レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/06/11
- 登録日時
- 2019/12/22 00:30
- 更新日時
- 2020/01/05 14:46
- 管理番号
- 6000047821
- 質問
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解決
東京書籍「新編新しい国語2」に載っている短歌のうち、以下の3首について解釈や技法が載っている資料を探している。
1.石川啄木「不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸はれし 十五の心」
2.斉藤茂吉「最上川の上空にして残れるはいまだうつくしき虹の断片」
3.俵万智 「「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ」
小中学生に向けてかかれたものが望ましいが、なければ大人向けのものでもかまわない。
- 回答
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参考資料欄の資料及び情報を提供。
- 回答プロセス
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教科書掲出の短歌についてのレファレンスなので、先行調査事例が存在する可能性を考え、レファレンス協同データベースを検索。
参考となりそうな事例が2件あった。
・[調べ方マニュアル]「近代短歌集/ 国語の授業で、近代の歌人(短歌)の作品を鑑賞する。10班に分かれて、それぞれ別の歌人の作品を鑑賞する。与謝野晶子、石川啄木、若山牧水、寺山修二など。」
(URL1:http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=man_view&id=2000022356)
・[レファレンス事例]「教科書(光村図書)に掲載されている「短歌12首」について、調べてプレゼンテーションをさせたい。(中学校2年国語の授業)」
(URL2:http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000151378)
この2例で紹介されている『コレクション日本歌人選』笠間書院(2011~)について、
URL1では「*短歌の授業向けに購入したもの。石川啄木、正岡子規、斎藤茂吉、寺山修司、与謝野晶子、北原白秋、若山牧水など。歌集ではないが、見開き2ページで歌、訳、解説が載っていて、読み易い。」
URL2では(石川啄木の巻の説明として)「今回鑑賞する作品もとりあげられ、丁寧な解説が付いている。巻末の略伝・略年譜により歌人の生い立ちや歴史的背景もわかり、さらに啄木を知るための読書案内もついている。中学生から充分読める1冊です。」
とあり、中学生の学習の参考として適しているようだが、残念ながら当市公共図書館及び当市立学校図書館いずれも未所蔵。
NDC911を中心に自館の書架をあたる。
※(児):児童室資料 (成):成人室資料
○参考としたもの
・(児)「三省堂例解小学短歌・俳句辞典」(資料1):
3首とも記載有。解説有。技法の解説は無。
小学生向けのためあまり踏み込んだ内容ではない。
・(成)「知っ得短歌の謎 近代から現代まで」(資料2):
3.について1頁を使い、技法も含めてやや詳しく解説している。
他の歌人や歌集についての記載もあるものの、1.及び2.の歌について直接の記載は無。
○記述のなかったもの
・(成)「日本の詩歌8 斎藤茂吉 新訂版」(中央公論社)1978.12:
歌の掲載はある(p.349)が、解説は無。
市内他館から取り寄せた資料
○参考としたもの
・(児)「声に出して楽しもう俳句・短歌 [2] 短歌に親しもう」(資料3):
小中学生向き。2.と3.の歌について解説有。技法の解説無。
詳しさは資料1と同程度。
・(児)「想いが届くあの人のことば 3 心であじわう詩・和歌」(資料4):
小中学生向き。1.と3.の歌について解説有。技法の解説無。
歌人の生い立ちや歌の作られた背景についてやや詳しい解説がある。
・(児)「絵といっしょに読む国語の絵本 2 短歌のえほん」(資料12):
小学生向き。歌人についての解説と代表歌が4つ程度挙げられている。1.と2.の歌と歌人について解説有。技法の解説無。
・(成)「現代秀歌 岩波新書 新赤版 1507」(資料5):
3.の歌について解説有。
・(成)「近代秀歌 岩波新書 新赤版 1407」(資料6):
1.の歌について解説有。
・(成)「斎藤茂吉 短歌シリーズ・人と作品 12」(資料7):
