レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年11月28日
- 登録日時
- 2021/09/29 16:58
- 更新日時
- 2021/10/07 19:26
- 管理番号
- 相橋-R3-024
- 質問
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解決
電子辞書を見ていて「ある言葉を使って、別なものを連想させる。」というような俳句を作ることが、江戸時代に大阪で流行したことがあると知った。そのようなものが書かれた本や「かるた」等があれば見たい。
- 回答
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①②を提供した。
- 回答プロセス
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検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2020/11/14 最終確認)にて、キーワード“俳句連想”で検索した結果、以下の論文より「地口」というワードが見つかった。
『俳句学習で言語感覚を磨き、語彙力を高める』 群馬大学教育学部附属中学校 今井靖 (https://tb.sanseido-publ.co.jp/kokugo/Info/magazines/lang-edu/pdf/016_pdf/016_004.pdf 2020/11/14 最終確認)
検索エンジンGoogle(http://www.google.co.jp/ 2020/11/14 最終確認)にて、キーワード“地口”で検索した結果、以下の論文より「上方では[口合]、江戸では[地口]」と分かった。
『口合本と地口本 -その変遷 (近世文藝 58)』 中島穂高 (https://www.jstage.jst.go.jp/article/kinseibungei/72/0/72_58/_pdf/-char/ja 2020/11/14 最終確認)
冒頭「はじめに [口合]・[地口]とはある成句の一節をもじって、同音もしくは類似音の別語に言い換え、俗な意味にすり替える言語遊戯である。上方では[口合]、江戸では[地口]と称した。」との記載あり。
①『図説ことばあそび遊辞苑』 遊子館 2007 (自館請求記号:R807)
p140-141「第7章 秀句系ことばあそび 口合 くちあい」の項に、「上方において長らく命脈を保った<秀句>も、元禄期(一六八八~一七〇四)あたりから上方では<口合>に、江戸では<地口>に呼称が変わる。<口合>のほうは[比談][比言]と当ててクチアヒと読んだ。-中略- <口合>はもともと連歌・俳諧の用語であった。これが京坂において、五つの音通をもとに子音だけ換えて類音句を作る遊戯として発達した。 -中略- <口合>は上方民衆の粋興精神の吐け口として、たいへんな流行を見た。」とあり。作例の記載あり。
p141-143「第7章 秀句系ことばあそび 地口 じぐち」の項に、「同音異義語を使ったり、一部の語音を変えたりして、元の語句とよく似た別の語句に仕立てるものを<地口>という。狭義の<洒落>の先輩格の言葉とみてよい。」とあり。作例の記載あり。
p161「第8章 洒落系ことばあそび 絵地口 えじぐち」の項に「<地口>の内容を絵に描いて示したものを<絵地口>といった。 -中略- <絵地口>のネタを提供するために文政(一八一八~)から天保(~一八四四)以降、さまざまな地口本が出てさらなる流行を助長した。」とあり。作例「絵地口の文言」の記載と「一勇斎国芳 画 [其まゝ地口猫飼好五十三疋](口絵参照)」の添付あり。
p163-164「第8章 洒落系ことばあそび 絵口合 えぐちあい」の項に、「<絵口合>は<口合>に即興の絵を描き添えたものをいい、江戸ではやった<絵地口>の上方呼称である。安永・天明(一七七二~八九)から弘化・嘉永(一八四四~五四)頃まで、比較的長期にわたり大阪や京都などで人気になった。」とあり。作例「絵口合文句」の記載あり。
②『ことば遊び辞典 新版』 東京堂出版 1998 (自館請求記号:R807)
p547-642「Ⅱ しゃれ 地口」の項のはじめに「地口 秀句・口合・地口・もじり・語路・しゃれ等の名で呼ばれるものを一括して収める。」とあり、五十音順に語句ごとの作例あり。
p1029-1033「Ⅳ 解説 第二章 しゃれ 第一節 地口 二 秀句から地口へ」の項に、「口合は元禄時代には、上方ではごく普通に使われていた語で、近松の浄瑠璃にも例が多い。 -中略- 言語遊戯としての口合の場合では、もとのことばに合わせてシャレをいう意味である。」との記載あり。
p1042-1049「Ⅳ 解説 第二章 しゃれ 第一節 地口 六 地口本と口合本」の項に、「江戸時代のシャレの歴史では、江戸では地口、上方では口合という二つの流れが、それぞれの発展をとげたわけであるが、-後略- 」と解説あり。
p1049-1054「Ⅳ 解説 第二章 しゃれ 第一節 地口 七 絵口合」の項に、「大阪における口合は天明以後、絵口合の名称で流行を見た。」との記載あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 研究法.指導法.言語教育 (807)
- 参考資料
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- 『図説ことばあそび遊辞苑』 遊子館 2007
- 『ことば遊び辞典 新版』 東京堂出版 1998
- キーワード
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- ことば遊び
- 俳句連想
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000305255