レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2006/06/03
- 登録日時
- 2006/08/09 02:10
- 更新日時
- 2012/04/03 16:47
- 管理番号
- C2006M0650
- 質問
-
未解決
機械類等の輸送に使用される乾燥剤(材)または包装剤の使用量。輸送の分野に限った資料がなければ、全体の生産量や出荷量のデータでよい。
インターネットで調べたところ、輸送に使われる乾燥剤のことを「包装用乾燥剤」と呼んでいるサイトもあった。また、「包装資材」の一種としても位置づけられるのではないか。
- 回答
-
調査に先立ち、「包装剤」という語で当館蔵書検索・申込システム (NDL-OPAC)の雑誌記事索引検索(http://opac.ndl.go.jp/Process )で雑誌記事を検索したところ、書誌情報を得ることができませんでした(「包装材」では、2001年以降分で198件が表示されます)。そのため、ここでは「包装材(料)」という観点から、乾燥剤または防湿機能を有する包装材の生産量に関する調査を行いました。
また、乾燥剤、包装材とも、調査の限り、機械類の輸送に限定した使用(生産・出荷)量等のデータを掲載した資料等を確認することはできませんでした。そのため、以下の記述は、用途を問わない場合に関するものとなっております。以上の点につき、あらかじめご了承ください。
1.乾燥剤
ご指摘いただいたとおり、『包装の事典』(日本包装学会編 朝倉書店 2001 当館請求記号NB141-G14)の「4.5.1乾燥剤の種類と 特性」(pp.179-180)において、主要な乾燥剤としてシリカゲル、モンモリロナイト、塩化カルシウムおよび生石灰の4種類が示されております。
これらの各物質について、『14906の化学商品』(化学工業日報社 2006 当館請求記号PA2-H66)を参照いたしました。本書は、個々の主要化学商品について、その性状、用途、製法、生産、価格等を簡潔にまとめており、上記4種類のうちモンモリロナイトを除く物質について、 「生産」の項に次のとおり記載があります。しかし、シリカゲル(二酸化ケイ素)および塩化カルシウムについては輸出入量のみ記載されており、調査の限り、生産量のデータは確認することができませんでした。
・シリカゲル(pp.103-104) 2004年 輸出=38,777,861kg
輸入=73,419,853kg
・塩化カルシウム(p.26) 2004年 輸出= 6,101,161kg
輸入=18,208,486kg
・生石灰(p.80) 2004年 8,506,941t
輸出=446t 輸入=2,549t
この他、やや古い資料ですが、「乾燥剤の市場動向」(『機能材料』 Vol.13(11) 1993.11 pp.44-49 当館請求記号Z14-909)があり、各種乾燥剤の市場動向、価格、メーカー等が紹介されておりますが、 「使用量」としては、乾燥剤のうち濃硫酸および合成ゼオライトの消費量のデータ(前者は1985-1992年、後者は1988-1992年)が掲載されているにとどまります。
2.包装材
包装材の生産・出荷量に係る統計情報として、(社)日本包装技術協会:平成16年日本の包装産業出荷統計(『包装技術』506 2005.6 pp.3-16 当館請求記号Z17-556)があり、ここでは、各種包装資材・容器・機械について、品目別に2000年から2004年までの各年における生産・出荷量に関する統計データ(量および金額)がまとめられております。また、1989年から2004年に至る16年間の生産・出荷金額の推移を示すグラフも掲載されております(p.15)。
このうち、「平成12年~平成16年包装資材・容器出荷金額原材料別総括表」および「平成12年~平成16年包装資材・容器出荷数量原材料別総括表」については、同協会ホームページ (http://www.jpi.or.jp/toukei/toukei.htm )でも参照することが可能です。また、『包装環境便覧』(植田和弘〔ほか〕編 サイエンスフォーラム 1994 当館請求記号EG274-G2)の第1章第1節(包装廃棄物問題の現状とその取り組み)中「2.1 包装資材の使用状況」(pp.21-22) において、「わが国の包装資材容器出荷量の推移」および「わが国の包装資材出荷量の素材別組成の推移」に関するグラフが掲載されております。
