◆「古レール」のキーワードでヒットした当館所蔵資料『鉄道考古学を歩く』「古レール観察への招待」p.159に「明治13年(1880)から鋼製平底レールを採用する。イギリスのキャンメル社のほかバーロウ社が参入した」との記述はあるが、詳細は分からず。念のためp.165「主要参考文献」にある『鉄のほそ道』を確認したがこちらも手がかりはなかった。
◆次に、CiNiiで「Barrow」「steel」をキーワードに検索すると、以下の論文がヒットした。
(1)阿知羅隆雄/著「バロウ・ヘマタイト鉄鋼株式会社 : 鋼レール製造のパイオニア」(『滋賀大学経済学部附属史料館研究紀要』31, pp.29-38, 1998.3)*府立未所蔵。国会図書館、大阪市立大学学術情報総合センター等が所蔵。
(2)阿知羅隆雄/著「19世紀中葉期イギリスにおける大土地所有貴族の企業活動と家産管理:ファーニスにおけるDevonshire公爵の場合」(『北見工業大学研究報告』22(1), pp.209-244, 1990.11)*府立未所蔵のため北見工業大学学術機関リポジトリの無料公開分で確認すると、pp.212-223に「Ⅰ Barrow Haematite Steel Co.の形成と発展」があり、同社について詳細に述べられている。また、他の章においても同社に関する記述がところどころに見られる。参考文献に挙げられている主なものは以下の通りである。
(3)J.C.Carr and W.Taplin,“History of the British Steel Industry”、1962
(4)Alan Birch, “The Economic History of the British Iron and Steel Industry.1784-1879”、1967
(5)J.D.Marshall, “Furness and the Industrial Revolution”,1958
(6)Jeseph Fisher,“Popular History of Barrow-in-Furness”, 1890-1
◆更に、阿知羅の論文を検索した結果、以下の論文にも関連事項の記述が確認できた。
(7)「19世紀中葉期イギリスにおける鉄道会社の地域開発と近代都市の形成:Barrow-in-Furnessの場合」(『北見工業大学研究報告』22(1), pp.181-208, 1990.11)*こちらも府立未所蔵のため北見工業大学学術機関リポジトリの無料公開分で確認すると、同社に関する記述がところどころに見られた。参考文献としては、上記(3)(4)などが挙げられている。
(8)「パックス・ブリタニカの崩壊と大土地所有貴族の後退:ファーニスにおけるCavendish家の場合」(『北見工業大学研究報告』24(1), pp.59-82, 1992.4)*府立未所蔵のため北見工業大学学術機関リポジトリの無料公開分で確認すると、同社の衰退についてところどころ記述がある模様。参考文献としては、上記(5)などが挙げられている。
◆以下はインターネットの情報
(9)「英国製の古レール」
http://homepage1.nifty.com/arashi/fururail/6britain.html(10)「Grace’s Guide: The Best of British Engineering 1750-1960s」
http://www.gracesguide.co.uk/wiki/Barrow_Hematite_Steel_Co なお、上記(9)で紹介された参考文献のうち、府立所蔵の以下の資料に同社製の古レールに関する若干の記述があった。
(11)「レールの趣味的研究序説(上)(中)(下)」(『鉄道ピクトリアル』329,pp.61-64、330,pp.44-50、331,pp.49-54,1977.1-3)