レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 岡山県立図書館 (2110029) | 管理番号 (Control number) | M21041615014744 | |||
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事例作成日 (Creation date) | 2021/5/15 | 登録日時 (Registration date) | 2021年12月29日 00時31分 | 更新日時 (Last update) | 2022年12月14日 00時31分 | |
質問 (Question) | 庭先や道ばたにある黒みがかったプルプルした物体は何なのか。コケ類なのか。気持ちが悪いので駆除したいが、毒性はあるのか。放置してもよいのか。 | |||||
回答 (Answer) | この物体が地衣類であると推測し、①『街なかの地衣類ハンドブック』を参照したところ、カラー写真にシアノバクテリア(イシクラゲ)と書かれていた。p.5に「地衣類と間違われやすい生き物の代表は、先にも述べた通りコケ植物です。コケ植物は、蘚類(せんるい)・苔類(たいるい)・ツノゴケ類に分類されますが、いずれも地衣類っぽい形の種があります。その他に、スミレモやクロレラなどの緑藻類、イシクラゲなどのシアノバクテリア(=藍藻類)、きのこ類、カビ類、変形菌類などもしばしば地衣類と間違われます。」と記述されており、この物体はイシクラゲというシアノバクテリア(藍藻類)であることがわかった。 そこで、藍藻類について②『朝日百科植物の世界12』を参照したところ、p.284のカラー写真に「ノストック・ウェルコスム」と記載されていた。同ページに、「中国ではネンジュモ属の仲間が貴重で高価な食べ物である。中華料理で珍重されるのがハッサイ(髪菜)Nostoc commune var.flagelliformis で、中国西北部に生育する。日本ではイシクラゲ、アネガワクラゲなどとよばれているノストック・ウェルコスム N.verrucosum が、昔から食用として知られている。ネンジュモ属の糸状体の形態はアナベナ属と類似するが、多くの糸状体が複雑にねじれ、からみ合い、集合し、周囲に寒天物質を分泌するので、全体は肉眼でも見える群体となる。」と記述されていた。これにより、イシクラゲに毒性はないことがわかる。 ③『ミドリムシの仲間がつくる地球環境と健康』では、イシクラゲの多様な生理作用についても言及されている。 ④「盆栽世界」の「あの気持ち悪い厄介者の藍藻類「イシクラゲ」の駆除について」という記事のp.50に「梅雨時や涼しくなった秋口に、盆栽鉢の表土に発生するイシクラゲ。濡れるとプルプルとした寒天状で弾力がある。色はオリーブブラウンで透明に近い。見た目は気持ち悪いが、酢の物などにして食べることができ、別名"岩キクラゲ”とも呼ばれる。しかし、本来のキクラゲはキノコの仲間で、こちらはまったく違う藍藻類の仲間だ。」とあり、漂白剤など7種類の液体を使った駆除実験も記載されている。 また、⑤から⑧にシアノバクテリアについての記述はあるが、イシクラゲについては言及されていない。 ⑨『食と微生物の事典』のp.464に「食べられるシアノバクテリア」という項目でイシクラゲが紹介されている。ここからも、イシクラゲに毒性はないことがわかる。 | |||||
回答プロセス (Answering process) | ||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | ||||||
NDC |
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参考資料 (Reference materials) |
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キーワード (Keywords) |
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照会先 (Institution or person inquired for advice) | ||||||
寄与者 (Contributor) | ||||||
備考 (Notes) | M2021041615031714744 | |||||
調査種別 (Type of search) | 内容種別 (Type of subject) | 質問者区分 (Category of questioner) | 全年齢 | |||
登録番号 (Registration number) | 1000309721 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) |