レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年04月18日
- 登録日時
- 2016/05/02 13:54
- 更新日時
- 2022/06/02 17:08
- 管理番号
- 20160502
- 質問
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解決
「関東御免の津軽船」とはどういうものか
- 回答
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鎌倉時代後期、幕府により免税特権を付与された御用船のことです。津軽十三湊まで航行したのでこの名が生じたといわれています。
安東氏の支配下にあったとする説と、安東氏とは無関係で、あくまで日本海の各港津から津軽に往来する北条得宗領の廻船の意と解すべきだとする説があります。
関東御免津軽船について記した資料のほとんどが、『大乗院文書』の1306(嘉元4年)、関東御免津軽船が北海の鮭及び小袖を満載して、越中放生津から能登をめぐって越前の三国湊付近にある佐幾良湊に来航した記録を取り上げており、
・「この船は、恐らく北条氏の得宗領であった若狭と津軽を往来する船であり、そのために特別の保護を得ていたのであろう」
・「(若狭の)小浜と十三港の間を往来する船が、関東御免の津軽船といわれて二十艘あった」
・「関東御免というのは北条氏御免の意味であり、北条氏は自己の直轄領(得宗領)内の湊にある商船に常にこのような免許状を与えていたのであろう」
というような記載があります。
- 回答プロセス
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①東北、北海道の中世を扱った本を見る。
②日本の流通史、海運史の本を見る
③これまで見つかった本の参考資料を見る
④中世の遍歴している人々や、非農業民を扱った本を見る。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 商業史.事情 (672 9版)
- 交通政策.行政.経営 (681 9版)
- 参考資料
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- 『日本交通史辞典』丸山雍成/編 吉川弘文館 2003年 【R 682.1】 P571
- 『豊田武著作集 第3巻』 豊田武/著 吉川弘文館 198301 【672.1】 P25~26,P382~383
- 『豊田武著作集 第8巻』 豊田武/著 吉川弘文館 1983年 【210.4】 P418,468~471,P483~485,525
- 『中世東北の武士団』 佐々木慶市 名著出版 1989年
- 『中世北方の政治と社会』大石直正/著 校倉書房 2010年 【212】 P164
- 『日本の中世 5』網野善彦/編 中央公論新社 2002年 【210.4】 P140
- 『よみがえる中世 4』 平凡社 1989年 【210.4】 P85~86
- 『日本交通史』児玉幸多/編 吉川弘文館 1992年 【682.1】 P95
- 『網野善彦著作集 第5巻』 網野善彦/著 岩波書店 2008年 【210.4】 P287~290
- 函館市史 デジタル版 http://archives.c.fun.ac.jp/hakodateshishi/tsuusetsu_01/shishi_03-01/shishi_03-01-03-00-01.htm (2016年4月18日確認)
- キーワード
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- 津軽船
- 関東御免津軽船
- 安藤氏
- 安東氏
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000191827