レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/10/26
- 登録日時
- 2021/11/27 00:30
- 更新日時
- 2021/11/27 00:30
- 管理番号
- 6001052930
- 質問
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解決
卵子や精子の遺伝子を解析し、生まれてくる子供の疾患等を知る「出生前診断」に対して、TVなどでよく「命の選択であり神の領域を侵す行為だ」という話を聞くが、特にキリスト教においてその考え方は何に基づくものなのかわかる資料を教えてほしい。
- 回答
-
キリスト教の中で、特に「出生前診断」について厳しい立場をとっているカトリック・キリスト教における生命倫理に関する資料を中心に紹介。「出生前診断」を否定する根拠となる「生命の始まり」の定義について書かれたものも含む。
(図書)
・『指針人格の尊厳:生命倫理のいくつかの問題について』(教皇庁教理省/著 カトリック中央協議会司教協議会秘書室研究企画/訳 カトリック中央協議会 2014.7)
副題どおり、現代の医療技術等に端を発する生命の問題について、教皇庁の見解と指針を示した資料。「第二部 出産に関する新たな問題」(p.18-32)の中で、「着床前診断」(p.29-31)についても触れられている。
・『キリスト教と生命倫理』(東方敬信/編 日本基督教団出版局 1993.3)
複数のキリスト教研究者による論文が収録されており、キリスト教における生命観から先端医療技術までキリスト教における「生命倫理」観を概観できる、比較的読みやすい資料。
・『キリスト教倫理』(泉田昭/著 いのちのことば社 2009.4)
「聖書における人間論」や「聖書は生命をどのように理解するのか」など、「聖書」に基づくキリスト教の倫理について解説した資料。第3章が「生命の倫理」(p.79-105)。
・『神と生命倫理』(古牧徳生/編 晃洋書房 2016.2)
こちらも複数の研究者による論文が収録されており、第二論文「医療による悪―生命の操作という傲慢さ―」第三節が「出生前検査による殺人」(p.53-57)となっている。第一論文「いのちの文化と死の文化」では、以降の論文の前提となる『聖書』の解釈なども説明されている。
・『出生をめぐる倫理:「生存」への選択 (生存学研究センター報告10)』(櫻井浩子/編 立命館大学生存学研究センター 2009.12)
池端祐一郎「カトリックの教説から見る中絶問題―中絶に関わる諸事項の関連」(p.10-33)カトリックの教えに基づいて中絶について論考している。カトリックにおける「出生前診断」に対する見解につながる内容。
・『ヴァチカン・アカデミーの生命倫理:ヒト胚の尊厳をめぐって』(秋葉悦子/訳著 知泉書館 2005.12)
かなり専門的な内容だが、カトリックにおける公式的な生命倫理観がわかる。
(雑誌論文)
キリスト教における「生命の始まり」の定義、「出生前診断」に対する考察等関係する事項について書かれた論文のうち、インターネットで閲覧可能なものをいくつか紹介。
・藤原武男「キリスト教の「生命のはじまり」に関する一考察」『東洋哲学研究所紀要』第23号(東洋哲学研究所 2007年)(2021/10/26現在)
http://www.totetu.org/assets/media/paper/k023_126.pdf
・藤山みどり「出生前診断と宗教」(宗教情報センター研究員レポート2012年10月28日記事)(2021/10/26現在)
https://www.circam.jp/reports/02/detail/id=3642
・J.マシナ「文献紹介 生命倫理に関する教会公文書の長所と短所--生命尊重と人間の尊厳をめぐって 『着床前の段階のヒト胚 科学的側面と生命倫理学的考察』(教皇庁生命アカデミー、カトリック中央協議会、二〇〇八年)」『社会と倫理』第23号(南山大学社会倫理研究所 2009)p.99-110 (2021/10/26現在)
http://rci.nanzan-u.ac.jp/ISE/ja/publication/se23/23-08mashia.pdf
[事例作成日:2021年10月26日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 教義.キリスト教神学 (191 10版)
- 医学 (490 10版)
- 参考資料
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- 指針人格の尊厳 教皇庁教理省‖著 カトリック中央協議会 2014.7 (18-32)
- キリスト教と生命倫理 東方/敬信∥編 日本基督教団出版局 1993.3
- キリスト教倫理 泉田/昭∥著 いのちのことば社 2009.4 (79-105)
- 神と生命倫理 古牧/徳生‖編 晃洋書房 2016.2 (53-57)
- 出生をめぐる倫理 櫻井/浩子∥編 立命館大学生存学研究センター 2009.12 (10-33)
- ヴァチカン・アカデミーの生命倫理 秋葉/悦子∥訳著 知泉書館 2005.12
- http://www.totetu.org/assets/media/paper/k023_126.pdf (藤原武男「キリスト教の「生命のはじまり」に関する一考察」『東洋哲学研究所紀要』第23号(2007年)(2021/10/26現在))
- https://www.circam.jp/reports/02/detail/id=3642 (藤山みどり「出生前診断と宗教」(宗教情報センター研究員レポート2012年10月28日記事)(2021/10/26現在))
- http://rci.nanzan-u.ac.jp/ISE/ja/publication/se23/23-08mashia.pdf (J.マシナ「文献紹介 生命倫理に関する教会公文書の長所と短所--生命尊重と人間の尊厳をめぐって 『着床前の段階のヒト胚 科学的側面と生命倫理学的考察』(教皇庁生命アカデミー、カトリック中央協議会、二〇〇八年)」『社会と倫理』第23号(南山大学社会倫理研究所 2009)(2021/10/26現在))
- キーワード
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- キリスト教(キリストキョウ)
- 生命倫理(セイメイリンリ)
- 出生前診断(シュッセイマエシンダン)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000308067