①『これで身につく山歩き100の基本』
「歩行技術の基本」として「ベテランの歩き方を見習う」という項がある。その中で「苦しい登り坂など腕を組んだり、腰の両側に手を添えて歩いている人を見かけることもある。これもまた身体全体のブレを最小限に抑えるための姿勢で、特にザックが重く感じるときや、急登が続く場面などでは有効な姿勢だ。早く歩く場合には腕を左右に振ることでバランスが取れるが、登り坂などをゆっくりと歩く場合には、腕の位置を固定した方がバランスが取りやすいのだ。」と紹介されている。
②『これで安心山歩き基本ハンドブック』
「第2章 登りの歩き方」に「急坂の登りでは歩幅を小さく、ゆっくりと歩く」という項があり、「登山道の路面が整備されていて転倒などの危険が少ない場所では、軽く腕組みをしたり、腰の後ろに手を固定する、腰に手を添えるなどして、歩くことによって生じる微妙なバランスをとり易くするための姿勢を、自分なりに工夫しながら歩くのもよい。(中略)一日の疲労感がまったくちがったものになる。」と紹介されている。
③『今日から始める山歩き』
「Chapt.2バテない「歩き方」」の項に「ベテランを見習う」として、「ザックが大きく荷物の多いベテランが、かるく腕を組んだり、腰に手を当てていたりする姿を見ることもあります。これはすべてスムーズに重心移動するためのコツです。」と紹介されている。
④『山の常識釈問百答』
「第6章 山の実践」に「Q75 歩くときに腕組みするのはなぜ?」という項目がある。この問いに対し、「腕組みをすると、重心を体の中心に集められるという効果があるように思います。手をぶらぶらさせるより、体の軸がブレなくて、歩きやすいのです。(中略)あとはザックのショルダーストラップ(ザックの肩にかかる部分)の胸のあたりに手をかける人もいます。腕は成人男性で3~4㎏(片腕で)もあるそうです。それをぶら下げているよりは、腕組みをして、体の中心に乗せたほうがラクなのでしょうね。」と答えている。
⑤『もう山でバテない!』
「第6章 山を歩くときはこんなことに気をつけよう」に「山で疲れる歩き方」という項がある。そこでは「登山慣れしている人も一目でわかります。姿勢がよく、重心もしっかりとしていて、中にはぐっと腕組みをしている人もいます。この腕を組むという行為は、重いものを背負ったとき、肩が楽になるのだと思います。そうすることによって肩の筋肉が厚くなり、ザックの紐が食い込まないのでしょう。」と紹介されている。