レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20191004
- 登録日時
- 2020/11/16 00:30
- 更新日時
- 2021/01/06 14:44
- 管理番号
- 中央-2020-12
- 質問
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解決
筋膜とは何か。解剖学的に解説した本が見たい。
- 回答
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都立図書館蔵書検索をキーワード<筋膜>で検索し、ヒットした資料、解剖学関係の事典などを調査。
以下の資料に筋膜についてまとまった記述がある。
資料1
「10.2 骨格筋組織の構造」(p.307-315)の「結合組織性構造物」(p.307-309)に以下の記述あり。
「結合組織は筋組織を取り囲み保護している.(中略)筋膜 fasciaは不規則緻密結合組織(交織線維性緻密結合組織)で,体壁と上・下肢の内表面を覆い,同様の働きをする筋群を束ねる(図11.21参照).筋膜は筋が自由に動くことを可能にするほか,神経,血管,リンパ管を走行させ,筋と筋のあいだにある間隙を満たしている.筋膜からさらに筋内に伸び出る3層の結合組織は,骨格筋を保護し,補強している(図10.1).(以下「3層の結合組織」(筋上膜、筋周膜、筋内膜)の解説)」(p.307)
上記の「図11.21」(p.404)は下肢を横に切った断面図で、筋膜が筋肉や血管を覆う様子がカラーで図示されている。「図10.1」(p.308)は上肢の中身を立体的に示し、筋上膜、筋周膜、筋内膜等がカラーで図示されている。
資料2
「4章.結合組織」(p.114-151)の「さまざまな結合組織 2 密性結合組織(強靱結合組織) 2)筋膜と腱膜」(p.143)に以下の記述あり。
「筋膜 fasciaは筋の表面をおおっている膜状の結合組織で,線維が二次元的に交織している。かなり強靱で独立した膜をなすこともあるが,疎性結合組織が少し凝集した程度のものも多い。(中略)
筋膜は筋をおおうものとは限らない。他の器官(腺など)の表面を包むものや,疎性結合組織の膜性のしきりをなしているものなどがある。また太い血管の周囲にみられることのあるさやも一種の筋膜といえる。」
また、「8章.筋組織」(p.207-239)の「骨格筋 2 器官としての骨格筋 ●筋の構築」(p.222-223)に以下の記述あり。
「(前略)最後に筋全体は厚くて堅い結合組織の膜でまとめられる。これが筋上膜 epimysiumとよばれるものである1)(図8-24)。肉眼解剖学でいう筋膜 fasciaは,一般に組織学でいう筋上膜に相当する。」
上記の「図8-24 骨格筋の構築と筋紡錘の分布」(p.222)は「ヒトの肩甲舌骨筋の横断」を染色した実習標本がモノクロで掲載されていて、外側に筋膜(筋上膜)があることが示されている。
資料3
「第4章 筋系」(p.163-238)の「I筋学総論 B骨格筋の構造 1骨格筋の形状 a骨格筋の内部構造と筋膜,腱・腱膜」(p.167-169)に以下の記述あり。
「(前略)筋線維束はさらに数本ないし数十本ずつ束になり,その最外層は丈夫な交織密性結合組織である筋上膜(epimysium)で包まれ,骨格筋の外形をつくる.筋上膜は単に筋膜(muscle fascia)または深筋膜(deep fascia)とも呼ばれる.(後略)」(p.167-168)
p.168には「図4-4 骨格筋線維と筋膜」があり、筋上膜が筋線維を包む様子がカラーで図示されている。
資料4
「第1章 解剖学総論」(p.1-48)の「C運動器 1骨格 A骨格を作る素材(表1-1)」(p.15-16)にて、「筋膜 fasciaは,膜状の結合組織で,その多くは筋や筋群を包んでいる.」(p.16)と述べている。
また、「C運動器 3骨格筋 E骨格筋の結合組織(図1-19)」(p.24)にて、「骨格筋の表面と内部には線維性結合組織性の被膜が広がって,筋線維,筋線維の束,さらに筋全体を包んでいる.筋内膜 endomysiumは筋線維を包み,筋周膜 perimysiumは筋束を包み,筋上膜 epimysiumは個々の筋を包む.さらに,筋膜 fasciaは身体の各部位で筋群を包んでいる.(以下身体各部の筋膜について記述)」と述べ、ここでは筋上膜と筋膜は別のものとして扱われている。
上記の「図1-19 筋膜と筋区画(上腕)」(p.24)は、上腕の断面図で、筋膜や筋上膜が筋を包む様子がカラーで図示されている。
資料5
人体の筋膜をテーマとした解剖学テキスト。結合組織、浅筋膜、深筋膜、及び身体の各部の筋膜について、それぞれ解剖写真付きで詳細に解説している。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 基礎医学 (491 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】トートラ人体の構造と機能 / 第5版 / Gerard J.Tortora [著], Bryan Derrickson [著], 桑木共之 [ほか]編訳 / 丸善出版 / 2019 <491.1/5088/2019>
- 【資料2】標準組織学総論 / 第5版 / 藤田尚男 原著, 藤田恒夫 原著 / 医学書院 / 2015 <491.1/5029/1-2015>
- 【資料3】標準理学療法学・作業療法学 解剖学 専門基礎分野 / 第4版 / 奈良勲 シリーズ監修 鎌倉矩子 シリーズ監修 野村嶬 編集 野村嶬 [ほか]執筆 / 医学書院 / 2015 <491.1/5165/2015>
- 【資料4】標準解剖学 / 坂井建雄 執筆 / 医学書院 / 2017 <491.1/5306/2017>
- 【資料5】筋膜系の機能解剖アトラス / Carla Stecco 原著, Warren Hammer [編] , 竹井仁 訳 / 医歯薬出版 / 2018 <D/491.1/5324/2018>
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000289539