レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年02月16日
- 登録日時
- 2021/02/16 15:50
- 更新日時
- 2021/02/18 13:13
- 管理番号
- B2021口頭0201
- 質問
-
解決
明治時代の文献に、繭を詰めたかごの話が出てくるが、繭の個数と重さの関係がわからない。繭1個の重さ(繭全体または糸になる部分だけの重さ)がわかる資料はないか。
- 回答
-
蚕の繭の平均的な重さを知ることができる資料として、資料1、資料2およびインターネット情報1を紹介します。明治期と現在では、繭の重さは大きく異なるようです。
【 】内は当館の請求記号です。
インターネットの最終アクセス日は2021年1月15日です。
資料1
日本蚕糸学会 編. 蚕糸学入門. 改訂. 大日本蚕糸会, 2002.3 【RB231-G10】
「1章4. 2)養蚕技術の進歩」(pp.18-20)に明治時代から2002年頃までの平均的な繭重が記載されています。以下、本文の抜粋です。
「明治時代の蚕品種は,繭を作るまでにおよそ35日を要し,1.2g程度の繭を作り」(p.19)
「1921(大正10)年頃には箱当たり収繭量が約20kgに達しており,このころの蚕品種はおよそ29日で繭を作り,繭重は1.6g強」(p.19)
「1931(昭和6)年頃には箱当たり収繭量が24kg程度まで向上しており,このごろの蚕品種は28~29日で,1.7g前後」(p.19)
「最近の蚕品種はほぼ23日で,2.2g程度の繭を作り」(p.20)
資料2
世界大百科事典. 4 (オ-カイ). 改訂新版. 平凡社, 2007.9 【UR1-J7】
「カイコ 蚕」(pp.536-538)の項目の[品種改良](p.536)に「在来種の繭層重は0.15~0.2gであったものが現在0.6g程度となり」という記述があります。また、「表2-蚕品種の進歩(春蚕用品種)」に1751年から1979年までの、年代ごとの繭層重が記載されています。
インターネット情報1
Silk New Wave(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)( http://www.naro.affrc.go.jp/archive/nias/silkwave/hiroba/silk_wave.htm )>『はじめてシルクを作る人のほん -製糸技術の基礎知識-』日本製糸技術経営指導協会(平成5年)>Ⅳ 製糸原料繭とその品質 -シルクのもと-
( https://www.naro.affrc.go.jp/archive/nias/silkwave/hiroba/Library/SeisiKiso/chapter4.htm )
「1. 繭糸と繭の構成」の最後に「繭や繭層の重量はカイコの品種や育った環境等によって異なるが、平均的な生繭重はほぼ2.0g、繭層重はほぼ0.5g」という記述があります。
国立国会図書館提供調べ方ページ「リサーチ・ナビ」内の調べ方案内でも、繊維技術および繊維・アパレル産業に関する調べ方を紹介していますので、あわせてご覧ください。
・繊維技術について調べる( https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-honbun-400300.php )
・繊維・アパレル産業の調べ方( https://rnavi.ndl.go.jp/business/entry/post-22.php )
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- まゆ (638 10版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 蚕
- 繭重
- 繭層重
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 科学技術
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000293864