レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/07/20
- 登録日時
- 2021/08/03 00:30
- 更新日時
- 2021/09/24 11:03
- 管理番号
- 10026090
- 質問
-
解決
(できれば有名な)俳人自身が、自句をどうしてこのように推敲したかという意図を説明している資料が見たい。
- 回答
-
俳人が自身の句の推敲の意図を説明している資料について、以下のとおり紹介します。
【 】内は国立国会図書館請求記号です。
書誌事項末尾に☆を付した資料は国立国会図書館デジタルコレクションのインターネット公開資料、◎を付した資料は国立国会図書館/図書館送信参加館内公開資料です。
・臼田亞浪
臼田亜浪 著『俳句の成るまで』育英書院, 昭和16【911.304-U95-2ウ】☆
* pp.62-98「私の推敲の仕方」( https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1128248/38 )
・荻原井泉水
荻原井泉水 著『緑蔭に語る : 俳句新話』日本評論社出版部, 大正12【522-12】◎
* pp.127-139「推敲山水」
荻原井泉水 著『自像素描 : 自句自解』. 河出書房, 昭14【782-96】◎
* pp.3-131「一 自像素描」:自句の自らによる解説の中に、推敲の意図について述べている部分が散見されました。当館のレファレンスでは、本文を精読しての調査はできません。詳細については、利用者ご自身でご確認ください。
・飯田蛇笏
『句作の道 第1巻』目黒書店, 1950【911.307-Ku938】◎
* pp.57-76「推敲と實例」(飯田蛇笏)
・水原秋桜子
『句作の道 第1巻』目黒書店, 1950【911.307-Ku938】◎
* pp.77-96「俳句の推敲」(水原秋櫻子)
水原秋桜子 著『秋庭 : 自句自解』河出書房, 昭13【717-207】◎
* 一部に推敲の意図について述べている部分がありました。
・栗林一石路
栗林一石路 著『生活俳句論』河出書房, 昭15【911.304-Ku61-2ウ】◎
* pp.304-309「句の推敲について」
・石田波郷
『石田波郷全集 第7巻 (鑑賞 2)』角川書店, 1971【KH196-9】
* pp.399-459「自句自解」
* 一例として、pp.410-411に推敲とその意図についての記載があります。
* (参考)猿山木魂 ; 田中鬼骨 ; 鈴木白祇 ; 高橋柿花「新企画 俳句実作上達シリーズ(一)実作上の推敲をどうするか 波郷実作の推敲に学ぶ」(『俳句』39(3)(496) 1990.3 pp.208-209【Z13-189】)
・森澄雄
「自句自解 (森澄雄読本)」(『俳句』28(5) 1979.4 pp.295-313【Z13-189】)
* 一例として、p.308に推敲とその意図についての記載があります。
* (参考)木村敏男 ; 今瀬剛一 ; 新谷ひろし「新企画 俳句実作上達シリーズ(一)実作上の推敲をどうするか 澄雄実作の推敲に学ぶ」(『俳句』39(3)(496) 1990.3 pp.212-213【Z13-189】)
・飯田龍太
飯田龍太 著『飯田龍太自選自解句集』講談社, 2007.11【KH176-H339】
* 一例として、p.149に推敲とその意図についての記載があります。
* (参考)永田耕一郎 ; 六角文夫 ; 庄司圭吾 ; 勝又木風雨「新企画 俳句実作上達シリーズ(一)実作上の推敲をどうするか 龍太実作の推敲に学ぶ」(『俳句』39(3)(496) 1990.3 pp.210-211【Z13-189】)
・鷹羽狩行
鷹羽狩行 著『俳句の魔力 : 鷹羽狩行評論集』永田書房, 1981.10【KG721-78】
* pp.164-168「わたしの俳句作法―霊感と推敲―」
* pp.169-181「推したり敲いたり」
* (参考)藤井亘 ; 辻桃子 ; 坪内稔典「新企画 俳句実作上達シリーズ(一)実作上の推敲をどうするか 狩行実作の推敲に学ぶ」(『俳句』39(3)(496) 1990.3 pp.214-215【Z13-189】)
以下は、俳人自身が表明した内容ではない(弟子による記録など)、個別具体的な推敲の意図については述べられていないなど、ご質問への直接的な回答ではありませんが、参考としてご紹介します。