しかし、この統計においては乾燥・防湿機能に関連する品目の記述は見当たりませんでした。
また、乾燥、防湿効果を有する包装材料(包装剤)という点に着目して、科学技術振興機構(以下「JST」という。)作成の有料契約データベース「JDreamⅡ」を検索したところ、次の文献が表示されました。
・細貝耕一: 高性能乾燥剤カラハリドライについて(特集 防錆・ 防湿包装)(『包装技術』378 1994.10 pp.14-19 当館請求記号Z17-556)
・山村隆ほか:包装用および容器用乾燥剤(『日本包装学会年次大会研究発表大会要旨集』Vol.11 2002 pp.50-51)
このうち、「高性能乾燥剤カラハリドライについて」は、確認した限り、 乾燥剤の使用量等に関するものではありませんでした。また、『日本包装 学会年次大会研究発表大会要旨集』については、NDL-OPACおよびNACSIS-Webcat(http://webcat.nii.ac.jp/webcat.html )を検索の限り、 所蔵情報を確認することができなかったため、内容は未確認ですが、ご参考までにご紹介いたします。なお、JST所蔵資料の複写に関しては、JSTホームページ「複写サービス」の箇所(http://pr.jst.go.jp/copy_s/copy.html )をご参照ください。
この他、『輸送包装技術と材料』(東レリサーチセンター 1998 当館請求記号NB141-G15)、『機能性・環境対応型包装材料の新技術』 (シーエムシー・リサーチ シーエムシー出版 2003 当館請求記号NB141-H3)、『機能性包装入門』(新田茂夫監修 21世紀包装研究会編 日刊工業新聞社 2002 当館請求記号NB141-G16)、『パッケージングマテリアルの現状と将来展望2003年』(富士キメラ総研 2003 当館請求記号DL741-H3)および「特集 輸送包装」(『包装技術』470 2002.6 および『包装技術』508 2005.8 当館請求記号Z17-556)に含まれる各記事を参照いたしましたが、乾燥・防湿機能を有する製品・物質の情報を 得ることはできませんでした。
また、お示しいただいた『包装資材シェア事典』(日本経済綜合研究センター)については、NDL-OPAC、当館総合目録ネットワーク(http://unicanet.ndl.go.jp/ )およびNACSIS-Webcatを検索した限り、所蔵情報を確認することができませんでしたが、ジェトロ・ビジネスライブラリーの蔵書目録データベース (http://opac.jetro.go.jp/search/index.html )を検索したところ、 同ライブラリー(東京)で、2004年版を所蔵されている模様です。2005年版の所蔵情報は見あたりませんでした。
(インターネットの最終アクセス日は2006年5月31日です。)
事例登録時追記
事例作成日時点では見あたらなかった『包装資材シェア事典』の2005年版がジェトロ・ビジネスライブラリーで所蔵されていることを確認。「受入日20060721」とあり。(2006年7月28日確認)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
『日本マーケットシェア事典』、『市場占有率』、『業種別業界情報』、『日本物流年鑑』、『化学工業年鑑』、『統計情報インデックス』、『流通統計資料集』、『工業統計表』、『化学工業統計年報』、レファレンス協同データベース、JRS経営情報(商用データベース)、日経テレコン21(商用データベース)、マガジンプラス(商用データベース)を調べましたが、適当な資料が見つかりませんでした。『包装の事典』には乾燥剤の種類については記述がありました。
『包装資材シェア辞典』(http://www.e-plastics.gr.jp/mediasales/nihon_housousizai2005.html)が出版されていることはわかりました。
- NDC
-
- 化学薬品 (574 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 包装材料
- 乾燥剤
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 公共図書館
- 登録番号
- 1000029879