レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/01/11
- 登録日時
- 2014/06/21 00:30
- 更新日時
- 2024/03/30 00:36
- 管理番号
- M14032616168410
- 質問
-
江戸時代に起こった梶並川の洪水について知りたい。
- 回答
-
・『岡山県大百科事典 上』(資料①)の「梶並川」の項目に、「吉井川水系に属する吉野川の最大の支流。鳥取県境の勝田郡勝田町右手峠(633m)に発し、30.8kmを南下して英田郡美作町林野で吉野川に合流する。」とあるが、江戸時代の洪水については記載がない。
また、「洪水」の項目に、「岡山県下の主な水害」として承応3年(1654)から昭和51年(1976)までに起こった災害について、「年月日」、「主な地域」、「種類」、「被害状況」を一覧にしたものが掲載されているが、梶並川に限定した記載は見つからない。
・資料①を受け、『勝田町誌』(資料②)を確認する。「梶並川の流域は概ね原始河川であって暴風雨の度に氾濫して大きな被害を出している。近世史をひもといてその重なるものを採録してみる」として、承応3年(1654)から昭和38年(1963)までに起こった風水害についての一覧が掲載されている。
その中で、寛政7年(1795)8月29日と天保9年(1838)7月21日の洪水については、梶並川に限定した記載である。しかし、それ以上の詳細な記載はない。
・『岡山県勝田郡志』(資料③)では、「天災地殃」として、寛永8年(1631)から明治31年(1898)までの一覧がある。その中で江戸時代の梶並川の氾濫についての記述は、「寛政7年8月29日洪水梶並川溢れて耕田を侵害す」、「天保9年7月21日梶並川洪水」とある。しかし、それ以上の詳細な記載はない。
・『英田郡誌』(資料④)では、「天変地異」として、養老6年(722)から大正7年(1918)までの一覧がある。その中で梶並川の氾濫についての記述は、「天明7年8月28日洪水 梶並川氾濫して倉敷村水に浸さる」とある。しかし、それ以上の詳細な記載はない。
・そのほか、『勝田郡誌』(資料⑤)『岡山県吉井川の災害』(資料⑥)『岡山県水害史 上』(資料⑦)、『岡山の災害』(資料⑧)にも、江戸時代の水害についての記載はあるが、梶並川に限定した記載は見つからない。
以上より、江戸時代に梶並川は天明7年(1787)8月28日、寛政7年(1795)8月29日、天保9年(1838)7月21日に洪水があったことが確認できた。しかし、どんな被害があったかなどの詳細がわかる資料は見つからなかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 河海工学.河川工学 (517 9版)
- 参考資料
-
-
①岡山県大百科事典編集委員会企画編集『岡山県大百科事典 上』岡山 山陽新聞社,1980,1493p. 参照はp.600,951.
②勝田町誌編纂委員会編『勝田町誌』勝田町(勝田郡) 勝田町教育委員会,1975,10,567p. 参照はp.375-377.
③岡山県勝田郡役所編『岡山県勝田郡志』落合町(真庭郡) 作陽新報真庭本社,1972,3,5,215p. 参照はp.206-209.
④英田郡教育会『英田郡誌』落合町(真庭郡) 作陽新報真庭本社,1973,12,7,573p. 参照はp.516-520.
⑤国政寛編『勝田郡誌』勝間田村(岡山県) 勝田郡誌刊行会,1958,734p 図版7枚. 参照はp.241-254.
⑥建設省吉井川総合開発調査事務所編『岡山県吉井川の災害』岡山 建設省吉井川総合開発調査事務所,1973,174p. 参照はp.5-7.
⑦岡山県編『岡山県水害史 上』岡山 岡山県,1901,154p.
⑧蓬郷巌『岡山の災害 岡山文庫』岡山 日本文教出版,1989,171p. 参照はp.9-22.
-
①岡山県大百科事典編集委員会企画編集『岡山県大百科事典 上』岡山 山陽新聞社,1980,1493p. 参照はp.600,951.
- キーワード
-
- 梶並川
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2014032616152168410
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢
- 登録番号
- 1000154894