・松尾芭蕉:弟子による記録、推敲についての考え方
向井去来 著『去来抄 (俳諧名著文庫 ; 第2編)』俳書堂, 大正5【355-28-(2)】☆
* pp.7-8「淸瀧や波に塵なき夏の月」について、他の句に似ているため改めるというエピソード( https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/953364/6 )が見られます。同様の話は、『笈日記』(各務支考 著[他])【550-55-(4)】☆にもあります( https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1019575/20 )が、内容の細部は異なっている模様です。
『岡崎義恵著作集 第6 (芭蕉の芸術)』宝文館, 1959【910.8-O547o】◎
* pp.211-216「推敲」:pp.212-213において上掲の句について論じられています(「推敲というより改作に近い」という一文もあります。)。
そのほか、『去来抄』には芭蕉の教えとして「句整はずんば、舌頭に千轉せよ」(【355-28-(2)】p.34☆ https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/953364/2 )という言葉が出てきます。
・与謝蕪村:書簡における記載及び自注
『新編日本古典文学全集 61』小学館, 2001.7【KH2-E9】
* pp.590-591「文机の花打払ふ維摩経」という連句中の一句の解説中に、初案が「文机の花打払ふ南華経」であったところ、変更の理由について「文章甚洒落高邁成故、儒家文章詩句ヲ専らとする者、必維摩を見ずんば有べからず(几菫宛書簡)」と紹介されています。
『古典日本文学全集 第32 (与謝蕪村集,小林一茶集)』筑摩書房, 1965【918-Ko675-(s)】◎
* p.104「中〱にひとりあればぞ月を友」という句の紹介中に「なおさきの書簡には「月の友よりは、まさりたる心地し侍り」と自注を加えている」という記載があります(さきの書簡とは弟子の几菫宛の書簡です)。
・正岡子規:推敲についての考え方
正岡子規 著『俳諧大要 9版』友善堂, 昭和2【338-191ロ】☆
* 子規による俳論書です。推敲についても触れられています(p.22 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1145802/19 )(pp.67-68 https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1145802/41 )。
・高浜虚子:自句の解説
『昭和文学全集 第43巻 (高浜虚子,釈迢空,日夏耿之介集)』角川書店, 1954【918.6-Sy961】◎
* pp.118-130(「高濱虛子集」より)「自句自解」
[そのほかの主な調査済資料]
尾形仂 [ほか]編『俳文学大辞典』角川書店, 1996.3【KG2-G4】
尾形仂 [ほか]編集『総合芭蕉事典』雄山閣, 1982.6【KG256-4】
村松紅花 ; 復本一郎 ; 関森勝夫 ; 鈴木鷹夫「新企画 俳句実作上達シリーズ(一)実作上の推敲をどうするか 芭蕉実作の推敲に学ぶ」(『俳句』39(3)(496) 1990.3 pp.204-205【Z13-189】)
下村梅子 ; 伊藤柏翠 ; 藤崎久を「新企画 俳句実作上達シリーズ(一)実作上の推敲をどうするか 虚子実作の推敲に学ぶ」(『俳句』39(3)(496) 1990.3 pp.206-207【Z13-189】)
松尾靖秋 [ほか]編『一茶事典』おうふう, 1995.5【KG272-G4】
大谷 弘至「一茶の推敲」(『二松学舎大学人文論叢 = Journal of Nishogakusha University Humanities Association』83 2009.10 pp.70-90【Z22-565】)
ウェブサイトの最終アクセス日は2021年7月17日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
松尾芭蕉が推敲をよく行っていたことは確認できたが、推敲の意図にまで言及した資料は見つけられなかった。
- NDC
-
- 詩歌 (911 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000302719