レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年06月16日
- 登録日時
- 2020/08/20 19:12
- 更新日時
- 2020/12/26 14:22
- 提供館
- 岐阜県図書館 (2110001)
- 管理番号
- 岐県図-2578
- 質問
-
解決
中学校の数学で学習する正の数と負の数の、「正」と「負」の意味について調べてほしい。
1.なぜ正負の漢字が使われているのか、0より大きいとか小さいという意味と漢字がどのように関連しているのか、
正負の漢字のこの他の意味があるのか。
2.この漢字は古代中国に由来するらしいが、今も中国で使われているのか。
- 回答
-
1について
(1)『漢字語源語義辞典』加納 喜光/著、東京堂出版、2014年、禁帯出
p.727「正」語義:「まっすぐ」というコアイメージから、数学では、零より大きい数(プラス)の意味を派生する。
p.1111「負」語義:「←→の形(反対方向)にそむく」というイメージから、数学では、ゼロから←の方向の数をプラスとすればその反対の→の方向に 進む数(マイナス)の意味に用いられる。
(2)『数の漢字の起源辞典』加納 喜光/著、東京堂出版、2016年
p.134 「正」と「負」の起源
魏晋時代の劉徽が注釈した『九章算術』に正負術という解法があり、連立方程式を解くために負の数が導入されたようだが、この時期に0(ゼロ)という数の認識はないので、0(ゼロ)よりも小さな数という認識ではなさそうである、とある。
また、劉徽は普通の数(自然数)を整数とし、それとは反対向きの数を負数と呼んだ、とある。
2について
(1)『白水社中国語辞典』伊地智 善継/編、白水社、2002年
p.405「負」9番目の意味として、「負の、マイナスの。⇔正」と掲載されている。
p.1991「正」11番目の意味として、「正の、プラスの。⇔負」と掲載されている。
(2)『Newアクセス中日・日中辞典』蘇 文山/監修、三修社、2011年、禁帯出
p.156「負」7番目の意味として、「負(ふ)。マイナス。」と掲載されている。
p.662「正」5番目の意味として、「プラス。正数。」と掲載されている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
辞書で調べたら正の数は0より大き数、負の数は0より小さい数とある。他の辞書や数学辞典も同じような説明しかない。
- NDC
-
- 辞典 (823 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 正負
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000286050