レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年09月20日
- 登録日時
- 2020/01/15 15:31
- 更新日時
- 2020/03/26 09:52
- 管理番号
- 相-190015
- 質問
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解決
大型の巻貝を使った楽器について調査研究した資料を紹介して欲しい。インドには現在も「シャンカ」として有り、別のものが古代アンデスにもあり、古代ギリシアにもあったようです。日本ではおなじみの法螺となります。また日本では、いつごろから法螺などが使われていたか知りたい。
- 回答
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次の文献、情報を紹介しました。
・『日本音楽大事典』平野健次ほか監修 平凡社 1989
p.245~251「管楽器」の項において、p.250「日本の管楽器」に「管材は、一部の楽器を除いて竹を用いるのが原則である。(中略)巻貝の殻(法螺貝)、金属管(オークラウロ)などと列挙していけばまだあるが、特殊例というに近くなっていく」とあり、また、p.251「法螺貝-リップ・リード楽器」には「修験道や軍事などの鳴物として知られてはきたが、音楽の中心的な種目にかかわったことはない」とあります。
p.342に「貝 ばい」が立項されており「中国・日本・朝鮮の吹奏楽器。(中略)中国ではインド系の法螺貝シャンクsankhuが六世紀ころより中央アジアまたは東南アジアから流入」との記述があります。
p.342~343「法螺貝 ほらがい」の項には「日本に伝来した経緯は明らかではないが、密教僧が唐から持ち込んだともいわれる」とあります。
・『楽器の歴史 上』C.ザックス著 全音楽譜出版社 1966
「第1章 初期の楽器」のp.31~38「トランペット」に「原始人は粗末な筒状のトランペットのほかに、大きな貝殻も使う」とあり、ニューギニア、マダガスカル、中央ヨーロッパについての記述があります。
・『人と神と音 楽器をフィールドワークする』西岡信雄著 ミュージックトレード社 2004
p.115~117「法螺吹キ譚」に「ホラ貝は中国唐代の密教僧が日本へ持ち込んだとされる」とあります。また「巻貝をメガフォンに使ったとされる最古の例は、新石器時代の発掘品から見つかっている」「大英博物館には、アッシリア時代(紀元前一一六〇~六二四)のものが所蔵されている」等の記述もあります。
・『世界の楽器百科図鑑 楽器の起源と発展』マックス・ウェイド=マシューズ著 東洋書林 2002
p.14~15「楽器とは何か?」に「人類の歴史のごく初期に、ほら貝の貝殻に息を吹き込むと大きな音が出ることが発見された」「ごく初期の楽器には(中略)ほら貝などがあり、合図をする楽器として使われたと考えられる」等の記述があります。
・『唐代の楽器』東洋音楽学会編 音楽之友社 1968
「唐代楽器の国際性」のp.31~38「(三)唐代楽器の起源」の「(ロ)外来の楽器」に「貝」が立項されており「中国人は、早くから西南方や南海を通して、貝(法螺貝)を知っていたが、後に仏典を通して、インドの螺(Sanka)の名に親しみ、実物も西域系として渡ったであろう」との記述があります。
・西岡信雄著「音楽深邃 ホラ吹きに捧げる試論」『紫明』(18)2006-03p.84~87 紫明の会
「音具としてのホラ貝は中国唐代の密教僧が日本へ持ち込んだものとされている」「ホラ貝自体が世界に分布するのであれば、それを音具として使う文化もまた世界各地にあって当然である」とあり、各地の呼び方の例が挙げられています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 楽器.器楽 (763 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 法螺貝
- 楽器
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000272572