レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/08/08
- 登録日時
- 2020/12/19 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:41
- 管理番号
- M20081014410709
- 質問
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玉野市で創業し、日本で初めて国産ゴルフボールを製造したとされる企業「ファーイーストゴム」についてわかる資料はないか。
- 回答
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資料①『日本のゴルフ100年』によると、「日本で最初に国産ボールをつくったのは、三井船舶の技術者だった前田英一だったようだ。彼はファーイーストゴム会社(岡山県玉野市)を29年(→1929年)に設立し、(中略)34年には東京に工場を設けた。主として輸出用だったが、34年から国内でも発売しており、アメリカのゴルフボール専門紙にも「日本のゴルフボールの元祖」として紹介されている。(中略)ファーイーストは鎌田利(カマタリ)に買収され、その伝統は92年からキャスコ(本社、香川県さぬき市)に受け継がれている」と書かれている。
新聞記事としては資料②『山陽新聞 昭和50年7月12日朝刊』資料③『山陽新聞 昭和50年11月13日夕刊』に会社の沿革と当時の状況についての掲載がある。資料②には「昭和4年先代前田英一氏が、全国で初めて糸巻きゴルフボールの生産を始める。商標は極東をもじって”ファーイースト”とした。戦時中は中断のあと、23年に再開、主に米国に輸出。25年興栄護謨工業として法人化、33年商標を現社名に使う。(中略)玉野、総社、香川県三木町に工場を持つ」としている。資料③には「昭和29年、日本で最初にゴルフボールを輸出」と書かれている。
昭和32年発行の資料④『岡山県の輸出産業の実態』には、輸出品の1つにゴルフボールがあり、「興栄護謨株式会社(玉野市築港)は昭和8年個人企業としてゴルフボールの製造を開始し、わが国で最も古い歴史をもつメーカーであり、戦前より”ファーイースト”のブランドで名声を馳せている。(中略)戦後、輸出としては昭和23年より進駐軍向けに販売を行っていたが、その真価を認められて25年にカナダへ、また26年にはアメリカへそれぞれ初輸出し、(中略)30年12月吉備郡昭和町に新工場を建設した」とある。
資料⑤『岡山県商工名鑑 昭和35年版』の広告ページには、製品の紹介と、本社を大阪市、工場としては、東京都、玉野市、吉備郡昭和町(現総社市)、三木(香川県)と書かれている。
資料⑥『新編志度町史(下)』によると、鎌田利株式会社(後のキャスコ)は、昭和57年4月に、ファーイーストの要請を受け、三木工場を買収、ゴルフ業界に新規加入した。
その後、昭和57年7月にファーイーストは倒産している(資料⑦)。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 球技 (783 9版)
- 参考資料
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資料① 久保田誠一『日本のゴルフ100年』日本経済新聞社,2004,413p. 参照はp.134
資料②『山陽新聞 昭和50年7月12日朝刊』山陽新聞社 参照はp.10
資料③『山陽新聞 昭和50年11月13日夕刊』山陽新聞社 参照はp.2
資料④『岡山県の輸出産業の実態』岡山商工会議所,1957,91p. 参照はp.7,p.26
資料⑤『岡山県商工名鑑 昭和35年版』岡山県商工会議所連合会,1960,326p. 参照はp.37
資料⑥『新編志度町史(下)』志度町,1986,1020p. 参照はp.194
資料⑦『産経新聞 岡山版 昭和57年7月28日』産経新聞社 参照はp.15
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資料① 久保田誠一『日本のゴルフ100年』日本経済新聞社,2004,413p. 参照はp.134
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2020081014442910709
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢, 高校生, 中学生
- 登録番号
- 1000290974