レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017/12/11
- 登録日時
- 2018/04/06 00:30
- 更新日時
- 2018/04/22 14:35
- 管理番号
- 6000037801
- 質問
-
解決
鳥胸肉を低温調理するとパサパサにならずにおいしく料理できるときくが、カンピロバクターやサルモネラ菌による食中毒の心配はないのか知りたい。何度ぐらいでどれくらいの時間加熱すればよいのか。
- 回答
-
食中毒、食品衛生に関する以下の資料をご提供した。
- 回答プロセス
-
▽食中毒、食品衛生に関する資料をあたる。(493.1、498.5)
●『原色食品衛生図鑑 新訂』細貝 祐太郎/編者代表 建帛社 2002(498.5)
→食中毒の原因食品として鶏肉などの獣肉があるものとして「サルモネラ食中毒」、「ウェルシュ菌食中毒」、「カンピロバクター食中毒」が上げられている。
「サルモネラは煮沸程度の過熱で死滅する」(P16)、カンピロバクターは「熱や乾燥に弱い」、「加熱不十分な食肉(略)の生食を避けること」(P.28)とあるが、具体的な加熱条件は記載されていない。
また、ウェルシュ菌は「芽胞は耐熱性であるから加熱しても死滅しない。この点で他の食中毒とは異なる予防措置が必要である」とあり、ウェルシュ菌については加熱によって食中毒を防ぐことは難しく、喫食直前の調理する、加熱調理後の保存は低温保存または60度以上の温蔵とする、嫌気的環境を避けるなどの対策が必要とある(P.24)。
●『食品安全検定テキスト 中級』食品安全検定協会/編集 中央法規出版 2014(498.5)
→サルモネラ属菌の食中毒予防対策として、「サルモネラは60℃、30分間の加熱で死滅」、「食肉や卵は十分に過熱する(75℃、1分間以上)」とあり。(P.20~22)
→カンピロバクター属菌の食中毒予防対策として、「食肉(鶏肉)やレバーなどの内臓肉を生や加熱が不十分な状態で食べないことです。一般的な加熱調理は食品の中心部で75℃、1分間以上の加熱が必要です」と説明あり。(P.26~29)
→ほか食肉が原因となる食中毒として、リステリア・モノサイトゲネス(60℃、30分間の加熱で死滅)(P.47)、エルシニア・エンテロコリチカ(75℃、1分間程度の加熱で予防)(P.49)があげられている。
●『新・食品衛生学』藤井 建夫/著 恒星社厚生閣 2016(498.5)
→鶏肉に関係の深い食中毒微生物として、サルモネラ、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、リステリア、ウェルシュ菌腸管出血性大腸菌が上げられている。
「サルモネラや腸炎ビブリオ、ブドウ球菌など胞子をもたない細菌は普通の調理加熱(70~75℃、1分間以上)で死滅するが、有胞子細菌は耐熱性が強く、例えばボツリヌス菌の死滅には120℃、4分相当の加熱が必要である。また、毒素の耐熱性も細菌の種類によって異なり、ボツリヌス菌の毒素は易熱性であるのに対し、黄色ブドウ球菌の毒素は耐熱性である。セレウス菌には嘔吐型と下痢型があり、両者で毒素の耐熱性が異なる」(P.21)
「サルモネラは(略)加熱(75℃、1分以上)は食肉などではもっとも有効な予防手段といえる」(P.27)
「カンピロバクターの熱抵抗性は大腸菌よりやや弱く、牛乳中で72℃、20秒または60℃、80秒間で死滅する」(P.33~34)
●『Cooking for Geeks 料理の科学と実践レシピ』Jeff Potter/著 オライリー・ジャパン 2011(596)
→4章「時間と温度」の「食中毒とその予防法」に、加熱によるサルモネラ菌の殺菌とパスチャライゼーション(低温殺菌)についての説明あり。「鶏肉を安全に調理するのに必要となる最低限の時間(分単位)」の図あり(P.165)。
●『食中毒学入門 予防のための正しい知識 改訂版』本田 武司/著 大阪大学出版会 2012(493.1)
→サルモネラ汚染鶏卵の各種調理法で必要とする殺菌時間の表があり。肉類についてはなし。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 衛生学.公衆衛生.予防医学 (498)
- 食品.料理 (596)
- 内科学 (493)
- 参考資料
-
- 『新・食品衛生学』 藤井 建夫/著 恒星社厚生閣
- 『Cooking for Geeks』 Jeff Potter/著 オライリー・ジャパン
- 『食品安全検定テキスト 中級』 食品安全検定協会/編集 中央法規出版
- キーワード
-
- 食中毒(ショクチュウドク)
- 低温調理(テイオンチョウリ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000234383