レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年07月02日
- 登録日時
- 2019/06/13 11:25
- 更新日時
- 2021/02/14 15:35
- 管理番号
- 中野1145
- 質問
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解決
「対象」の語源について調べている。
この言葉が日本で歴史上最初に使われた書籍の書名と著者名を知りたい。
- 回答
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【資料1】~【資料3】によると、明治38(1905)年出版の『普通術語辞彙』徳谷豊之助・松尾勇四郎/著、が最も出版年が古い。
【資料1】『新明解 語源辞典』小松寿雄[他]/編,三省堂,2011(812.0/シ)
p.559「対象」
「目あて。哲学用語として、英語objectの訳語として明治期に作られた和製漢語。」とし、『哲学字彙』三版(明治四五年)と明治三八年(一九〇五)の徳谷豊之助・松尾勇四郎『普通術語辞彙』を挙げている。
【資料2】『日本国語大辞典 第8巻』小学館国語辞典編集部/編集,小学館,2001(R813.1/ニ/8)
①「目標となるもの。目あて。相手。」という意味では、用例文として1906年の夏目漱石『草枕』、1910-11年の森鴎外『青年』、1935年の『中野重治詩集』を挙げている。
②「哲学で、主観に対するものとして、われわれの前にあるもの。(以下略)」と言う意味では、用例文として1905年(明治38)の徳谷豊之助, 松尾勇四郎 著『普通術語辞彙』を挙げている。
【資料3】『明治のことば辞典』惣郷正明〔他〕/編,東京堂出版,1986(R813.7/メ)
p.346「対象」
『普通術語辞彙』(明38)が掲載されている辞書では最も出版年が古い。
【資料4】『普通術語辞彙』徳谷豊之助・松尾勇四郎/著,敬文社,1905
国立国会図書館デジタル化資料(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/898118)
コマ105→コマ96「客観」に導かれる。
【資料5】『哲学字彙 英独仏和』井上哲次郎 等/著,丸善,1912
国立国会図書館デジタル化資料(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/752943)
コマ58「object」の項目。
- 回答プロセス
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●その他の調査済み資料-記述なし
『日本語源大辞典』前田富祺/監修,小学館,2005(R812.0/ニ)
『暮らしのことば新語源辞典』山口佳紀/編,講談社,2008(R812.0/ク)
『講座日本語の語彙 第10巻 語誌 けいざい~つぼ』佐藤喜代治/編,明治書院,1983(814/サ)
『明治のことば』齋藤毅/著,講談社,1978(810.2/サ)
『漢字講座4』佐藤喜代治/編,明治書院,1989(811.2/カ/4)
『現代に生きる幕末・明治初期漢語辞典』佐藤亨/著,明治書院,2007(R813.4/サ)
- 事前調査事項
- NDC
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- 語源.意味[語義] (812)
- 参考資料
- キーワード
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- 語源
- 和製漢語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000257433