レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年11月15日
- 登録日時
- 2022/10/20 19:14
- 更新日時
- 2022/11/21 14:42
- 管理番号
- 中央-1-0021589
- 質問
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解決
目に見えない現象を可視化すること(たとえば、光・音・意識・時間などのうちどれでも)について書かれている書籍を探している。美術書や哲学書などにあたるかとは思うが、調査援助してほしい。
- 回答
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以下の資料およびインターネット情報を紹介した。
●哲学分野
・『岩波講座哲学 07 芸術/創造性の哲学』飯田隆[ほか]編集委員 岩波書店 2008年
p41-63 想像力と形(北村知之/著) に関連記述あり。一部記述を取り上げる。
p55「知覚であれ想像であれ、われわれが意識するところの対象の形象(イメージ)をわれわれにもたらすもの、それが想像力なのである。」
p58「想像力とは対象の実在性に関わることなく形象を形成する能力である。この能力は日常的に発揮されているものであるが、それが創造的な形で主題化された営みこそが芸術である。」
・『目に見えないもの』星の王子さまと10人の探究者たち/著 講談社 2013年
12の「目に見えないもの」について、星の王子さまが探究者と対話するという形で説明する本。例えば、p10~23「時間」の章では、生命科学者の上田泰己氏、物理学者の村山斉氏、宗教学者の釈徹宗氏がそれぞれ対話形式で時間について説明している。
その他のテーマはゼロ、運、ユーモア、放射線、神さま、常識、うそ、オバケ、幸せ、記憶、愛となっている。
・『霊魂の文化誌 神・妖怪・幽霊・鬼の日中比較研究』諏訪春雄/著 勉誠出版 2010年
p207-215「幽霊の可視化」という項目あり。幽霊が人の形をそなえて夢の中に出現することや、シャーマニズムの憑霊型などについて記述がある。
●芸術分野
・『ART GALLERY テーマで見る世界の名画 10』青柳正規/監修 木島俊介/監修 中野京子/監修 集英社 2018年
p4 象徴と寓意(伊藤博明/著) に関連記述あり。(以下一部抜粋)
“古来人間は、感情、理念、学芸など、目に見えないものを具体的に表現しようとしてきた。それは、造形芸術において、象徴と寓意という方法によって達成された。”
また、p77-85 「象徴と寓意」の系譜(伊藤博明/著) にも記述がある。(以下一部抜粋)
“「寓意(アレゴリー)」とは、語源的にはギリシャ語の「アレゴリア(別の仕方で話すこと)」にさかのぼり、「不可視のもの」を「可視的なもの」とする方法として、古代の人々によって美術作品だけではなく、文学作品においても用いられた技法である。”
この資料は画集であり、世界の名画を解説する内容が大半だが、上記の内容含め関連すると思われる記述もある。
・『日本の美を語る』高階秀爾/編著 青土社 2004年
p261~「光の造形化をめぐって」という項目あり。建築や絵画における「光」の扱いについて、建築家の磯崎新氏含む三人が対談形式で語っている。
この他にもp237~「水の感覚と表現」、p287~「間」などの項目あり。
●科学技術分野
・『感性の科学 心理と技術の融合』都甲 潔/編著 坂口 光一/編著 朝倉書店 2006年
p64~73「静止画像における時間・動き・速度感」という項目あり。
p65~66「3.2.2絵画の中の時間に関する実験的検討」では、「芸術作品、とりわけ時間を直接表現しない静止した平面作品に、どのような時間を感じ、それは表現のどういう側面に依拠しているのだろう」という問いが提示され、それに関する実験の概要が記されている。その後もp71-72「3.2.6 速度感の知覚と表現」などの項目あり。
また、p146~「食感性の可視化」には味などを数値化する技術について記述がある。
・『可視化情報学入門 見えないものを視る』可視化情報学入門編集委員会/編 電機大学出版局 1994年
水や空気の流れなど、見えないものを視る科学としての「可視化情報学」について、概要やその技術を解説している。
・『流れの可視化』日本流体力学会/編集 朝倉書店 1996年
流体力学の分野の著書。水流や気流、衝撃波などは写真技術の進歩によって可視化できるようになったと述べ、それらの写真に対して解説を行っている。
・『においと味を可視化する 化学感覚を扱う科学技術の最前線』都甲潔/著 中本高道/著 フレグランスジャーナル社 2017年
においや味を記録するロボットの開発やその技術などについて述べられている。
・「音の可視化技術」尾本章、中原雅考、高島和博/著
『映像情報メディア学会誌』Vol.65 No.4 (通号 751号) 2011年 p.453~458
https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej/65/4/65_453/_pdf(2022.10.20最終確認)
音を可視化することについての技術的な論文。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 哲学 (10 10版)
- 芸術.美術 (70 10版)
- 技術.工学 (50 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 可視化
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000322834