レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年05月14日
- 登録日時
- 2021/05/14 11:41
- 更新日時
- 2021/05/20 10:52
- 管理番号
- B2021口頭0501
- 質問
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解決
バナナと異なり、なぜブドウは追熟しないのか知りたい。
- 回答
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ブドウとバナナの追熟について解説している資料として、資料1から資料3まで、およびインターネット情報1を紹介します。
【 】内は当館の請求記号です。
インターネットの最終アクセス日は2021年4月9日です。
資料1
杉浦明, 宇都宮直樹, 片岡郁雄, 久保田尚浩, 米森敬三 編. 果実の事典. 朝倉書店, 2008.11 【RB2-J19】
「4.美味しさと栄養成分・機能性成分」「4.1 美味しさと熟度・食べ頃」のpp.37-39「4.1.2 成熟・追熟とエチレン」に、「果実は植物ホルモンであるエチレンを生成し成熟するクライマクテリック型果実とその成熟にエチレンが関与しない非クライマクテリック型果実に大別される」こと、「前者の果実群は収穫後にも顕著な追熟現象を示すが、後者の果実群は非追熟型とされごく弱い追熟現象を示すだけである」ことが記述されています。解説中ではバナナがクライマクテリック型、ブドウが非クライマクテリック型として紹介されています。
資料2
吉田義雄, 長井晃四郎, 田中寛康, 長谷嘉臣 編. 最新果樹園芸技術ハンドブック 普及版 朝倉書店, 2006.2 【RB2-H77】
「14.果実の生理」「14.2 成熟の生理」のpp.186-187「(1)果実の成熟のタイプ」に、果実の成熟の性質として、光合成同化産物を一度デンプンにして多量に貯蔵するものは未熟果で樹からとっても追熟中に糖度が増すが、あまり蓄えないものは収穫後ではほとんど糖度が増加しないこと、またエチレン発生による呼吸の急激な上昇に伴って、果実が成熟する現象であるクライマクテリックライズを示すものと示さないものがあることが説明されています。バナナはともに前者の果実として、ブドウはともに後者の果実として紹介されています。
資料3
果実の機能と科学 (食物と健康の科学シリーズ). 朝倉書店, 2011.12 【RB161-J19】
「2.果実の成熟生理と生化学」のpp.20-21「2.1果実の成熟とエチレン」に、果実の成熟特性がクライマクテリック型とノンクライマクテリック型の2つに分けられること、バナナがクライマテリック型に、ブドウがノンクライマクテリック型に分類されること、クライマクテリック型果実では、収穫後に追熟や後熟と呼ばれる成熟現象が起こることが記載されています。
インターネット情報1
ルーラル電子図書館( https://lib.ruralnet.or.jp/ )>農業技術事典(NAROPEDIA)( https://lib.ruralnet.or.jp/nrpd/ )
「追熟」の項目に、追熟するクライマクテリック型の果実としてバナナが紹介されており、追熟の仕組みが解説されています。関連項目である「クライマクテリック」の項目ではノンクライマクテリック型の果実としてブドウが紹介されています。
国立国会図書館提供調べ方ページ「リサーチ・ナビ」内の調べ方案内でも、野菜・果樹に関する調べ方を紹介していますので、あわせてご覧ください。
・野菜・果樹の栽培方法について調べる
( https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-honbun-400316.php )
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 果樹園芸 (625 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 果実
- 果樹栽培
- 追熟
- クライマクテリック
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 科学技術
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000298267