レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年08月23日
- 登録日時
- 2021/08/23 15:28
- 更新日時
- 2022/04/28 09:42
- 管理番号
- 京高図司-2021-A6
- 質問
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未解決
「昼からはちと影もあり雲の峰」の作者は誰か。
- 回答
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作者不明
- 回答プロセス
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ネット検索では多数ヒット。小林一茶の作とされていることが多いが、全集やデータベースでは該当するものがない。
文献では、桂文珍の『新落語的学問のすすめ』p145に紹介されているが、作者には触れていない。
朝日新聞「天声人語」(2013.2.23)にもこの句が取り上げられているが、やはり作者には触れていない。
また、NHK BSプレミアム「旅のチカラ」(2011年12月20日放送)で、「桂三枝(六代目文枝)が、シャレの説明に、小林一茶作としてこの句を使っていた」という内容のブログが複数あったが、これは確認できても回答にならない。
俳句の本やことば遊びの本を何冊か見てみたが、手掛かりは見つけられなかった。
- 事前調査事項
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一つの句の中に七種の「虫」が隠れている(蛭・蚊・蜂・蜥蜴・蟻・蜘蛛・蚤)という、国語の授業の実践では結構知られた、言葉遊びの句。季語は「雲の峰(入道雲)」で夏。作者は一茶と聞いたが、全集に見当たらないのを不審に思っていた。「桂文珍の本でこの句を見た」と、人から聞いた記憶がある。
- NDC
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- 研究法.指導法.言語教育 (807)
- 詩歌 (911)
- 参考資料
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小林一茶 [著] , 小林, 一茶. 一茶全集 別冊. [信濃毎日新聞社], 1978.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I054062980-00 -
桂文珍著 , 桂, 文珍. 新落語的学問のすすめ. 潮出版社, 2000.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I010778473-00 , ISBN 4267015503 -
小林祥次郎 著 , 小林, 祥次郎, 1938-. 日本のことば遊び 新装増補版. 勉誠出版, 2008.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009328925-00 , ISBN 9784585053965 -
今野真二著 , 今野, 真二. ことばあそびの歴史 : 日本語の迷宮への招待. 河出書房新社, 2016. (河出ブックス, 094)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I008795862-00 , ISBN 9784309624945 -
鈴木棠三 [著] , 鈴木, 棠三, 1911-1992. ことば遊び. 講談社, 2009. (講談社学術文庫 ; 1972)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010642257-00 , ISBN 9784062919722 - 一茶発句全集 http://www.janis.or.jp/users/kyodoshi/issaku.htm (2021年12月7日確認)
- 一茶の俳句データベース http://ohh.sisos.co.jp/cgi-bin/openhh/jsearch.cgi?group=hirarajp (2021年12月7日確認)
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小林一茶 [著] , 小林, 一茶. 一茶全集 別冊. [信濃毎日新聞社], 1978.
- キーワード
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- 物名(もののな・ぶつめい)
- 隠し題
- 言語遊戯
- 小林一茶
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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桂文珍さんに直接聞けば、わかりそうな気もしますが。
追加情報を期待します。
嵐のラジオ番組で取り上げられたり、ドイツ語版のウィキペディアで紹介されたりして、一茶の句として定着しつつあるようで、ちょっと心配になっています。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000303550