レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年09月05日
- 登録日時
- 2019/03/20 18:03
- 更新日時
- 2019/03/28 09:43
- 管理番号
- 企-180006
- 質問
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解決
日本の家紋は、定規とぶん回し(コンパス)のみで描かれている。
家紋が載っている資料でなく、「描き方」がわかる資料が欲しい。
- 回答
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以下の資料を紹介した。
いずれの資料も、それだけを見て家紋を描くのは難しいと思われるが、参考として紹介した。
①『標準紋章集成 改訂版』(図案美術研究社編 文雅堂 1954)
②『家紋の話 上絵師が語る紋章の美』(泡坂妻夫著 新潮社 1997)
③『美術出版社・デザイン講座 1 グラフィック・デザインの基礎知識』(河野鷹思監修 美術出版社 1989)
また、家紋関係の資料から得られた「紋割」や「紋切」といったキーワードにより、国立国会図書館デジタルコレクションを検索してみたところ、次のような資料が見つけられた。いずれも、当館資料の①及び②に掲載されている図と似ている。
④『全国紋章之規劃統一平安紋鑑』(京都染物同業組合紋上絵部編 京都染物同業組合紋上絵部平安紋鑑刊行部 昭和11年)(永久識別子:info:ndljp/pid/1073121)
137~138コマにかけて「紋の割方」が図入りで掲載されている。
⑤『紋切形』(楓川市隠[他]著 (出版)本屋又助 弘化5)(永久識別子:info:ndljp/pid/2536793)
21~22コマにかけて、「紋割方の傳」が図入りで掲載されている。
④及び⑤は、インターネット公開の資料なので、どなたでも閲覧が可能。
- 回答プロセス
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「家紋」「紋章」等をキーワードに当館資料及びインターネットの情報等を調査した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 系譜.家史.皇室 (288)
- グラフィックデザイン.図案 (727)
- 参考資料
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図案美術研究社 編 , 図案美術研究社. 標準紋章集成 改訂版. 文雅堂, 1954.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I003588880-00 (巻末に「紋の割出し方及描き方」が図入りで掲載されている(p221~224)。
「凡て紋の寸法は九分の紋なれば九分の丸の内で作る」とあり、「参考までに寸法の取型を記載して置きます」として、図も掲載されている。例えば「六ツ割」については、「六つ割は一寸の丸を廻せし分廻しにて割る 十二割はこれを更に割る」と、図と共に説明書きがある。) -
泡坂妻夫 著 , 泡坂, 妻夫, 1933-2009. 家紋の話 : 上絵師が語る紋章の美. 新潮社, 1997. (新潮選書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002650019-00 , ISBN 410600528X (「紋と絵師たち」の章(p146~160)では、江戸時代以降の家紋の描き方を紹介しており、大正期の資料『紋章』や、昭和46年に東京紋章上絵師組合が著した『紋割出法』といった資料の一部を転載している(それぞれ図入り、各1ページ)。) -
美術出版社・デザイン講座 1 (グラフィック・デザインの基礎知識). 美術出版社, 1989.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001975844-00 , ISBN 4568510414 (「第1章 グラフィック・デザインの始まり」の「1.グラフィック・デザインの起源」に、「実際、日本の家紋、西洋の紋章、そのいずれもグラフィック・デザインとして優れたものが多く(略)」とあり、日本の家紋がいくつか掲載されている(p.24)。
その上で、「第3章 図形描法」には、定規やコンパスを使った「正方形」や「多角形」、「円/楕円/渦巻き」等の描き方が紹介されている。家紋の描き方を直接的に紹介するものではないが、参考になると判断し紹介した。)
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図案美術研究社 編 , 図案美術研究社. 標準紋章集成 改訂版. 文雅堂, 1954.
- キーワード
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- 紋章
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000253341