『那須疏水百年史』(那須疏水百年史編さん委員会/編 那須疏水土地改良区 1985)に掲載された情報を元に調査したところ、以下の資料に参考となる数値を確認しました。
・『那須疏水に於ける開田と水利慣行』(関東東山農業試験場農業経営部/編、発行 1961)
昭和35年2月の実態調査の結果をまとめた資料です。この資料の数値から「那須疏水による水田面積の推移」の表が作成され、前掲の『那須疏水百年史』(p.412)を含めた複数の資料に引用されていました。
「那須疏水による水田面積の推移」の表には、大正2年から昭和33年までの情報が分水別にまとめられています。
・『西那須野町郷土資料館紀要 第3号』(西那須野町郷土資料館/編、発行 1986)
p.1-20「那須野ヶ原の水利秩序と今日的課題」(五味仙衞武/著)が掲載されています。
p.2「表1 那須野ヶ原の水田面積の推移」に大正6年から昭和60年までの情報が地域別にまとめられています。
この表の出典として以下の『栃木県統計書』や『農業センサス』が挙げられています。
なお、この「表1 那須野ヶ原の水田面積の推移」は他の複数の資料にも引用されています。
・『栃木県統計書』(栃木県/編、発行)
栃木県の統計課が発行する統計資料です。
農業に関する項目の中に、市町村別の農家数や耕地面積の情報があります。
当館では明治20年から昭和29年刊までを所蔵しています。(欠号多数)
なお、昭和30年度からは『栃木県統計年鑑』に名称を変更し、刊行が続いています。
『栃木県統計年鑑』は昭和30年度から現在まで全ての年度の資料を所蔵しています。
・『農業センサス』(農林省統計調査部/編、発行)
農林業に関する項目を網羅的に調査した結果をまとめた統計資料です。
1950年(昭和25年)から5年ごとに実施されており、当館でも昭和25年から所蔵しています。
年度により『世界農林業センサス』、『農林業センサス』、『栃木県統計書』の名称で所蔵されています。
・『那須疏水』(田島董/編 那須疏水土地改良区 1956)
p.82-83「那須原疏水分配願」に「疏水分配表」があり、明治18年5月時点でどのくらいの面積に水の分配が求められていたかを確認できます。
p.123-125「那須疎水普通水利組合規約」の「第三条」に「区域反別配水量」を定めた表を確認しました。
・『那須疏水写真百年史』(那須野ケ原開拓史研究会/編、発行 1985)
p.106「2.国営那須野原開拓建設事業の計画」「1.計画の要旨」に「受益面積一覧表」があります。
表に年代の記載はありませんが、事業完成時の受益面積を表したものであると思われます。
事業完成予定年度は「昭和48年度」(p.107)とあります。
・『那須疏水周辺の農業動向』(関東農政局栃木統計情報事務所西那須野出張所/編、発行 1986)
「那須野が原開拓事業の狭義(那珂川、箒川を挟む)地区の那須疏水の分水によって、特に影響を受けた集落をも含めた農業構造を統計表、図表によって構成」した資料です。
昭和35年から昭和60年までの農家戸数、耕地面積等についてまとめた図表が掲載されています。
・『栃木県土地改良史 増補版』(栃木県土地改良事業団体連合会/編、発行 1989)
「第1編 土地改良事業」「第2章 那賀川水系の土地改良事業」「第1節 戦前における開発と耕地事業」の中に那須疏水に関する記述があります。(p.183-204)
また、「第2節 戦後の土地改良事業」の中にも「国営那須野原総合農地開発事業」の記述があります。(p.209-219)
・『栃木県史 通史編8』(栃木県史編さん委員会/編 1984)
「第一編 那須野が原開拓」「第五章 那須疏水と水利秩序」の項に那須疏水に関する記述があります。(p.201-269)
「5-16 那須疏水の配水表」からは、明治19年3月時点の配水総面積が確認できます。