レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年05月25日
- 登録日時
- 2022/03/28 11:54
- 更新日時
- 2022/03/29 10:07
- 管理番号
- 横浜市中央2660
- 質問
-
解決
日本での公衆トイレの発祥は横浜だと聞いたことがあるが、設置の経緯を知りたい。
設置当時のことがわかる資料はあるか。
- 回答
-
明治4年、横浜に83箇所設置し、その後明治12年に浅野総一郎により改良が加えられたことがわかりました。
1 公衆トイレ設置の経緯について
横浜での公衆トイレ設置の経緯について掲載されている資料をご紹介します。
(1) 『調査季報 2号』 横浜市都市経営局政策課 1964.2.20
p.40 「4 横浜市の清掃事業」
明治4年に町会所(今の市役所)の費用によって
83か所の便所を設置したこと、明治12年に浅野総一郎によって63箇所の
便所が改造されたこと等が書かれています。
横浜市政策局のホームページで公開しています。
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/seisaku/torikumi/shien/tyousakihou/2.files/0005_20191120.pdf
(2) 『横浜市史稿 政治編 3』 横浜市役所/編纂 臨川書店 1985
p.538-539 「第10章第1節第4項 共同便所」
1(1)と同様の経緯が書かれています。
(3) 『横浜市史稿 風俗編』 横浜市役所/編 名著出版 1973.10
p.883-889 「六 公同便所(共同便所)」
1(2)の内容をより詳しくしたものです。
注1に83か所の便所の設置場所として、「横浜港小便所分配箇所
(明治5年4月7日横浜毎日新聞所載)」の一覧があります。
(4) 『横浜毎日新聞 第2巻』 不二出版 1992.7
p.18 明治5年4月7日横浜毎日新聞に1(3)に所載されている
「横浜港小便所分配箇所」と同じ一覧が掲載されています。
(5) 『横浜もののはじめ』 横浜市図書館/編 横浜市教育委員会 1976.01
p.42-43 「31 公衆便所」
設置の経緯について他の資料と同様の記述があります。
(6) 『厠まんだら』 李家正文/著 雪華社 1988.5
p.66-75 「開国奇聞」
p.68以降に浅野総一郎により作られたことが詳しく書かれています。
(7) 『浅野総一郎伝』 北林惣吉/著 千倉書房 1930.12
p.198-202 「四、公衆便所の開祖」
(8) 『その男、はかりしれず 日本の近代をつくった男浅野総一郎伝』
新田純子/著 サンマーク出版 2000.11
p.65-69 「横浜に初めて「西洋式公衆便所」を造った男」
2 公衆トイレの発祥について
設置の経緯が書かれた資料のうち、日本で初めて作られた公衆トイレが横浜のもの
であるという記述が確認できた資料をご紹介します。
(1) 『横浜の清掃事業 120年のあゆみ』
横浜市環境事業局/編 横浜市環境事業局 1980.3
p.12-13 「4.横浜の公衆便所」
「明治4年11月、「放尿取締の布告」を出し、即決科料銭100文とし、
同時に、町会所の費用をもって辻々に83ヵ所の「路傍便所」を
新設した。これがわが国初めての公衆便所であるが、4斗樽大の桶を
地面に埋め込み、板囲いをしただけの簡単なものだった。」
その他、明治28年に県から市へ管理とし、浅野総一郎から受け継いだ
高橋安兵衛が請け負っていたが、大正2年7月以降に市の直接管理と
なったことなどが書かれています。
(2) 『図説厠まんだら』
伊奈ギャラリー企画委員会/企画 伊奈製陶東京ショールーム 1984.5
p.57 「公衆便所」
「そこでいまでいう公衆便所がつくられるのだが、この先がけは開化期日本
の表玄関「内外人雑居の地」・横浜。」
(3) 『横浜 ポートタウン―きらめく今 朝日旅の事典』 朝日新聞社 1986.9
p.132-133 「洒落たアール・ヌーヴォー 横浜の公衆トイレ考」
公衆トイレの発祥地として横浜を紹介しています。
(4) 『トイレの研究』 日本トイレ協会/編 地域交流出版 1987.6
p.293-302 「横浜市の公共トイレ(井町忠)」
設置の経緯について他の資料と同様の記述があります。
横浜市の公衆トイレの歴史、公衆トイレの(当時の)現況、設置の
考え方、アンケート調査結果等がまとめられています。
「これが我が国最初の公衆トイレといわれている。」という記述も
あります。
(5) 『トーキングオブザ公衆トイレ』 大島忠剛/著 環境公害新聞社 1989.11
p.23 「わが国の近代的公衆トイレの発祥の地」として横浜を紹介しています。
(6) 『トイレ学大事典』 日本トイレ協会/編 柏書房 2015.9
p.61-64 「公衆トイレの歴史」
開港期の横浜について他の資料同様にまとめられています。
「近代日本における公衆便所のルーツになったといえよう」
と書かれています。
(7) 『週刊東洋経済』2010年4月17日号
p.146 「近代下水道と公衆トイレ発祥の地」
外国人から苦情が多かった、道端の放尿に対し、貿易商らが
設立した横浜町会所の負担で83箇所にトイレが設けられましたが
当時はうまく機能せず、浅野総一郎により西洋式公衆トイレに
改修されたことがコンパクトに書かれています。
(URL最終確認日:令和4年2月25日)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 衛生工学.都市工学 (518 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000314194