①『日本美術作品レファレンス事典 絵画篇 近現代』p386
②『日本美術作品レファレンス事典 個人美術全集・絵画篇1 日本画』p428,437
③東京文化財研究所『美術画報』所載図版データベース
④座右宝刊行会/編集制作『現代日本美術全集 13 竹内栖鳳・上村松園』p114
⑤『上村松園画集 図版篇』図3 図131 図390
⑥『上村松園 新潮日本美術文庫30』図2 図25 p87 p92
⑦加藤 類子/著『もっと知りたい上村松園』参照はp57
⑧山崎斌/編『月明先人集』p27
⑨上村 松園/著『青眉抄・青眉抄その後』p231,p328-329
の資料から上村松園の清少納言が描かれたものは何点か存在することが確認できた。
(1)「清少納言」明治24-25(1891-1892)頃 絹本彩色 130×66 北野美術館
④の 図31(カラー)あり。
(2)「美人巻(掲)簾」明治27(1894)
⑥の 年譜p87に「日本美術協会展(略)二等褒状。」の記述あり。
(3)⑥の記述より、同テーマ(清少納言)と考えられる。
図・写真等の載っている資料は確認できず。
(3)「清女?簾之図」明治28(1895) 絹本着色 130.4×66.0 北野美術館
⑤の 図3(カラー)あり。
⑥の 図2(カラー)、下記の記述あり。
「平安中期の女流文学者・清少納言の『枕草子』に取材したもの。雪の降り積もった日、中宮定子のまわりで女房たちが物語などに興じていたとき、中宮の「少納言よ、香炉峰の雪いかならん」とのお尋ねに、清少納言はすぐさま御簾を高く掲げたので、皆の称賛するところとなった。」
「この前年にも同テーマで制作している。」
年譜 p87に「第四回内国勧業博(略)褒状。」の記述あり。
⑨p329では本人が ≪清少納言≫ と記している。
(4)「雪月花」昭和12(1937) 絹本着色 三幅 158×54 宮内庁三の丸尚蔵館
⑥の 図25(カラー)、下記の記載あり。
「この作品は貞明皇后の依頼画である。」「「雪」は《清女?簾之図》(図2)とおなじく清少納言『枕草子』に取材したもの」
年譜 p93に「皇太后御用命画《雪月花》三幅対が完成し、京都啓中の皇太后に上納」の記述あり。
⑦57pにもカラーの図と「雪月花」についてのエピソードもあり。
この他にもいくつかの資料に掲載されていた。
(5)「清少納言」大正10(1921) 紙本着色 57.6×42.4
③『美術画報』所載図版データベース で 『美術画報 四十五編巻二(1921年12月30日)』 に掲載されているもの(白黒)を閲覧できる。
(6)「清少納言」昭和初期 紙本着色 57.6×42.4
⑤の 図131(白黒)あり。
図390の素描は 図131 と同じ構図。
(7)「清少納言」昭和19(1944)
⑧ p27 図(白黒)あり。
(6)⑤と似ているが詳細は確認できず。
(8)⑨p231に下記の記述あり。
「大正六、七年頃、京都の林新助氏の何かの記念展覧会に描いた清少納言の図は、確かに三尺か三尺八寸くらいの竪幅だったが」
図・写真等の載っている資料は確認できず。
(1)(3)はカラーで左向き見返りで御簾を掲げている構図で大きさ図とも同じに見える。
(5)は白黒で構図は(1)(3)と同じだが、髪の流れなどが違う
(6)(7)は白黒で構図は(1)(3)と逆向き(右向き)
(4)は(1)(3)(5)(6)と違い、御簾の前側からの構図でまったく違ったものである。
(2)(8)は確認できず。