して発見。
(4)劉禹錫
・「劉禹錫」(p815-816)に「著に劉夢得文集三十巻外集十巻(四部叢刊所収)がある」とあり。通覧により発見。
・「全唐詩索引 劉禹錫巻」により「浪」を検索し該当巻を確認。
(7)高適
・「高適」(p208)に「高常侍集八巻(四部叢刊本)がある」とあり。通覧により発見。
・「全唐詩索引 劉禹錫巻」により「閑」(「閒」は索引から目的の詩が検索できず異字体を用いる)を検索し該当巻を確認。
○唐代の漢詩人「劉禹錫」「高適」については,『全唐詩』をも参照する
・『全唐詩 [平装セット]25冊』中華書局,1960【F921.43/1960.4/=chi 1-25】
索引は,『全唐詩索引 劉禹錫巻』(中華書局,1991【F921.43/1991.7/=chi】),『全唐詩索引 高適巻』(中華書局,1991【F921.43/1991.7/=chi】)
・それぞれ探している漢詩に使用されている文字をキーに調査。見つからない場合は異字体も確認。
○日本人漢詩については,『日本漢文学大事典』明治書院,1985【919/コ3/R】から詩集・著作集等を調査し,書誌検索する。
(2)大沼枕山
・「おおぬまちんざん」(p82)に「著に歴代詠史百律一巻・日本詠史百律一巻・詠史絶句二巻・江戸名勝詩一巻(ほか略)がある」とあり。蔵書検索にて列挙されている著作を調査し,「枕山詩鈔」の影印が『詩集日本漢詩 第17巻』に所収されており,通覧により調査。
(5)奥野小山
・「おくのしょうざん」(p95)に「著に寸碧楼詩稿二巻・小山堂文鈔二巻・小山堂詩鈔二巻・劉誠意文鈔五巻(校)がある。」とあり。
・当館の蔵書を検索するも該当著作集は該当なし
・NDLサーチで「奥野小山」を検索し,国立国会図書館デジタルコレクションに該当するものを通覧。めぼしいものがない。
・NDLデジタルコレクションを通覧していると「近世名家絶句」に大槻磐渓の「春暁」を発見。「絶句」をキーワードに改めて書誌調査。
・「詞華集日本漢詩 第8巻」に「絶句集」あり。「文政十七家絶句」から「明治十家絶句」まで収録。「嘉永二十五家絶句」「安政三十二家絶句」に「小山」の詩がある。通覧により目的の詩を発見。
(6)大槻磐渓
・「おおつきばんけい」(p81)に「著に今古史談四巻・(ほか略)封内名勝詩二十首一巻・愛古堂漫稿一巻・寧静閣集十五巻・磐渓詩鈔二巻・磐渓文鈔三巻などがある。」とあり。
・蔵書検索にて,大槻磐渓を検索すると,「寧静閣集」の影印が『詩集日本漢詩 第17巻』に所収されており,通覧により調査。「磐渓詩鈔」は「寧静閣集一集」のうちにあり。また,「寧静閣集二集」から「同 四集」にも,詩鈔と文鈔の編がそれぞれにあり。通覧により調査。相当の時間が必要だった。
・合わせて国立国会図書館デジタルコレクションを検索。『近世名家絶句. 上』(関惟孝 編,明12.5【info:ndljp/pid/892436】)に「大槻磐渓」の「春暁」掲載あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌.韻文.詩文 (921 9版)
- 漢詩文.日本漢文学 (919)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000293506