レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2022/2/25
- 登録日時
- 2022/03/30 00:31
- 更新日時
- 2024/03/30 00:42
- 管理番号
- M22030313415228
- 質問
-
横溝正史著『壺中美人』内に金田一耕助の朝食として、「いちごクリーム」の記載がある。いちごクリームとはどのような食べ物か。いちごクリームについて書かれているものがあれば見たい。
- 回答
-
①『金田一耕助語辞典』に「いちごクリーム」の項があり、「「壺中美人」に登場する金田一耕助の朝食メニュー。今なおどんなレシピなのかまったくわかっていない謎の食べ物だが、(中略)複雑なレシピではなく単にイチゴにコンデンス・ミルクをかけただけの食べ物だった可能性が高い。」と記載されている。
②『壺中美人』の文章中には、「昭和二十九年のものうい、けだるい四月五日のことである。」と時代背景についての情報が記載されており、それよりも古い時代ではあるが、昭和13年5月発行の『栄養と料理』に、「苺の種類と頂き方」という記事が掲載されており、「2 苺クリーム」として、「來客の節には苺クリームが結構です。(中略)美味しく頂きますには、ホイップクリームを泡立てゝ粉砂糖と合せて、タップリかけて頂きます。」と記載されている。
③『イギリス菓子図鑑』に「ストロベリー・クリーム」の項があり、テニスの四大国際大会のひとつ「ウィンブルドン」の名物に「ストロベリー・クリーム」があると紹介されている。ストロベリー・クリームは、「イチゴに生クリーム(シングルクリーム)をかけた、ごくごくシンプルなもの」と説明されており、作り方も記載されている。ただ、ストロベリー・クリームの始まりについては定かでなく、「一説によると、ジョージ5世により20世紀初期に広まったとされる。」と記載されている。
④『イギリスお菓子百科』にいちごを使ったデザートの「イートンメス」の項があり、「イギリスのいちごの旬は5月末から7月にかけてのまさにイギリスのサマーシーズン」と説明がある上で、6月末に始まるウィンブルドンのテニス選手権が行われる会場の名物に「ストロベリー&クリーム」が紹介されており、これは「いちごに泡立てない生クリームをかけたもの」であると記載されている。ウィンブルドンがスタートしたのは1877年(明治10年)で、いちごの屋台が初めて登場したのが1953年(昭和28年)であるが、そこに生クリームが加えられたのは1970年代(昭和45年)に入ってからのことであると説明されている。」
⑤『仏英独=和〈新〉洋菓子辞典』に「fraise[フレーズ]」の項があり、「苺(→fraisier)の実.(中略)デザートとして,生のままや砂糖や生クリームをかけたり,アルコールに浸したりして食する.」とあり、苺と生クリームの組み合わせについて記載されている。
⑥『向田邦子全集 4』所収の小説「寺内貫太郎一家」には「11 梅雨の客」の項があり、文章の一部に「里子が苺クリームを配った。目で苺の粒を数えながら、(中略)直子が苺をつぶしながら言った。」と書かれている。ただし、クリームについてはどのような種類のものなのか書かれていない。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 食品.料理 (596 9版)
- 参考資料
-
-
①木魚庵『金田一耕助語辞典』 誠文堂新光社,2020,191p. 参照はp.27.
②銀座・千疋屋「苺の種類と頂き方」『栄養と料理』第4巻第5号,1938.5,p.45.(女子栄養大学「栄養と料理デジタルアーカイブス」)http://www.eiyotoryoris.jp/articles/1030/ <最終確認2022.2.18>
③羽根則子『イギリス菓子図鑑』 誠文堂新光社,2015,239p. 参照はp.184-185.
④安田真理子『イギリスお菓子百科』 ソーテック社,2018,287p. 参照はp.110-111.
⑤千石玲子『仏英独=和〈新〉洋菓子辞典』 白水社,2012,6,549p. 参照はp.159.
⑥向田邦子『向田邦子全集 4』 文藝春秋 ,2009,287p. 参照はp.249.
-
①木魚庵『金田一耕助語辞典』 誠文堂新光社,2020,191p. 参照はp.27.
- キーワード
-
- いちごクリーム
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2022030313473415228
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢, 高校生, 中学生
- 登録番号
- 1000314284