レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/08/15
- 登録日時
- 2018/03/15 00:30
- 更新日時
- 2022/03/02 15:25
- 管理番号
- 千県中参考-2017-22
- 質問
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解決
調理器具に花柄が描かれるようになった時期について調べたい。
流行は1970年代前半ではないかと思う。調理器具会社の社史などに載っているのではないか。
新聞広告は自分でデータベースを閲覧して探すので、他の資料を知りたい。
- 回答
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県立図書館蔵書では【資料1】から【資料4】、インターネット情報源では【資料5】【資料6】に情報が見つかりました。
【資料1】『図説東京流行生活』p. 126-127「家中に花を咲かす」
→「昭和三〇年代後半、食器類に始まった花柄模様のブームは」から始まる、花柄ブームの概説あり。魔法瓶、ジャー、食器等を写真付きで紹介。文献の情報は見当たらない。
【資料2】『日本の魔法瓶』p. 132-134「花柄卓上ポットの躍進」
【資料3】『タイガー魔法瓶70年のあゆみ 1923-1993』p. 83、p. 94-、p. 126等
【資料4】『60s日本の雑誌広告』
p. 126 日陶産業 チャイナマホー瓶(1966年)、p. 157 松下電器 ナショナル冷蔵庫(1967年)
【資料5】「花柄の“魔法瓶”登場から50年、高度成長期の花柄はなぜ流行したのか」
→「花柄デザインの歴史を調査したことがある江戸東京たてもの園(東京都小金井市)の新田太郎園長によると、1960(昭和35)年にヒゲタ醤油(東京都中央区)がお歳暮広告のなかに、花柄を印刷した贈答用醤油缶の写真を使っていた。新田園長は「このあたりの時代から、食品や洗剤の容器などに花柄を採用するケースが増えてきた」と話す」
【資料6】「東京流行生活展」(江戸東京博物館)
→2003年9月13日〜11月16日の展覧会のページ。「昭和30年代後半から50年代前半の「花柄ブーム」のころの製品。食器類に始まった花柄模様のブームは、贈答用の調味料や洗剤の缶に広がり、昭和42年(1967)年の花柄魔法瓶の登場、45年の電子ジャーの発明に始まって大ブームとなり、ブームは洋服から家具類に及んだ。炊事用品メーカーの各社は、ホーロー鍋や米びつ、食器などと合わせた柄を発売。花柄を中心にさまざまな柄をデザインした。」
(インターネット最終アクセス:2021年12月23日)
回答後、【資料7】『象印マホービン70年史 1918~1988』の寄贈がありました(2017年9月20日受入)。
p. 98-100に「華やかさへの幕開き-花柄ブーム」があります。
- 回答プロセス
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(1)千葉県立図書館「図書・雑誌・視聴覚資料検索」(https://www.library.pref.chiba.lg.jp/licsxp-iopac/WOpacMnuTopInitAction.do)
件名「料理器具」、検索対象図書館「中央図書館」により検索。
利用者とともに下の資料ほか数冊にあたるが、該当記述は見当たらなかった。
『料理器具』(真珠書院 1999 新・食品事典)(0105478851)
『日本人の調理器具』(河野友美著 玉川大学出版部 1980 玉川選書)(9103446381)
『鍋・釜』(朝岡康二著 法政大学出版局 1993 ものと人間の文化史)(9101596755)
『にっぽん台所文化史』(小菅桂子著 雄山閣出版 1998)(0105369857)
(2)事前調査資料の確認
見当たらなかったと言われた【資料4】『60s日本の雑誌広告』にも花柄の商品が見つかったので、提供する。
(3)インターネット上の情報源
検索エンジン「Google」で、「花柄」と「調理器具」「鍋」「台所用品」と「流行」「高度成長期」「昭和」等のキーワードを掛け合わせ検索し、【資料3】『タイガー魔法瓶70年のあゆみ 1923-1993』、【資料7】『象印マホービン70年史 1918~1988』、【資料5】「花柄の“魔法瓶”登場から50年、高度成長期の花柄はなぜ流行したのか」の情報を得る。また、検索結果から「江戸東京博物館」のキーワードを得て、「江戸東京博物館 花柄」により検索し、【資料6】「東京流行生活展」の情報を得る。
