レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年2月16日
- 登録日時
- 2021/03/16 15:39
- 更新日時
- 2021/09/18 11:45
- 管理番号
- 中央-1-0021478
- 質問
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解決
アケメネス朝ペルシア帝国からウマイヤ朝期くらいまでの中東において、都市がどのように分布し、生活用水・農業用水がどのように確保されていたかを調べられる資料を知りたい。時代は多少前後してもかまわない。
- 回答
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はじめに、中東の都市の分布について記載のある資料を紹介した。
(1)『イランの歴史 イラン・イスラーム共和国高校歴史教科書』八尾師誠/訳 明石書店 2018年
イランの高校で使用されているイラン史の教科書を日本語に訳したもの。
P.53「ダレイオス一世時代のアケメネス朝の版図」、P.66「アルサケス朝時代のイランの領域」、P.76「サーサーン朝の版図」、P.137「ウマイヤ朝時代のムスリムの領土」のように各王朝時代の領土を記した地図が載っており、大まかな都市名も記されている。
(2)『世界の歴史 4 オリエント世界の発展』中央公論社 1997年
オリエント世界の歴史に関する資料。アケメネス朝ペルシア時代からサーサーン朝ペルシア時代までの領土などを示した地図が載っており、都市名の記載もある。
(3)『世界の歴史 8 イスラーム世界の興隆』中央公論社 1997年
イスラーム世界の歴史に関する資料。P.104にはウマイヤ朝の版図が載っており、都市名の記載もある。
(4)『オリエント世界はなぜ崩壊したか 異形化する「イスラム」と忘れられた「共存」の叡智』宮田律/著 新潮社 2016年
王朝の歴史や当時の主要都市分布について書かれている。
次に、中東の生活用水・農業用水について記載のある資料を紹介した。
(5)『文明の中の水 人類最大の資源をめぐる一万年史』湯浅赳男/著 新評論 2004年
P.28~には、古代ペルシアから始まったカナート(乾燥地帯に見られるトンネル式の集水井戸)について説明がある。
P.37~には、メソポタミアの灌漑について記述がある。
P.74~「1 地中海周辺における農業と森林」には、地中海周辺の農業や水についての記述がある。
P.291には、オリエントのダムについて記述がある。
(6)『水と人類の1万年史』ブライアン・フェイガン/著 東郷えりか/訳 河出書房新社 2012年
P.151~「第6章 エンリルの土地―メソポタミアの地下水利用」
P.173~「第7章 エンキの国―シュメールの灌漑技術」
P.196~「第8章『われは水路を切り開かせた』―アッシリアの水道橋とカナート」
このあたりが関連する記述と思われる。
(7)『世界の灌漑 比較農業水利論』福田仁志/著 東京大学出版会 1980年
P.9~の「2 灌漑排水の歴史的発展と変遷」に関連する記述がある。このうち、P.20~24には、メソポタミアの灌漑について記述がある。
また、P.301にはカナートについて、「起源またその伝播については定説はないが、イランはその有力な起源地と目される。(略)すでにアケメネス朝(Achaemenid)(BC 558~330)にその存在が書かれている」とある。
(8)『渇きの考古学 水をめぐる人類のものがたり』スティーヴン・ミズン/著 赤澤威/訳 森夏樹/訳 青土社 2014年
P.25~には、レバント(東部地中海沿岸)地方の水管理の起源(150万年前~紀元前700年)について記載がある。
P.71~には、水管理とシュメール文明の興亡(紀元前5000年~紀元前1600年)について記載がある。
(9)『カナート イランの地下水路』岡崎正孝/著 論創社 1988年
カナートを中心とした、イラン社会の水文化について記載がある。
(10)『ペルシアの伝統技術 風土・歴史・職人』ハンス・E.ヴルフ/著 大東文化大学現代アジア研究所/監修 原隆一/[ほか]訳 平凡社 2001年
P.245~「第5章 農業と食料加工技術」には、様々な時代のペルシアでの農業の歴史や技術について記載がある。この中に、灌漑・カナート・配水といった項目もある。
(11)『技術の歴史 2 増補 原始時代から古代東方 下』筑摩書房 1981年
P.431~「第19章 給水、灌漑、農耕」には、灌漑の起源やカナートについて記載がある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 西南アジア.中東[中近東] (227 10版)
- 河海工学.河川工学 (517 10版)
- 農業工学 (614 10版)
- 参考資料
- キーワード
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- 中東
- 用水
- カナート
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000295286