「シモツケコウホネ」についての記述を確認した資料は以下のとおりです。
調査の過程で2006年に新種と認められたことが分かりましたので、この後に発行された資料を中心に調査を行いました。
1 図書資料
・『栃木いきもの図鑑』(前田信二/著,前田将誌/著 メイツ出版 2014)
p.185「シモツケコウホネ」の項があります。
「スイレン科 2006年に新種として発表された日光市に自生する沈水性の多年草。コウホネと違い葉は水中に没しており、地元では新種と認められる以前から「カワワカメ」として知られていた。」とあります。
2 雑誌記事、論文等
・「趣味の山野草」 384号(2012年7月)(栃の葉書房 2012)
p.18「シモツケコウホネなど3種が国内希少野生植物に指定」という記事が掲載されています。
この他、「CiNii」や「国立国会図書館サーチ」にて「シモツケコウホネ」を検索したところ、以下の3つの論文情報を確認できました。
いずれも当館では所蔵のない資料に掲載されており、本文の確認はできませんでした。
・志賀 隆,五十嵐 あすか,阿部 知美 他著「シモツケコウホネNuphar submersa(スイレン科)の生育地における群落面積と開花数の経年変化」(『水草研究会誌 100号』(水草研究会/出版 2013-11)p.51-60所収)
・志賀 隆,横川 昌史,兼子 伸吾 他著「全個体遺伝子型解析データに基づく絶滅危惧水生植物シモツケコウホネNuphar submersaとナガレコウホネN. ×fluminalisの市場流通株の種同定と産地特定」(『保全生態学研究 18巻1号』(保全生態学研究編集委員会/編 2013-5)p.33-44所収)
・米山 正寛/著「里の生きものがたり(32)シモツケコウホネ 身近な水路にあった新種 圃場整備や河川改修で激減」(『グリーン・パワー 404号』(森林文化協会/出版 2012-08)p.8-9所収)
なお、上記論文の掲載資料はすべて国立国会図書館が所蔵しています。
3 新聞記事
当館で契約するオンラインデータベース「下野新聞DBプラス日経テレコン」で下野新聞記事を確認したところ、139件の記事を確認しました。(平成30年3月17日)
検索語:シモツケコウホネ
以下、最も古い記事から3件、最も新しい記事から1件のみお伝えします。
(掲載年月日 掲載面 「見出」)
・2005年6月18日 1面 「コウホネ新変種?/今市で群落発見/すべての葉 水中に/「世界初の沈水性」/神戸大の大学院生 新種登録へ準備/■地元と県保全へ協議」
・2005年10月7日 3面 「コウホネ新変種記念物に指定を/群落保全へ県に要望書/今市の水生植物自生地住民ら/■会員の拡大へ13日に観察会/保全会」
・2005年10月14日 1面 「新種 お披露目/水生植物 「シモツケコウホネ」/今市で住民ら観察会」
・2017年9月27日 19面 「日光/シモツケコウホネ守ろう/落合西小児童が学習会」
4 視聴覚資料
・『のこった用水路 シモツケコウホネ群生地』(佐々木正春 2010)
小代の水路に自生する希少植物シモツケコウホネを撮影したDVDです。(再生時間約15分)
(内容については、下野新聞 2011年4月4日 18面『残せ シモツケコウホネ/貴重な記録DVDに/日光の佐々木さん/ほ場整備前後の風景撮影』参照)
5 その他
シモツケコウホネが新種と認められる以前に発行された資料で、「コウホネ」の項がある資料類を参考までご紹介します。
・『原色栃木県植物図鑑 1』(栃木県植物同好会/編 月刊さつき研究社 1988)
p.81「コウホネ」の項があります。葉の特徴が「シモツケコウホネ」と異なっています。
・『とちぎの植物Ⅱ 栃木県自然環境基礎調査収集標本目録』(栃木県自然環境調査研究会植物部会/編 栃木県林務部自然環境課 2003)
栃木県立博物館収蔵庫に保管されている標本の目録です。学名、和名、標本番号、産地、標高、採集年月日、採集者名等の情報が掲載されています。
p.142「コウホネ」の項があり、5点掲載されています。写真や説明文はありません。
以下の資料は、お調べしましたが情報を確認できませんでした。
・『レッドデータプランツ 絶滅危惧植物図鑑 増補改訂新版』(永田芳男/写真,矢原徹一〔ほか〕/監修 山と溪谷社 2015)
・『日光の自然図鑑』(前田信二/著 メイツ出版 2014)
・『奥日光いきものフィールドノート』(日光自然博物館/制作 栃木県環境森林部自然環境課 2011)
・『奥日光フィールド図鑑』(奥日光自然史研究会/編 下野新聞社 2009)