2.の歌について解説有。
・(成)「日本秀歌秀句の辞典」(資料8):
1.の歌についてのみ解説有るも分量は少ない。
但し全ての歌について出典やその刊行年の記載があり、また索引についても五十音・季語・地名・作者別(古典のみ)・語彙の各索引で計200ページ以上あるなど、詩歌の一次レファレンス資料としては有用。
・(成)「茂吉秀歌 下巻 岩波新書 黄版 45」(資料9):
2.の歌について解説有。
・(成)「日本の詩歌 5 石川啄木 新訂版」(資料10):
1.の歌について簡単な解説有。
・「茂吉秀歌 『霜』『小園』『白き山』『つきかげ』百首 講談社学術文庫 1195」(資料11):
2.の歌について、やや詳しい解説有。この歌の前提となった歌が存在することなど他の参考資料には無い情報があるが、「妙な第二句を持つ歌」など若干主観的な表現がある。また、解説は旧仮名遣いのため中学生にはやや読みづらいか。
○記述のなかったもの
・(児)「こども「折々のうた」100 10歳から読みたい日本詩歌の決定版!」(小学館)2019.2:
朝日新聞朝刊一面に掲載の「折々のうた」の中から、短歌と俳句各50首計100首を選び、時代順に並べたもの。
見開きの右頁に歌とその現代語訳、左頁に歌の解説文と用語解説がある。
当該短歌の掲出は無。
・(成)「現代短歌大事典」(三省堂)2000.6:
歌人や短歌に関する事項の説明。
歌人の略歴や作風、歌集、評価・研究史とともに代表歌の解説、参考文献の項目がある。
質問の3歌人の項目はあったが、当該短歌の解説は無。
・(成)「斎藤茂吉 Century books 人と作品 29」(清水書院)1980:
歌の記載はある(p.206)が解説は無。
・(成)「石川啄木 Century books 人と作品 5」(清水書院)1984
「第二編 作品と解説」に、当該歌所収の「一握の砂」が節として存在するが、当該歌の掲出は無。
・(成)「石川啄木の人と作品」(学研)1964:
逐次的な作品解説ではなく、歌人の生い立ちを語る中で作品についても触れる形。索引も無。
1.の歌所収の「一握の砂」についてや刊行年の1910年(明治43年)について記載のある部分を調べたが、当該歌を見つけることはできなかった。
・(成)「新編和歌の解釈と鑑賞事典」(笠間書院)1999.9:
3人の歌人についての項目はあるが、当該歌の掲出は無。
・(成)「茂吉晩年 「白き山」「つきかげ」時代」(岩波書店)1998.3:
歌のみ掲出(p.79)
・(成)「啄木のうた」(童心社)1978:
歌集のため解説無
- 事前調査事項
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「学習俳句・短歌歳時記」(国土社)
「はじめてであう短歌の本」(あすなろ書房)
「ジュニア版目で見る日本の詩歌」(TBSブリタニカ)
「写真で読み解く俳句・短歌・歳時記大辞典」(あかね書房)
以上4点の資料には記載無。
「ポプラディア情報館短歌・俳句季語辞典」(ポプラ社)
には、1.のみ記載有。
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 『三省堂例解小学短歌・俳句辞典』 三省堂編修所/編 三省堂 (1:p.77, 2:p.45, 3:p.59)
- 『知っ得短歌の謎』 國文學編集部/編 學燈社 (p.194)
- 『声に出して楽しもう俳句・短歌[2]』 金の星社 (2:p.31, 3:p.36)
- 『想いが届くあの人のことば3』 押谷 由夫/監修 学研教育出版 (1:p.41, 3:p.11)
- 『現代秀歌』 永田 和宏/著 岩波書店 (p.22)
- 『近代秀歌』 永田 和宏/著 岩波書店 (p.32)
- 『斎藤茂吉』 本林 勝夫/著 桜楓社 (p.300, (p.172))
- 『日本秀歌秀句の辞典』 小学館辞典編集部/編集 小学館 (p.430)
- 『茂吉秀歌下巻』 佐藤 佐太郎/著 岩波書店 (p.119)
- 『日本の詩歌5』 中央公論社 (p.46)
- 『茂吉秀歌』 塚本 邦雄/[著] 講談社 (p.151)
- 『絵といっしょに読む国語の絵本2』 坪内 稔典/監修 くもん出版 (1:p.58, 2:p.22, p.54)
- キーワード
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- 短歌(タンカ)
- 石川啄木(イシカワ タクボク)
- 斎藤茂吉(サイトウ モキチ)
- 俵万智(タワラ マチ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物,その他
- 質問者区分
- 庁内
- 登録番号
- 1000271096