レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年07月21日
- 登録日時
- 2019/12/10 00:30
- 更新日時
- 2020/04/09 00:30
- 管理番号
- 3A19005819
- 質問
-
解決
江戸時代の大阪の薬の看板に「ひえしつ」というものがあるらしいが、「ひえしつ」とはなにか知りたい。
- 回答
-
「ひえしつ」について記載のある資料を紹介します。
『近世上方語辞典』 (前田勇/編, 東京堂出版, 1969.6)
p.945に「ひえ」の項目があり、「梅毒。しつ。」とあります。
『日本梅毒史の研究 : 医療・社会・国家』 (福田 眞人/編 ; 鈴木 則子/編,思文閣出版, 2005.6)
カラー口絵に「「ひえしつ」は江戸時代からみられる大阪での梅毒の俗称である」と解説があります。
商用データベース「聞蔵Ⅱビジュアル」 朝日新聞縮刷版
以下の広告が掲載されています。
・「(広告)本舗調製所 宇野河内堂 元発売所 本林丁子堂 池田良助ほか ひえしつくだし薬【大阪】」(1884年(明治17年)6月8日 朝刊4頁 大阪)
・「(広告)本舗調製所 宇野河内堂 発売大取次 日野旭松堂 高橋盛大堂ほか ひえしつくだし薬【大阪】」(1884(明治17年)6月28日 朝刊4頁 大阪)
・「(広告)岡田順天堂 リウマチス最良薬克快丸 ひえしつ梅毒下しビックリ丸」(1914年(大正3年)2月18日 朝刊7頁 東京)
広告文中に、梅毒から発する諸毒を防ぐという記述があります。
- 回答プロセス
-
1.商用データベース「JapanKnowledge」で“ひえしつ”を検索するがヒットなし。
2.OMLINサーチで“ひえしつ”を検索し、大阪市立図書館デジタルアーカイブ「ひえしつ一切の大妙薬:御薬方書ほどこし 薬種むし入ひねなどハききうすく候」(大坂:[丸屋吉兵衛] [1889以前])を見つけるが、「ひえしつ」が何かの記載はなし。
3.プロセス2より、大阪でも流通していた薬であると確認できたため、『近世上方語辞典』でひえしつの項目を確認(資料1)
4.梅毒の歴史に関する資料を確認(資料2)
5.商用データベース「聞蔵Ⅱビジュアル」の朝日新聞縮刷版で“ひえしつ”を検索し、資料3を見つける。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 衛生学.公衆衛生.予防医学 (498 9版)
- 参考資料
-
- 当館書誌ID <0000299886> 近世上方語辞典 :3版 前田 勇/編 東京堂出版 1969.6 (資料1)
- 当館書誌ID <0011020085> 日本梅毒史の研究 -医療・社会・国家- 福田 眞人/編 思文閣出版 2005.6 9784784212477 (資料2)
- 商用データベース「聞蔵Ⅱビジュアル」 (資料3)
- キーワード
-
- ひえしつ
- ひえ
- 梅毒
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000270065