レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年02月12日
- 登録日時
- 2012/02/21 17:18
- 更新日時
- 2012/12/26 11:07
- 管理番号
- 新県図-01188
- 質問
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解決
明治期日本で使用していた、測量における方角の単位がわかる資料を知りたい。
(『三条市史 資料編』5 近現代1 p707に「午ノ弐拾九度三十分」とある。)
- 回答
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出典の記載から、明治期より前の江戸期の測量方法ではないかと思われます。
『伊能忠敬の科学的業績』(保柳睦美/編著 古今書院 1974)
こちらに渡辺慎/述・編「伊能東河先生流量地伝習録」が収められています。p346~347に伊能忠敬が用いた半円形の分度矩(ぶんどのかね)の図があり、次のように記されています。
「目モリハ天度三百六十ノ半バ、百八十ヲモリ、三十度ゴトニ十二支ノ名ヲ記シ、向ヘムケテ半周百八十度、前ヘムケテモ亦カクノ如シ。合セテ周天ノ数ニナル」
この使用方法については、以下の資料に解説があります。
『近世絵図と測量術』(川村博忠/著 古今書院 1992)p155~160
360度を十二支により区分することについては、『方位読み解き事典』(山田安彦/編 柏書房 2001)p54に記述があります。
その中に村井昌弘/編著『量地指南』からの図が転載されていますが、影印が『江戸科学古典叢書』9(恒和出版 1978)に収録されています。
『量地指南』は当時における測量法の基本書で、磁石の表示を逆にした機器による方位の測定方法が記されています。これは甲斐広永/編「量地図説」にも掲載されており、『近世絵図と測量術』p75~76に、その図とともに伊能忠敬も使用したことが述べられています。この「量地図説」は江戸時代に出版の原著も所蔵していますが、影印が『江戸科学古典叢書』10(恒和出版 1978)に収録されています。
このほか、以下の資料に収録の「コンパスからみる近世日本の地図史」が当時の方位角の精度について述べるなど参考になります。
『近世日本の地図と測量』(鳴海邦匡/著 九州大学出版会 2007)p147~175
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 測量 (512 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 江戸期の測量方法
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000102073