レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020/10/23
- 登録日時
- 2020/11/03 00:30
- 更新日時
- 2020/11/19 12:47
- 管理番号
- 8339576
- 質問
-
解決
建築士または設計事務所などが行う設計監理業務の業務報酬について、利益率あるいはその内訳(事務経費の割合など)の調べ方を知りたい。
- 回答
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設計監理業務の業務報酬について、利益率あるいはその内訳(うち事務経費の割合など)が掲載されている資料は見当たりませんでした。
「建築士事業所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準」(平成21年国土交通省告示15号)改正の際に、見直しに必要な基礎データを収集するため、建築士事業所向けの実態調査が平成30年2月26日から同年4月27日まで行われました。
この実態調査の一部を紹介したと思われる資料が、国土交通省の「設計、工事監理等に係る業務報酬基準について」のページに掲載されていましたので、参考としてインターネット情報1を紹介します。
なお、総務省の日本標準産業分類(平成25年[2013年]10月改定) によると、設計監理業は「細分類:7421建築設計業」に含まれるようです。
設計監理業そのものではありませんが、建築設計業について、利益率やその内訳(事務経費の割合など)が掲載されているインターネット情報2および資料1、資料2を参考として紹介します。
【 】内は当館請求記号です。
インターネットおよびデータベースの最終アクセス日は2020年10月19日です。
インターネット情報1
設計、工事監理等に係る業務報酬基準について(国土交通省)( https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000082.html )
『建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準について(2019年告示第98号版)』(業務報酬基準検討委員会編 日本建築士会連合会)が掲載されています。
「第4 参考資料」( https://www.mlit.go.jp/common/001272071.pdf )中の「参考資料2 設計業務及び工事監理等業務に係る実態調査について」に「⑥設計・工事監理等部門の総職員数と経理率の関係」(p.166)及び「⑦直接人件費と直接経費・間接経費の関係」(p.167)が掲載されています。
インターネット情報2
中小企業の経営等に関する調査(日本政策金融公庫)( https://www.jfc.go.jp/n/findings/sme_findings2.html )
小企業の経営指標調査が掲載されています。
原則として、総務省の日本標準産業分類に従って業種別に経営指標を掲載しています。
業種ごとに隔年で実施され、建築設計業(建設コンサルタントを除く)を含むサービス業は2019年度調査です。
サービス業 業種別(PDF形式 1.4MB)( https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/sme_findings2_202008_11b.pdf )の11(13コマ目)に、建築設計業(建設コンサルタントを除く)の業種別経営指標が掲載されています。
売上高総利益率(%)、売上高営業利益率(%)、売上高経常利益率(%)、売上高経常利益率(償却前)(%)、人件費対売上高比率(%)、諸経費対売上高比率(%)など収益性を示す経営指標が掲載されています。
資料1
金融財政事情研究会 編. 業種別審査事典. 第7巻. 第14次. 金融財政事情研究会 ; きんざい(発売), 2020.2【D2-M38】
「7027 建築設計事務所」(pp.238-249)に「別表2 建築設計業の経営分析表」(p.249)が掲載されています。
売上高営業利益率(%)、売上高経常利益率(%)のほか、対売上高比率として売上総利益率(%)、材料費(%)、労務費(%)、外注加工費(%)、経費(%)、販売費(%)、一般管理費(%)、販管人件費(%)などが掲載されています。
出典は「TKC経営指標(令和元年版)((株)TKC)より筆者作成」とあります。
資料2
TSR中小企業経営指標. 東京商工リサーチ, [2008]-【YH247-944】(CD-ROM資料)
総務省の日本標準産業分類に準拠し、産業別の標準財務比率を掲載しています。
最新の2020年版は、当館の環境設定が合わないため、確認できませんでした。
2019年版では、[標準財務比率検索]で、業種別の標準財務比率を検索できます。
建築設計業を検索したところ、売上高総利益率(%)、売上高営業利益率(%)、売上高経常利益率(%)、売上高税引前純利益率(%)、売上高純利益率(%)、売上高原価率(%)、売上高販売管理費率(%)などの財務比率を表示させることができます。
(調査済み資料およびデータベース)
・国立国会図書館オンライン( https://ndlonline.ndl.go.jp/ )
・国立国会図書館サーチ( https://iss.ndl.go.jp/ )
・国立国会図書館デジタルコレクション( https://dl.ndl.go.jp/ )
・国立国会図書館インターネット資料収集保存事業( https://warp.ndl.go.jp/ )
・国立国会図書館リサーチ・ナビ( https://rnavi.ndl.go.jp/rnavi/ )
