レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年08月24日
- 登録日時
- 2020/06/14 10:03
- 更新日時
- 2020/06/14 10:15
- 管理番号
- 香芝20190824
- 質問
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解決
次の漢詩の作者や書き下し文、意味などを知りたい。
「春水滿四澤/夏雲多奇峰/秋月揚明暉/冬嶺秀孤松」
- 回答
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詩の書き下し
1.春水(しゅんすい) 四沢(したく)に満ち
2.夏雲(かうん) 奇峰(きほう)多し
3.秋月(しゅうげつ) 明輝(めいき)を揚げ
4.冬嶺(とうれい) 孤松(こしょう)秀づ
詩の意味
1.春は水がゆたかで、四方の沼沢にあふれ
2.夏は入道雲が現れて、空に珍しい峰の形を描き
3.秋は月が澄んで、明るい光を夜空にかかげ
4.冬は冬枯れの山に、松がただ一本めだって、ときわの緑を誇示する
作者について
陶淵明の作で、「四時」としているが、顧愷之の長篇古詩「神情詩」の一部分とみるべき。
以上『中国名詩鑑賞辞典』より
P.82~83に記述あり
作者
顧・愷之(こがいし)345頃~406
東晋の画家。字は長康(ちょうこう)、幼名は虎頭。博学多才で詩賦に長じ、絵画に詳しく生来天衣無縫の人だったので時の人に「才絶・画絶・痴絶」と評された。
『中国歴史文化事典』新潮社、1998年
- 回答プロセス
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①作者不明という事で、起句をWeb検索。⇒陶淵明作「四時」か
②『中国名詩鑑賞辞典』成句索引より
「春水四沢に満ち」との句有。質問の句であった。
作者は、顧愷之(こがいし)とのこと。※顧愷之の長篇古詩を陶淵明がそのうちの四句を会心の作として摘出したものだということ。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌.韻文.詩文 (921)
- 参考資料
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孟慶遠 [ほか]編著 , 小島晋治, 立間祥介, 丸山松幸 訳 , 孟, 慶遠 , 小島, 晋治, 1928-2017 , 立間, 祥介, 1928-2014 , 丸山, 松幸, 1934-. 中国歴史文化事典. 新潮社, 1998.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002670512-00 , ISBN 410730213X -
山田 勝美/[著] , 山田‖勝美. 中国名詩鑑賞辞典. 角川書店, 1979. (角川小辞典 ; 19)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005714780-00
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孟慶遠 [ほか]編著 , 小島晋治, 立間祥介, 丸山松幸 訳 , 孟, 慶遠 , 小島, 晋治, 1928-2017 , 立間, 祥介, 1928-2014 , 丸山, 松幸, 1934-. 中国歴史文化事典. 新潮社, 1998.
- キーワード
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- 漢詩
- 晋
- 東晋
- 顧愷之
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000283119