(参考にした情報源)
「ほぼ日刊イトイ新聞 江戸が知りたい。東京ってなんだ?! テーマ8 花柄が流行った!」(株式会社ほぼ日)(https://www.1101.com/edo/2003-10-31.html)
→学芸員「新田」氏によると「昭和41年、ナショナル魔法瓶って会社が、初めて花柄のポットを出す」。
連載を遡ると、「新田」氏は江戸東京博物館学芸員の新田太郎氏と見られる。
「「ほぼ日刊イトイ新聞 江戸が知りたい。東京ってなんだ?! テーマ7 ~戦中から戦後へ~代用品とジュラルミン。」(株式会社ほぼ日)(http://www.1101.com/edo/2003-10-24.html)
凸版印刷株式会社印刷博物館ライブラリー「花柄家電(魔法瓶など)が昭和41年頃から出てきたようだが、なぜその時代からなのか。印刷技術のせいなのか?実際にどのような技術が使われたのか。」(レファレンス協同データベース)(https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000153078)
→【資料3】『タイガー魔法瓶70年のあゆみ 1923-1993』、【資料7】『象印マホービン70年史 1918~1988』や印刷関係図書を挙げている。
(4)千葉県立図書館「図書・雑誌・視聴覚資料検索」(再)
著者「新田 太郎」により検索、【資料1】が見つかる。
件名「魔法瓶」により検索、【資料2】が見つかる。
件名「家庭電器」により検索、下の資料にあたるが、該当記述は見当たらなかった。
『あこがれの家電時代』(清水慶一著 河出書房新社 2007 らんぷの本)(1102053349)
『リビング百科』(電波新聞社 1973)(9104376700)
『家電製品にみる暮らしの戦後史』(久保道正編 ミリオン書房 1991)(9100321650)
『家庭電気機器変遷史』(家庭電気機器変遷史編集委員会編 家庭電気文化会 1983)(9103426496)
『家電今昔物語』(山田正吾著 三省堂 1983)(9103426530)
- 事前調査事項
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インターネット検索では、1967年に花柄の魔法瓶が出て、ヒットしたとの情報を得た。
『日本の制服150年 イラストで見る制服のデザイン』(渡辺直樹著 青幻舎 2016)(1102440404)p. 127に花柄の鍋を持つ人物のイラストがあり、「高度成長期」とある。
『70s日本の雑誌広告』(ピエ・ブックス 2007)では1970年の広告があったように記憶している。
『60s日本の雑誌広告』(【資料4】)も閲覧したが、見当たらなかった。
- NDC
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- 事務機器.家庭機器.楽器 (582 9版)
- 電灯.照明.電熱 (545 9版)
- 衣食住の習俗 (383 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『図説東京流行生活』(新田太郎,田中裕二,小山周子著 河出書房新社 2003 ふくろうの本)(0105775097)
- 【資料2】『日本の魔法瓶』(「日本の魔法瓶」編集委員会編 全国魔法瓶工業組合 1983)(9103497424)
- 【資料3】『タイガー魔法瓶70年のあゆみ 1923-1993』(タイガー魔法瓶 1993)(0105075670)
- 【資料4】『60s日本の雑誌広告』(ピエ・ブックス 2010)(1102238334)
- 【資料5】「花柄の“魔法瓶”登場から50年、高度成長期の花柄はなぜ流行したのか」(具志堅浩二取材・文)(https://news.yahoo.co.jp/articles/bdbc6db2d1b627a5c36d50ff9d6c05b37390105f)
- 【資料6】「東京流行生活展」(江戸東京博物館)
- 【資料7】『象印マホービン70年史 1918~1988』(象印マホービン株式会社七〇年史編集委員会編 象印マホービン 1989)(0106580706)
- キーワード
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- 料理器具(リョウリ キグ)
- 家庭電器(カテイ デンキ)
- 食生活(ショクセイカツ)
- 魔法瓶(マホウビン)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000232510