・CiNii Books( https://ci.nii.ac.jp/books/ )
・CiNii Articles( https://ci.nii.ac.jp/ )
・ディープライブラリー( https://dlib.jp/ )
・国土交通省( https://www.mlit.go.jp/ )
・公共建築協会( https://www.pbaweb.jp/ )>「設計・工事監理業務量に係るアンケート調査」の回答手引き( https://www.pbaweb.jp/img/content/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E3%81%AE%E5%9B%9E%E7%AD%94%E6%89%8B%E5%BC%95%E3%81%8D.pdf )(PDFファイル:0.6MB)
※「官庁施設の設計業務等積算基準」及び「官庁施設の設計業務等積算要領」の改定に向けた検討のため、公共建築協会が実施したアンケート調査の回答手引きです。
調査項目の一つに「Q3 直接人件費と直接経費・間接経費等の関係:設計・監理料収入に占める直接人件費、直接経費・間接経費の合計額及び各費目の割合をお答え下さい」(p.3)があるようです。
ただし、(3)注意事項(p.2)に「6)ご記入いただいた情報等は、「官庁施設の設計業務等積算基準」及び「官庁施設の設計業務等積算要領」の改定に向けた検討のみに使用し、国土交通省に提供する場合を除き、貴建築士事務所の同意なくしては第三者に提供いたしません。」とあります。
・日本建築士事務所協会連合会( http://www.njr.or.jp/ )
・日本建築士会連合会( https://www.kenchikushikai.or.jp/ )
・日本建築家協会( http://www.jia.or.jp/ )
・日本建設業連合会( https://www.nikkenren.com/ )
・日本建築構造技術者協会( https://www.jsca.or.jp/ )
・日本設備設計事務所協会連合会( https://www.jafmec.or.jp/ )
・中小企業実態基本調査(中小企業庁)( https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/kihon/index.htm )
・TKC経営指標(BAST) 要約版・速報版(TKCグループ)( https://www.tkc.jp/tkcnf/bast/data )
※BAST速報版(206業種12分析項目)では「建築設計業」の令和2年4月決算-令和2年6月決算における売上高経常利益率(%)が掲載されています。
・TKC全国会システム委員会 編. TKC経営指標. TKC全国会, 2003-2013【YH247-72】
・帝国データバンク 編. TDBキャッシュフロー分析統計. 帝国データバンク, 2019(最新データ編)【Z71-K175】
・全国企業財務諸表分析統計. 帝国データバンク, 62:2018.4-2019.3【Z41-6225】
・日本政策投資銀行設備投資研究所 編. 産業別財務データハンドブック. 日本経済研究所, 2019【Z41-645】
・好調 2019年度決算を振り返る. 日経アーキテクチュア. (1175):2020.9.10. pp.42-51【Z16-943】
※「設計事務所2019年度決算ランキング」(pp.44-49)が掲載されています。設計・監理業務売上高上位109社について、設計・監理業務売上高(百万円)、総売上高(百万円)、営業利益(百万円)、当期利益(百万円)などが掲載されています。
・早分かり!「告示98号」 実態調査を基に略算表を刷新 : 標準業務量を見直し、標準外業務も明確化. 日経アーキテクチュア. (1141):2019.4.11. pp.50-57【Z16-943】
・告示15号改正を追い風に 「隠れた報酬」発掘に生かせ. 日経アーキテクチュア. (1117):2018.4.12. pp.58-64【Z16-943】
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- 回答プロセス
- 事前調査事項
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設計監理業務とは、建築物が設計図どおりに施工されているか監理する業務のことで、建築士法で建築士が行うべき業務である。
また、国土交通省のホームページに、その業務報酬設定の基準に関する告示などが掲載されていることは確認できたものの、実際に受け取れられている業務報酬について、その内訳や利益率を調べる方法については確認できなかった。
国土交通省の告示などの掲載ページ(2020年10月10日閲覧)
「設計、工事監理等に係る業務報酬基準について」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000082.html
- NDC
-
- 建築学 (520 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 建築士
- 設計事務所
- 設計監理業務
- 業務報酬
- 利益率
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 経済社会(レファレンス)
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 公立図書館 図書館
- 登録番号
- 1000289009