レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/07/12
- 登録日時
- 2021/08/03 00:30
- 更新日時
- 2021/09/24 11:03
- 管理番号
- 9960451
- 質問
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解決
添付写真(※)の、お面と思われるものについて、どこの国のもので何に使われたのかを知りたい。
1900年前後に、東南アジアで商圏銀行に勤めていた人物が手に入れたもののようだとのこと。
(※)添付写真はレファレンス協同データベースシステムに掲載されていません。東南アジアのお面に関する資料の紹介事例としてご覧ください。
- 回答
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東南アジアのお面に関する資料を調査したところ、資料(1)にご照会のお面と同種の可能性があるお面の図版が収録されていました。
ご提示の写真を基に、ご照会のお面がどこの国のもので何に使われたかを特定することは調査研究の代行であり、当館のレファレンスの範囲を超えるものです。
参考として、以下のようなインドネシアやアジア各地のお面の写真を多数収録する資料やインターネットサイト、インドネシアのチルボンに関する資料をご紹介します。
【 】内は国立国会図書館請求記号です。
<写真図版を多数掲載するもの>
(1)Arts and crafts of Indonesia / Anne Richter ; special photography by John Storey. Thames and Hudson, c1993【KB251-A9】
* pp.128-143:MASKS AND PUPPETS
* pp.137-139にお面の写真図版があります。本文は英語です。
* No.142(p.137)「A collection of masks of characters in Mahahbarata and historical cycles」に収録された図版はご照会のお面と類似していますが、図版の比較検討、本文の翻訳は利用者ご自身でご対応ください。
(2)杉浦康平 構成, 田淵暁 他写真『変幻する神々 : アジアの仮面』日本放送出版協会, 1981.6【KB162-17】
アジア各国のお面の写真と解説を収録しています。本文は日本語です。
* pp.145-150:インドネシア ワヤン・トペン
(3)Fiona Kerlogue. Masks from Indonesia in the Náprstek Museum. Annals of the Náprstek Museum 38(1) June 2017 pp.41-94
*本文は英語です。次のURLから全文の閲覧が可能です。
https://www.researchgate.net/publication/322148403_Masks_from_Indonesia_in_the_Naprstek_Museum
* DOIは、 https://doi.org/10.1515/anpm-2017-0020 です。
(4)The collections of the National Museum of Indonesia First edition photography, Eky Tandyo. National Museum of Indonesia, Ministry of Education and Culture, Republic of Indonesia, 2013【K3-P139】
* インドネシア国立博物館のコレクション目録
* v. 2. Masks & wayang の [collection](pp.52-151)のうち、pp.52-101にお面を中心とした写真と記述があります。本文は英語です。
(5)The Mah Meri mask collection / Joanne Heng. Akademi Pengajian Melayu, 2000【X】
次の(6)~(7)にも仮面のカラー写真が多数掲載されています。
(6)金子量重 著『アジアの民族造形 : 「学び」と「遊び」と「芸能」の美』毎日新聞社, 1998.3【KB16-G423】※アジア全般
(7)Silence speaks : masks, shadows and puppets from Asia / Francisco Capelo. River Books, 2015【KB162-P2】※アジア全般
(8)Indonesian heritage. Archipelago Press, c1996-【X】(8. Performing arts)※インドネシア
(9)Panji dari Bobung / penyusun, Hermanu. Bentara Budaya Yogyakarta, 2012【Y735-TS-2516】※インドネシア
(10)Khon : Thai masked dance sala Chalermkrung. Crown Property Bureau, c2006【X】※タイ
<お面の写真の収録数の多いウェブサイト>
(11)ジャパンサーチ ( https://jpsearch.go.jp/ )
インドネシア、仮面で検索するとお面の写真を多数閲覧できます。
(12)Europeana Collections ( https://www.europeana.eu/portal/en )
EU圏内の文化機関のデジタルアーカイブを横断検索できるポータルサイトです。
(13)Collections Online (MOA-CAT) ( http://collection-online.moa.ubc.ca/ )
カナダにあるThe University of British Columbia (UBC)人類学博物館(Museum of Anthropology)のオンラインカタログです。キーワードを入力する簡易検索と、場所、文化、民族などを選ぶ詳細検索があり、48,000点の所蔵品を閲覧できます。
(14)NMVW-collectie ( https://collectie.wereldculturen.nl/ )
オランダ国立世界文化博物館のウェブサイトです。「topeng」「mask」などで検索してください。
<インドネシアのチルボンに関する資料>
お面の写真図版は多くありませんが、チルボンについて記述のある資料を紹介します。
(15)福岡まどか 著『ジャワの仮面舞踊』勁草書房, 2002.2【KD377-G8】
pp.31-69「第2章 トペン・チルボンの概況」※仮面図版は殆どありません。
(16)福岡まどか「仮面の解釈 : ジャワ島・チルボンの仮面舞踊を中心に」(『民族學研究』61(2) 1996.9 pp.191-214【Z8-240】)
* J-STAGEで全文の閲覧が可能です( https://doi.org/10.14890/minkennewseries.61.2_191 )。
(17)高平鳴海 著『図解踊り子』新紀元社, 2014.10【KD361-L10】※本書は写真の掲載はありません。
* pp.211-212「no.100 インドネシアの特異な仮面舞踊」※「クラナ」について”口髭と顎髭を持つ”とあります。
* pp.212-213「no.101 トペン・チルボンの舞台と衣装」※舞台上での仮面の使われ方について記載があります。
* pp.214-215「no.102 ジャワの仮面舞踊の歴史と継承」
ウェブサイトの最終アクセスは2021年7月9日です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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以下の資料に掲載の「チルボンの仮面舞踏に用いる“クラナ”」、または、「トペンで大臣役に用いる仮面」に似ているようですが、それ以上の調査はできませんでした。
・『インドネシア上演芸術の世界 伝統芸術からポピュラーカルチャーまで』福岡まどか/著 大阪大学出版会 2016 p.120
・仮面〈クドック〉 国立民族学博物館
https://www.minpaku.ac.jp/sites/default/files/research/sc/teacher/minpack/indonesia/pdf/14.pdf
・『バリ島仮面舞踊劇の人類学 人とモノの織りなす芸能』吉田ゆか子/著 風響社 2016 p.209
(調査したが該当するものの掲載がなかった資料)
・『能面を科学する 世界の仮面と演劇』神戸女子大学古典芸能研究センター/編 勉誠出版 2016
・『アジアの仮面 神々と人間のあいだ』廣田 律子/編 大修館書店 2000
・『仮面 そのパワーとメッセージ』佐原 真/監修 勝又 洋子/編 里文出版 2002
・『モンゴルの仮面舞儀礼チャム 伝統文化の継承と創造の現場から』木村 理子/著 風響社 2007
・『神話と芸能のインド 神々を演じる人々』鈴木 正崇/編 山川出版社 2008
また「商圏銀行」については、朝日・読売・毎日の各新聞データベースで検索しましたが、記事はヒットしませんでした。
- NDC
-
- 各種の演劇 (775 10版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 人文(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000302666