レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016年05月12日
- 登録日時
- 2017/02/02 13:06
- 更新日時
- 2020/07/30 15:42
- 管理番号
- 中野0715
- 質問
-
未解決
「腰巻きビル」という用語の初出を知りたい。
- 回答
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当館所蔵の資料・データベースを確認しましたが、「腰巻きビル」という用語のはっきりした初出は判明しませんでした。
「腰巻きビル」という用語を当館所蔵の資料で確認できたのは、『大東京23区散歩』(泉麻人,講談社,2014年,915.6/イズ)です。
このエッセイで、「千代田区 【その一】」の中で「旧館の外皮みたいな部分だけ、新館の下部に巻きつけるように残したスタイルが目につきます。本の腰巻を彷彿とするので、私は<腰巻レトロビル>と呼んでいます。」と著しています。
これは『おとなの週末』7巻4号通巻78号(2009年4月)のp.67~68(中野区立図書館未所蔵)に同様の内容で掲載されたものです。
当館契約のデータベース『聞蔵Ⅱビジュアル』『日経テレコン21』『MAGAZINE PLUS』でも検索し内容を確認しましたが、すでにご確認いただいている朝日新聞2009年3月7日付の記事の「腰巻き保存」が最初となります。
なお、地理学辞典では「腰巻きビル」や「腰巻き保存」はありませんでした。
建築用語辞典で調査すると、「腰巻き」は「土蔵の下部の他部より厚く塗り廻したる部分」という説明になっており、「腰巻きビル」との関連性は薄いようです。
『日本建築語彙〔新訂〕』中央公論美術出版、平成23年(R521.0/ナ)p.146
以下、確認した資料です。
『建築用語辞典』第二版,技報堂出版,1995年(R520.3/ケ)
『図解 建築用語辞典(第2版)』理工学社,2004年(R520.3/ズ)
『改訂 建築施工用語辞典』井上書院,2006年(R525.0/ズ)
『人文地理学事典』人文地理学会,丸善出版,2013年(R290.3/ジ)
『地理学辞典 改訂版』日本地誌研究所,二宮書店,1989年(R290.3/チ)
『最新地理学用語辞典』浮田典良,大明堂,2002年(R290.3/サ)
『現代用語の基礎知識 2010』(R031/ゲ/10)
p.158にて、「腰巻きビル」の一つである東京中央郵便局のことを取り上げるも、いずれの用語も使っていません。
『新・都市論TOKYO(集英社新書)』隅研吾・清野由美,集英社,2008年(518.8/ク東中野所蔵)
p.76より銀行倶楽部などの「腰巻きビル」について語っていますが、いずれの用語も使っていません。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
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「朝日新聞」2009年3月7日朝刊31面、東京中央郵便局建て替えの記事には「腰巻き保存」という用語がある。
- NDC
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- 建築学 (520)
- 参考資料
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泉麻人 著 , 泉, 麻人, 1956-. 大東京23区散歩. 講談社, 2014.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025311541-00 , ISBN 9784062187756
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泉麻人 著 , 泉, 麻人, 1956-. 大東京23区散歩. 講談社, 2014.
- キーワード
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- 腰巻きビル
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000208573